「SAPエンジニアって何をするの?」
「SAPコンサルタントと何が違うの?」
このような疑問を持っているあなたのために、この記事ではSAPエンジニアの仕事について詳しく解説していきます。
SAPエンジニアという職種は聞いたことがあるけど、具体的にどのようなことをするのか、SAPコンサルタントとの違いが理解されていないことが多いです。
SAPエンジニアは、やりがいや報酬、キャリアパスを考えた時に魅力的な職種といえます。
この記事では、SAPエンジニアについて以下の内容を解説します。
- SAPエンジニアとは?
- SAPエンジニアとSAPコンサルタントの違いは?
- SAPエンジニアの魅力
- SAPエンジニアに求められるスキルと資格
- SAPエンジニアのキャリア
また、SAPエンジニアはやめとけといわれることがあります。
その原因についてもいくつかのパターンを解説します。
SAPエンジニアに興味を持つあなたにとって、参考になる内容が満載です。
是非、最後までご覧ください。
そもそもSAPエンジニアとは?

SAPエンジニアとは、ドイツを拠点としたソフトウェアメーカーのSAP社が開発しているERPパッケージ(通称SAP)の導入や開発、保守運用を行うエンジニアを指します。
ここでは、以下の3つの内容について紹介します。
- SAPとは?
- SAPエンジニアの仕事内容
- SAPエンジニアとSAPコンサルタントの違いは?
ひとつずつ見ていきましょう。
SAPとは?
SAPとは何かをすでにご存知の方も多いと思いますが、一度おさらいします。
SAPとは、SAP社が開発した企業の業務プロセスをひとつのシステムで統合的に管理するためのERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアのひとつです。
SAPは会計、人事、販売、物流、購買、生産などの様々な部門の企業活動を一元管理ができます。
ひとつのシステムの中にすべての情報を一元管理することで、以下を実現可能です。
- データの一貫性
- リアルタイムの情報共有
以下の記事でより詳しい内容を紹介していますので、詳しく知りたい方は是非ご覧ください。

モジュールとは?
SAPシステムにおけるモジュールとは、会計や人事、販売、生産管理などの業務分野別にまとめられた機能群のことを指します。
具体的なモジュール例をいくつか紹介します。
- 財務会計:FI(Financial Accounting)
- 人事:HR(Human Resource)
- 在庫管理:MM(Material Management)
- 販売管理:SD(Sales and Distribution)
各モジュールは独立して利用できますが、業務領域が関連するモジュール間で連携して利用することも可能です。
SAPシステムには20以上のモジュールが用意されており、クライアント企業の業務要件に合ったモジュールを組み合わせて利用します。
代表的なモジュールの詳細については、以下で確認してみてください。
SAPエンジニアの仕事内容
SAPエンジニアは、クライアントの業務要件に基づいてSAPシステムの導入、開発、保守運用を行います。
具体的な業務内容としては、以下が代表的な業務です。
- カスタマイズ設定
- アドオン開発
- システム運用・保守
詳細を見ていきましょう。
カスタマイズ設定
SAPシステムはパッケージソフトではありますが、クライアントの業務要件や導入国の法律に合わせて個別の設定が必要です。
上記の個別設定のことを「カスタマイズ」と呼びます。
SAPは全世界での導入が前提となっており、細かく設定できるカスタマイズが用意されており、各国や各業種に導入可能です。
そのため、業務プロセスの基本的な部分はカスタマイズで実装ができるようになっています。
アドオン開発
クライアント企業の独自業務プロセスにて、カスタマイズではどうしても対応できない場合において実施するのが、「アドオン開発」です。
アドオン開発ではクライアントの独自機能や画面を個別で開発していきます。
ただし、アドオン開発を行うと、SAPシステムのバージョンアップ時の対応で改めてテストや修正を行う必要があるため、コストがかかります。
業務プロセスに対する必要性とコストのバランスを見ながら、開発をするかを決定することが多いです。
ABAPでアドオン開発を中心に行うエンジニアは、ABAPエンジニアとも呼ばれます。
ABAPエンジニアについて詳しくは以下の記事をご確認ください。

システム運用・保守
SAPシステムを導入後、システムが安定稼働するように状態監視やメンテナンスすることを「運用・保守」と呼んでいます。
SAPシステムは業務に直結しているため、システムが問題なく動くようにしておくことが必要です。
さらに、システムに問題が発生した場合には迅速に解決し、通常状態に戻すことも求められるでしょう。
SAPシステムはクライアントからの問い合わせも多いため、問い合わせを受けて調査/回答することも運用保守の中に含まれます。
SAPエンジニアとSAPコンサルタントの違いは?
SAPエンジニアとSAPコンサルタントの違いについて、よく質問を受けます。
どちらもSAPに関する知識や経験を持つ専門家ですが、業務内容や求められるスキルに違いがあります。
- SAPエンジニア:システム開発・運用保守を専門的に行う
- SAPコンサルタント:クライアントの業務プロセスを分析し、SAPシステムの導入・活用を支援する
SAPコンサルタントが上流工程を担当して導入の形を作り、SAPエンジニアが実際にシステムを構築していくという役割分担となります。
SAPコンサルタントの仕事内容の詳細は以下の記事をご確認ください。

SAPエンジニアに求められるスキル・資格

SAPエンジニアには、幅広いスキルと資格が求められます。
ここでは代表的なスキルと資格について解説します。
具体的なスキルと資格は以下のとおりです。
- SAP開発力(カスタマイズ/ABAP/Java)
- 業務理解力
- ITスキル
- 語学力(英語)
- SAP認定コンサルタント
SAP開発力(カスタマイズ/ABAP/Java)
1つ目は「SAP開発力」です。
SAPエンジニアの開発力は以下2つのスキルを指します。
- カスタマイズ
- プログラミング(ABAP/Java)
上記でも説明しましたが、基本的な業務プロセスはカスタマイズで設定を行い、どうしても足りない部分はプログラミングでアドオン開発を行います。
カスタマイズやアドオン開発はSAPエンジニアが担当するため、SAP開発力が必要です。
SAPエンジニアが求められるスキルの中で、一番重要なスキルといえるでしょう。
業務理解力
2つ目は「業務理解力」です。
SAPシステムはクライアントの業務要件に合わせて構築していきます。
そのため、実際に開発をする際には、業務を理解した上で進めていくことが求められます。
どのような業務シチュエーションで、どのような内容を登録するのかを意識することで、カスタマイズの妥当性や考慮すべきポイントなどがより鮮明に見えてくるでしょう。
また、業務を理解しておくと誤ったシステム設定にも気づけるため、業務理解力は必要です。
ITスキル
3つ目は「ITスキル」です。
SAPエンジニアもシステムエンジニアの一部であり、ITに関する知識を持っておく必要があります。
特に以下の内容については、ある程度知っておく必要があるでしょう。
- データベース
- ネットワーク
- クライアント端末
ITに関する知識がないとトラブルが発生した際に、どこに原因があるのか特定ができません。
原因特定ができないと、発生しているトラブルを解決できずクライアントの信用を落とす事態につながります。
そのため、SAPエンジニアにもITスキルが求められます。
語学力(英語)
4つ目は「語学力」です。
SAPは大手企業へ導入されており、中でもグローバルで事業を行っている会社が多いです。
日本国内で導入した後、海外支社や工場へ導入するグローバル展開が行われます。
その場合において、開発メンバーとして現地の言葉を使えるというのは、スムーズなコミュニケーションが取れるため、強みといえるでしょう。
また、SAPは海外製品のため、新製品や情報の発表は英語で実施されます。
SAP社主催のイベントで使用されるのも英語です。
SAPと英語は切り離せないため、英語は身につけておくとよいでしょう。
SAP認定コンサルタント
5つ目は「SAP認定コンサルタント」です。
SAP認定コンサルタントは、SAP社が提供している資格であり、SAPシステムに関する専門的な知識やスキルを持っていることを証明します。
実際の導入についてはSAPの開発力があれば進められますが、プロジェクトへの参画前に開発力があることを第3者に証明するのはどうやって行いますか?
そのような場合にSAPの知識やスキルがあることを証明するのが、SAP認定コンサルタントの資格です。
クライアントから信頼を得るためにも、資格取得をオススメします。
SAPエンジニアの魅力

SAPエンジニアとしての魅力はいくつかありますが、以下3つが代表的な魅力です。
- 上流のコンサルティングができる
- フリーランスとして独立できる
- クライアントに大手企業が多い
ひとつずつ見ていきましょう。
上流のコンサルティングができる
1つ目は「上流のコンサルティングができること」です。
SAPエンジニアはシステム開発がメインの仕事ですが、クライアント企業の業務分析や課題解決にも関わる機会があります。
上流工程(要件定義等)から下流(開発/テスト/移行)までの幅広い業務に携わることで、クライアントのビジネスを深く理解することが可能です。
将来的なキャリアパスとしてSAPコンサルタントを目指す際には、非常にためになる部分といえるでしょう。
フリーランスとして独立できる
2つ目は「フリーランスとして独立できること」です。
フリーランスとして独立するためには高いスキルや知識を求められますが、フリーランスになることで以下のようなメリットを受けられます。
- 自分自身のペースで仕事ができる
- 報酬を自分で決められる
- 好きな場所で仕事ができる
- 多様なクライアントと仕事ができる
様々なメリットがありますが、総じて自分が望む働き方を実現できることにつながります。
働いていてストレスが少ない環境を作れるのは大きな魅力です。
クライアントに大手企業が多い
3つ目は「クライアントに大手企業が多いこと」です。
大手企業でSAPを導入しているのは、三井住友フィナンシャルグループやキリンホールディングス株式会社などの企業です。
大手企業の導入プロジェクトに参加することで、業界トップクラスの企業の業務運営を間近で学び、スキルアップができます。
また、大手企業で導入する場合、ロールアウト(システムの横展開)をするケースが多いです。
ロールアウトを行う場合は、全体の導入期間が長くなる傾向があり、その間安定して働けます。
このように、魅力的な働き方ができるSAPエンジニアですが、時々やめとけといわれることがあります。
次に、やめとけといわれる理由を様々な視点から見ていきましょう。
SAPエンジニアはやめとけといわれる理由

SAPエンジニアは魅力的な仕事である一方で、以下のような課題も存在しています。
このような課題があるため、SAPエンジニアはやめとけといわれることがあります。
- 常に最新の情報をキャッチアップしないといけない
- 残業が多くなるケースがある
- 専門的なスキルや知識が求められる
- 導入における責任が重大
- ユーザーからの問い合わせ対応が大変
- 業務要件を理解する必要がある
ひとつずつ見ていきましょう。
常に最新の情報をキャッチアップしないといけない
SAPエンジニアは新しい情報が展開されてくるため、新しい情報をキャッチアップする努力が求められます。
SAPシステムは法律対応や機能追加で毎年新しいバージョンが公開され、新しいバージョンがリリースされると、過去の情報は古くなってしまいます。
導入クライアントによって導入するバージョンが違ってくるため、新しいバージョンをしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
上記のように知識やスキルを常に更新し続けなければならない点が、やめとけといわれる一因になることがあります。
残業が多くなるケースがある
SAPエンジニアは労働時間が増え、残業が多くなるケースがしばしばあります。
SAP導入プロジェクトでは、各フェーズの終盤や本番稼働直前は様々な締め切りに間に合わせる必要があり、残業を増やして対応することが多くなります。
また、SAPシステムは基幹システムでありクライアントの業務に直結するシステムであるため、トラブルがあれば深夜や早朝、休日でも対応するケースがあるでしょう。
時間外での対応は負担が大きくなるため、やめとけといわれる側面があります。
専門的なスキルや知識が求められる
SAPシステムは大規模で複雑な仕組みとなっており、導入するためには高いレベルの知識やスキルが求められます。
ユーザーの業務要件に合わせてシステムをカスタマイズしていく必要があり、業務パターンに対するシステム設定を覚えていないと対応ができません。
また、ひとつの設定を変えるだけでシステムが上手く動かなくなることがありえるため、設定を変更する際にはよく調査をした上で対応する必要があります。
SAPシステムのような高度で複雑なものを扱うためのスキルが必要になることから、SAPエンジニアはやめとけといわれることがあるのでしょう。
導入における責任が重大
SAPシステムはクライアント企業の根幹となるシステムであり、利用者や連携するシステムが多いです。
そのため、SAPシステムを取り扱うSAPエンジニアの責任は大きくなります。
特にSAP導入プロジェクトやバージョンアッププロジェクトは会社全体に影響があり、連携しているシステムや利用する従業員も関わってくるため、失敗が許されません。
任される責任が大きいほど燃える人であれば問題ありませんが、プレッシャーと向き合いながら働くことが苦手な人にとっては大変な職種といえるでしょう。
ユーザーからの問い合わせ対応が大変
SAP導入が完了した後は、実際の利用者からの問い合わせ対応を行います。
機能が使えないや、実行するとエラーが出るというような断片的な情報を連絡し、問題解決を依頼してくるユーザーも少なくありません。
ユーザーからシステムを利用していた状況を聞き出し、ユーザーがやりたいことや状況を推測し、回答をすることが求められます。
また、問い合わせの回答が遅れた場合、ユーザーからのクレームが発生する可能性があります。
上記のような問い合わせ対応の大変さを感じ、やめとけという声もあるようです。
業務要件を理解する必要がある
SAPエンジニアとして、SAPのスキルや知識を高めるとともに、クライアントのビジネスも理解する必要があります。
前提として、SAPシステムはクライアントのビジネスプロセスに合わせてシステムを導入します。
ビジネス内容や手順を理解できていない場合は、システム導入が適切に行えない可能性が高いです。
また、導入するクライアントでそれぞれビジネスプロセスが違うため、それぞれのプロセスをしっかりと理解する必要があります。
上記のような業務要件や業務プロセスを理解する負担が大きいことから、やめとけといわれる原因になるようです。
SAPエンジニアの将来性

SAPエンジニアの将来性は、これからも見通しがよいとされています。
具体的には以下の3つがポイントです。
- S/4 HANAに移行する企業が増えると予想される
- 中小企業でERPの導入が進んでいる
- 企業のグローバル化によりERPがより重要になる
ひとつずつ解説していきます。
S/4 HANAに移行する企業が増えると予想される
SAPが提供していて全世界に広まっているERPパッケージ(ECC6.0)のサポート終了期限が、2027年に迫っています。
ECC6.0の後継パッケージとして「S/4 HANA」が提供されており、現在ECC6.0を利用しているユーザーはS/4 HANAへ移行することが多いです。
全世界の企業がECC6.0からS/4 HANAへの移行することにより、移行プロジェクトが今後増えてくるでしょう。
移行に携わるSAPエンジニアの募集がされるため、今後もSAPエンジニアの需要が低くなることはないといえます。
中小企業でERPの導入が進んでいる
SAPはこれまで大手企業を中心に導入が進められてきましたが、現在は中小企業においても導入が進められてきています。
引用元:「大企業向け」と思われがちなSAP、実は顧客の8割が中堅企業 中堅・中小ならではの「強み」を活かした、スピード感あるDX
中小企業は業務内容や業務プロセス、関わる人数が本当に多種多様です。
各企業に合わせてSAPを導入可能なSAPエンジニアの需要が高まってくるため、将来性が高いといえるでしょう。
企業のグローバル化によりERPがより重要になる
SAPはグローバル企業のビジネス要件を満たすように作られており、複数の国や言語も一元管理することが可能になっています。
グローバルで活躍している日本企業もしくは、今後グローバル化していく企業の増加が予想される中で、一元管理ができるSAP導入を検討する企業が増えてくるでしょう。
そのような場合に、SAPが選ばれることはごく自然なことであり、SAPの導入が増えてきます。
導入にはSAPエンジニアが必要になるため、将来性について明るいと考えられるでしょう。
SAPエンジニアの年収

SAPエンジニアの年収は他のIT系の職種と比較すると高水準といわれています。
その年収は雇用形態、スキル、経験によって大きく変わります。
ここでは、会社員としてのSAPエンジニアと、フリーランスとしてのSAPエンジニアで働いた場合の年収を見ていきましょう。
会社員の場合
会社員の場合は、所属企業の規模感、勤務場所、役割によって大きく変わります。
SAPエンジニアの平均年収は約500~600万円で、日本の平均年収を上回っています。
(参考サイト:indeed、求人ボックス.com)
また、経験別では以下のような年収になるといえるでしょう。
- 未経験~2年目程度(PG、テスト中心):400~500万円程度
- 3年目~7年目程度(設計、結合テスト中心):500~700万円
- 8年目~(モジュールリーダークラス):700万円~
経験を積み、できることが増えるにつれて、年収もあがっていきます。
フリーランスの場合
フリーランスとして働く場合は、会社員よりも高い報酬をもらうことが可能です。
SAPエンジニアとして過去にSAP導入経験があれば、月単価50~140万円の報酬が見込めるでしょう。
また、担当できるモジュール/工程が広くなるほど、報酬がより高くなります。
モジュールという観点でいえば、専門性が高く、人員が不足しやすい以下の領域の経験があれば、他のモジュールに比べて高単価を目指せるでしょう。
- 会計領域(FI/CO)
- 生産購買領域(MM/PP)
SAPエンジニアの年収については以下で詳しく解説していますので、詳細を知りたい方は参考にしてみてください。

SAPエンジニアになる方法

SAPエンジニアになるためには、準備をしてから望む必要があります。
ここでは、未経験からSAPエンジニアになるための方法を紹介します。
未経験の場合、そのままSAPエンジニアを目指すのは難しい
未経験から準備もなく、SAPエンジニアに転職することは難しいです。
SAPエンジニアの求人として未経験OKとしているものでも、システムエンジニアとして一定の開発経験があることを前提としているケースがほとんどです。
まずは、システムエンジニアとしてシステム開発経験を積んでいきましょう。
SAP社のトレーニングを受ける
システムの開発経験を積んだ上で、次にSAP社が実施しているトレーニングを受けるのがオススメです。
SAPは数多くの企業の業務プロセスに合わせられるように、非常に細かな部分までカスタマイズをすることが可能です。
逆にいえば、設定項目が多すぎて、知識が乏しい人には設定しきれません。
上記の設定内容を体系的に学習できるのが、SAP社が実施しているトレーニングです。
対面からオンライン、動画教材まで様々用意されているので、自分にあったトレーニングを選び受講し、SAPの知識を深めましょう。
SAP認定コンサルタントを取得する
SAPのスキルや知識を深めたら、SAP認定コンサルタントの資格を取得しましょう。
SAP認定コンサルタント資格は多岐にわたり、合計140を超える試験があります。
どれかひとつでも取得していれば、SAP認定コンサルタントを名乗ることが可能です。
認定コンサルタントの資格はモジュール別、開発スキル別、インフラ別に分類されています。
いずれの資格も合格することは難しいため、しっかりと学習する必要があります。
SAPエンジニアのキャリアパス

無事SAPエンジニアへ転職できたあとのキャリアパスについても、少し紹介しておきます。
SAPエンジニアになったあと、目指す先のキャリアは以下3つが代表的なキャリアです。
- SAPコンサルタントへの転身
- フリーランスエンジニアとして働く
- 企業内の情報システム部門で働く
ひとつずつ紹介していきます。
SAPコンサルタントへの転身
1つ目のキャリアは「SAPコンサルタントへ転身する」ことです。
SAPエンジニアのより上流を担当するのがSAPコンサルタントになります。
SAPコンサルタントは、SAPシステムの導入時に現状業務プロセスを分析し、どのようにSAPを活用していくかを明確にし、導入を推進する役割を担っています。
より重要な役割であり責任も大きくなりますが、やりがいや達成感、報酬もより大きくなるでしょう。
上流工程からクライアントに関わりたい方は、SAPコンサルタントを目指すのがオススメです。
SAPコンサルタントの仕事内容については、以下の記事を参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアとして働く
2つ目のキャリアは「フリーランスエンジニアとして働くこと」です。
正社員としてSAPエンジニアの経験を積み、十分な実務経験とスキルを身につけた後は、フリーランスのSAPエンジニアとして独立できます。
フリーランスの場合は、自分が希望するプロジェクトを選べたり、働く場所・時間がある程度自由に選ぶことが可能です。
ただし、フリーランスとして継続して働くためには、スキルがあることはもちろん、クライアントやチームメンバーとの関わり方や仕事の取り組み方などの姿勢が大事です。
成果物の品質を高める努力や、スムーズなコミュニケーションを取るように心がけましょう。
SAPフリーランスの新着案件
【FI】
【財務会計システム再構築(FI-AP)】広島・基本リモート/要件定義・外部設計
- 要スキル:
- 要件定義から本稼働支援までのSAPコンサルティングのご経験
- SAP会計(特にAP:買掛管理)のスキル
- アドオン機能の外部設計のご経験
- 購買システムへのインターフェース仕様を理解した上で、SAPソリューションを検討できる能力
- 月額単価:
- ~1,400,000円 / 月
- 稼働場所:
- フルリモート
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 財務会計システムをSAPで再構築する大規模プロジェクトです。
FI-AP(買掛管理)領域の専門家として、要件定義からアドオン機能の外部設計まで、プロジェクトの上流工程を中心メンバーとして推進していただきます。
主な業務内容:
- 財務会計(AP領域)に関する要件定義、および顧客担当者とのディスカッション
- 購買システムへのインターフェース仕様を考慮した、SAPソリューションの検討および提案
- アドオン機能の外部設計書の作成
- Fit&Gap分析、および新業務プロセスの設計支援
- 関連ドキュメントの作成および更新
【SD】
【S/4HANA日本展開(SDテスト)】フルリモート/シナリオテスト・不具合調査
- 要スキル:
- SAP SD領域におけるSIT(システム統合テスト)担当のご経験
- テストシナリオやスクリプトを元に、自立的にテストを遂行できる能力
- テストで発生した不具合の原因調査(SAP標準、アドオン両方)を遂行できる能力
- 月額単価:
- ~1,100,000円 / 月
- 稼働場所:
- フルリモート
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAP S/4HANAの日本展開プロジェクトにおける、SD領域のシステム品質を確保する重要なテストフェーズです。
本ポジションでは、テストシナリオに基づき自立的にテストを遂行し、不具合発生時にはその原因調査から解決までを主体的に担当していただきます。
主な業務内容:
- SD領域におけるシナリオテストの計画、準備、および実行
- テストスクリプトの確認、および既存メンバーとの連携
- テストで発生した不具合の原因調査(SAP標準機能、アドオン機能の両面から)
- 調査結果に基づく対応策の検討、およびチームへのフィードバック
- 軽微なカスタマイズ修正、外部設計書の修正支援
【FI】
【S/4HANA移行(FIテスト)】フルリモート(大阪出張有)/テスト実行・不具合対応
- 要スキル:
- SAPプロジェクトでのFIモジュールでのプロジェクト従事経験
- 月額単価:
- ~1,200,000円 / 月
- 稼働場所:
- フルリモート
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAP S/4HANAへの移行プロジェクトにおいて、財務会計(FI)領域のシステム品質を保証する重要なテストフェーズです。
本ポジションでは、テストの実施から、不具合発生時の原因調査、解決策の立案、さらにはカスタマイズや設計の修正まで、一連のプロセスを主体的に担当していただきます。
主な業務内容:
- FI領域における各種テスト(単体、結合、シナリオ等)の計画、準備、および実行
- テストで発生した不具合の原因調査、および切り分け
- 調査結果に基づく対応策の検討、およびチームへのフィードバック
- 軽微なカスタマイズ修正、外部設計書の修正支援
- 関連ドキュメント(テスト仕様書、エビデンス等)の作成
【BASIS】
【SAP BASIS運用支援】東京・常駐/運用保守・プロジェクト対応
- 要スキル:
- SAP BASISの運用経験
- 複数のステークホルダーとの折衝・調整のご経験
- Azure環境におけるシステム構築経験
- ChaRMの保守経験
- SAP BTPの管理経験
- ビジネスコミュニケーションが可能な英語力
- 月額単価:
- ~1,300,000円 / 月
- 稼働場所:
- 東京都
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 稼働中のSAPシステム(オンプレミス)の安定稼働を維持する通常運用保守と、並行して進行するプロジェクトへの技術支援、この両面を担うBASIS運用案件です。
保守ベンダーやユーザー、アプリケーションコンサルタントなど、多様なステークホルダーと連携しながら、システムの基盤を支える重要な役割を担当していただきます。
主な業務内容:
- オンプレミスシステムの保守計画立案、および保守ベンダーの作業管理
- ユーザーやアプリケーションコンサルタントからの問い合わせ対応
- 障害発生時の調査、切り分け、および恒久対策の検討
- 移送管理(ChaRMの保守経験があれば尚可)
- 開発者への技術的サポート
- 運用設計、ジョブ設計、SSO設計の策定
【CO】
【FI】
【海運業S/4HANA導入(新リース会計)】東京・大崎(リモート併用)/要件定義・設計
- 要スキル:
- SAP S/4HANA(FI、AA、CO等)の導入支援経験
- 新リース会計基準への対応経験(あれば確度が高まります)
- 海運業のプロジェクト経験
- 業務およびシステム観点の両面からリース会計を実務に落とし込める能力
- 上流工程を自走できる推進力
- 月額単価:
- ~1,600,000円 / 月
- 稼働場所:
- 東京都
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手海運業のSAP S/4HANA導入プロジェクトにおいて、新リース会計基準への対応が重要なテーマとなっています。
本ポジションでは、海運業特有の業務を深く理解した上で、要件整理からFit&Gap分析、実現方針の検討まで、リース会計導入に関する上流工程全般を自走できるコンサルタントとして推進していただきます。
主な業務内容:
- 新リース会計基準に対応するための要件整理、および顧客担当者とのディスカッション
- 海運業の業務特性を踏まえたFit&Gap分析の実施
- リース会計の実現方針の検討、およびSAPソリューションの提案
- ベンダーコントロール、および各種調整業務
- 関連ドキュメント(要件定義書、議事録など)の作成
【MM】
【メーカーSAP MM保守支援】東京・大崎(週1出社)/調査・改善提案
- 要スキル:
- SAP MMコンサルタントとして、SAP導入における要件定義~基本設計のご経験(5年以上相当)
- 日本語での顧客との円滑なコミュニケーション能力
- 月額単価:
- ~900,000円 / 月
- 稼働場所:
- 東京都
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- メーカーの基幹システムとして稼働するSAPのMM領域に関する、アプリケーション運用保守が主なミッションです。
ユーザーからの問い合わせや不具合に対し、MMコンサルタントとして単独で調査・対応を行い、さらには業務改善提案まで踏み込んでいただく、専門性の高い業務を担当していただきます。
主な業務内容:
- エンドユーザーからの問い合わせ、および不具合に関する調査・対応
- カスタマイズに関する問い合わせの調査・対応
- 新たな要望や不具合に対する、基本設計およびパラメータ設定等の対応
- エンドユーザーへのヒアリング、および業務改善提案
- 関連ドキュメントの作成および更新
【SD】
【電機メーカーS/4HANA導入(SD基本設計)】フルリモート(九州出張有)/設計
- 要スキル:
- 基本設計スキル
- SAP SDモジュールのご経験
- 月額単価:
- ~900,000円 / 月
- 稼働場所:
- フルリモート
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手電機メーカーの基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新するプロジェクトです。
本ポジションでは、プロジェクトの重要なフェーズである基本設計において、SDモジュールの設計作業を中心メンバーとして担当していただきます。
主な業務内容:
- SAP S/4HANA SDモジュールにおける基本設計書の作成
- 要件定義書に基づいた、システム機能の具体化
- 設計に関連する課題の洗い出し、および解決策の検討
- 開発チームや他モジュール担当者との連携、調整
- 関連ドキュメントの作成および更新
【PP】
【グローバル製薬SAP導入(PP/MES連携)】東京・港区(ハイブリッド)/導入・展開リード
- 要スキル:
- グローバル企業におけるSAP PPとMES連携の実績
- 7年以上のSAP PP実務経験
- プロセス産業または製薬業界におけるSAPのグローバル導入・展開のご経験
- IDocsまたはその他製造システムとのSAP連携経験
- ビジネスレベルの日本語および英語力
- 月額単価:
- ~1,500,000円 / 月
- 稼働場所:
- フルリモート
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- グローバル製薬企業の基幹システムとしてSAP S/4HANAを導入・展開するプロジェクトです。グローバルテンプレートを活用し、日本のビジネス要件に合わせたローカライゼーションを進めます。
本ポジションでは、SAP PP/MM/LE機能コンサルタントとして、ToBeビジネスプロセスの設計から、MES等の他システム連携、テスト、トレーニング、導入後サポートまで、一連の導入・展開プロセスをリードしていただきます。
主な業務内容:
- グローバルテンプレートを用いた、ToBeビジネスプロセスおよびシステム設計の実施(ビジネス部門とのワークショップ主導を含む)
- MES(製造実行システム)やその他システムとの連携を含む、担当領域のSAP構成およびアドオン設計
- 機能仕様書の作成推進、および技術仕様書等の関連ドキュメント作成のサポート
- SAPベストプラクティスおよびSAP標準導入の提案
- SIT/UATのテストデータ準備、シナリオ、スクリプト作成のサポート、および実行チーム支援
- ユーザートレーニングの実施支援・指導
- ハイパーケアおよびテストフェーズにおけるシステム不具合の特定サポート
- 海外チームやサードパーティベンダーとの良好な関係構築と円滑なプロジェクト推進
【FI】
【MM】
【SD】
【製造業SAP拡張開発(FI/SD/MM)】大阪・リモート併用/基本設計・テスト
- 要スキル:
- SAPのFI、SD、MMいずれかのモジュールにおいて、基本設計以降のフェーズを担当したご経験
- 月額単価:
- ~1,050,000円 / 月
- 稼働場所:
- 大阪府
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 製造業の基幹システムとして稼働するSAPシステムの機能拡張プロジェクトです。FI、SD、MMいずれかのモジュール担当として、要件定義書をインプットに基本設計書を作成し、開発チームへの連携、そして完成した機能の受入テストまで、一連のプロセスを中心メンバーとして担当していただきます。 主な業務内容: ・要件定義書に基づく、アドオン機能等の基本設計書の作成 ・開発チームへの設計内容の説明、およびQ&A対応 ・開発チームが作成した機能の受入テスト計画策定、シナリオ作成、テスト実施 ・テスト結果の評価、不具合管理、および修正依頼 ・関連ドキュメント(設計書、テスト仕様書など)の作成および更新
【FI】
【製造業ユーザートレーニング支援(FI)】東京・品川(リモート併用)/QA対応・テスト調査
- 要スキル:
- SAP FIモジュールに関する基本的な知識(ジュニアコンサルタントレベル)
- 月額単価:
- ~900,000円 / 月
- 稼働場所:
- 東京都
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 製造業におけるSAP導入プロジェクトが、ユーザートレーニングおよびテストフェーズを迎えています。 この重要な局面において、ユーザーがシステムを円滑に利用開始できるよう、トレーニング時のQA対応やインターフェイステストで発生したバグの調査などを中心メンバーとして担当していただきます。 主な業務内容: ・業務ユーザートレーニング実施時におけるQA対応、および説明補助 ・インターフェイステスト等で発生した不具合(バグ)の原因調査、切り分け ・ユーザーからの問い合わせ対応、およびエスカレーション ・関連ドキュメント(FAQ、手順書など)の作成支援
企業内の情報システム部門で働く
3つ目のキャリアは「企業内の情報システム部門で働くこと」です。
企業の情報システム部門に所属し、社内システムの運用・保守や開発を行うこともできます。
情報システム部門の場合は、自社システムの保守運用に長く携われるため、安定した環境で専門性を深めながら働けるでしょう。
また、自社をシステム面から支えられ、目に見える形で企業の成長に貢献が可能であり、非常にやりがいがある仕事といえます。
まとめ
SAPエンジニアは、SAP導入から稼働後の保守運用まで幅広い工程でクライアントを支える重要な職種です。
SAPという基幹システムを支える重要な仕事は、時にプレッシャーになることもあります。
ですが、その分やりがいも報酬も大きく、非常に魅力的な職種といえるでしょう。
魅力が多いSAPエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。