「SAPエンジニアの平均年収」ってどれくらいなんだろう?
という疑問をお持ちではないですか?
SAPエンジニアといっても、働き方や知識、スキルによって年収は様々です。
また、業界や役割、経験によっても年収が違ってきます。
本記事では、SAPエンジニアの年収に関する以下内容をまとめました。
- SAPエンジニアの平均年収
- SAPエンジニアの将来性
- 年収を上げるための知識、スキル、資格
- 年収を上げるためのキャリアパス
SAPエンジニアの年収や将来性が気になっているあなたにとって参考になる記事になっています。
ぜひ、最後までご覧ください。
SAPエンジニアの平均年収は870万円
SAPエンジニアの平均年収は870万円と、IT業界の中でも高水準に位置しています。
また、年収は経験や雇用形態によって大きく変動し、具体的には以下のような内訳となっています。
- 未経験者:400万円
- 派遣社員:574万円
- 正社員:600万円
- フリーランス:1,140万円
それぞれの働き方について、詳しく説明していきます。
SAPエンジニアについて詳しくまとめた記事がありますので、興味がある方はぜひご覧ください!
未経験のSAPエンジニアの場合は平均年収400万円
SAPエンジニアとしてキャリアをスタートさせる未経験者の平均年収は400万円です。
この金額は、他のIT系の未経験者と比較しても決して低くありません。
未経験でSAPエンジニアになる場合、技術的には同じスタートラインのため変わりませんが、以下のような要因で年収が変わる可能性があります。
- 前職でのビジネス経験
- 基本的なIT知識の有無
- 英語力
- 取得している資格
上記要因はありますが、SAPのスキルや知識を積み重ねることで年収を上げられるので、数多くの経験を積んでいきましょう。
派遣社員の場合は平均年収574万円
SAPエンジニアとしての派遣社員は時給が平均3,000円程度であり、平均年収は574万円となっています。
派遣社員の働き方の特徴は以下のとおりです。
- 比較的安定な収入が得られる
- 様々な企業や業界で経験を積める
- スキルアップの機会を得られやすい
派遣社員の年収は勤務時間や契約条件によって変動します。
また、経験年数やスキル、知識によっても大きく変わります。
派遣社員として働きながら自己研鑽を積み、次のステップを目指しましょう。
正社員の場合は平均年収600万円
SAPエンジニアとして正社員で働く場合、平均年収は600万円です。
経験年数別での平均年収は以下のとおりです。
- 未経験~2年目程度(PG、テスト中心):400~500万円程度
- 3年目~7年目程度(設計、結合テスト中心):500~700万円
- 8年目~(モジュールリーダークラス):700万円~
正社員として働く場合は、以下のようなメリットがあります。
- 安定した雇用と収入
- 福利厚生の充実
- キャリアアップの機会
- 長期的な視点でのスキルや知識の獲得
正社員の年収は個人スキルだけでなく、会社の規模や業績によっても変動します。
また、社内での昇進や昇格でも変動しますので、入社する会社をよく検討しましょう。
長期的なキャリアを考える上では、正社員の経験は非常に重要です。
フリーランスの場合は平均年収1,140万円
SAPエンジニアとしてフリーランスで働く場合、平均年収は1,140万円と最も高くなります。
SAPフリーランスが高収入の背景には以下の要因が影響します。
- 高度な専門性と経験が求められる
- 直接クライアントと契約することで中間マージンを省ける
- 需要に比較して供給が少ない
SAPフリーランスの年収は、個人のスキルレベルやプロジェクトの規模、稼働時間などによって大きく変動します。
高収入を維持するためには、常にスキルアップと営業活動が必要不可欠です。
SAPエンジニアの年収相場を知る方法
SAPエンジニアの年収相場を把握することは、キャリア戦略を立てる上で非常に重要です。
以下の方法で詳細の情報を取得できます。
- 求人サイトを参考にする
- 転職エージェントや人材紹介会社へ相談する
- 同業のエンジニアに相談する
それぞれの方法をひとつずつ紹介していきます。
求人サイトを参考にする
求人サイトは一番手軽で効果的な調査方法です。
- 多数の求人情報から平均的な年収がわかる
- 経験年数や役職ごとの年収がわかる
- 地域や業界ごとの相場の違いがわかる
求人サイトの情報は募集条件であり、実際の年収とは異なる場合があるため要注意です。
転職エージェントや人材紹介会社へ相談する
転職エージェントや人材紹介会社は、SAPエンジニアの年収相場に関する豊富な情報と知識を持っています。
エージェントや紹介担当者への相談には以下のメリットがあります。
- 個人のスキルや経験に基づいた具体的な年収相場を知れる
- 非公開求人の情報も含めた、より広範な市場動向を把握できる
- キャリアプランに応じた年収アップの方策についてアドバイスを受けられる
エージェントによって得られる情報の質や量に差がある可能性があるため、複数のエージェントと相談し、情報の比較/検討することをオススメします。
同業のエンジニアに相談する
同じSAPエンジニアとして働く仲間に相談することも、年収相場を知る上で非常に有効な方法です。
- リアルタイムの市場状況を反映した生の情報が得られる
- 同じキャリアパスを歩む人からの具体的なアドバイスを受けられる
- 非公開情報や業界内のうわさなど、公式には得られない情報を入手できる
なお、年収を含むお金や待遇の話は非常に繊細な話題のため、相談相手と信頼関係を築いてから質問する必要があるため注意してください。
また、すべてを鵜呑みにするのではなく、情報を疑うことも含めて聞くことも重要です。
SAPエンジニアの将来性は明るい
SAPエンジニアの将来性は非常に明るいと言えます。
主な理由として以下3点が挙げられます。
- SAP2027年問題
- DXによる案件増加
- SAP人材育成の難しさ
SAP2027年問題での案件増加
SAPシステムといえば、2027年問題があるといわれています。
SAP2027年問題とは
大手企業を中心に世界中で導入されている、SAP社の基幹システムパッケージERPソリューション「SAP ECC6.0」の標準保守(メインストリームサポート)が2027年末で期限を迎えるという問題。
以前は2025年度問題と呼ばれていましたが、期限が2年延長されたことをうけ2027年問題となっています。
ECC6.0からの移行先のシステムとして「SAP S/4 HANA」を選ぶことが多いです。
システム移行には数多くのSAPエンジニアが必要であり、スキルを持つ人材の需要が高まっています。
まだまだ現場から人手が欲しいといわれ続けていることから、報酬がより高まっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)による案件増加
DXの推進により、SAPシステムの重要性はさらに高まっています。
DXがSAP案件に与える影響は以下のようなものがあります。
- クラウド化やIoT連携などの新しい技術導入案件の増加
- データ分析や人工知能(AI)との統合プロジェクトの拡大
- ビジネスプロセスの最適化や自動化に関する案件の増加
新しい領域のSAP案件増加により、幅広いスキルを持つSAPエンジニアの需要が高まっています。
DXの波に乗って最新技術にキャッチアップし続けることで、より高い年収を目指せるでしょう。
SAP人材育成の難しさ
SAP人材の育成には多くの時間とコストがかかるため、経験豊富なエンジニアの価値は非常に高くなっています。
SAP人材育成には、以下のような難しさがあります。
- SAPシステムの複雑さと広範囲な知識の必要性
- 実践的なプロジェクト経験の重要性
- 業務知識と技術知識の両立の難しさ
- 頻繁なバージョンアップと新技術の導入
新しい案件に入って即戦力となるSAPエンジニアの需要は常に高く、高年収につながっています。
また、最新情報や新しい技術の学習を継続することで、常に市場価値の高いSAPエンジニアでいることが可能です。
SAPエンジニアの年収を上げるためのスキル・資格
SAPエンジニアとして年収を上げるためには、以下のスキル蓄積や資格取得を行っていくとよいでしょう。
- SAPモジュールの知識・実装経験
- ユーザー業務の理解
- 開発スキル(カスタマイズ、アドオン)
- SAP認定コンサルタント資格の取得
- 英語スキルの習得
ひとつずつ説明していきます。
SAPモジュールの知識・実装経験
SAPの各モジュールに関する知識と実装経験は、高年収を目指す上で非常に重要です。
以下ポイントに注力することで、より価値の高いエンジニアとなれます。
- 財務会計(FI)、管理会計(CO)などの主要モジュールの専門知識
- 複数のモジュールにまたがる統合知識
- 業界特有のモジュール(例:IS-Retail, IS-Oil)の習得
- 最新のSAPテクノロジー(S/4HANA, SAP Fiori)への精通
まずは1つのモジュールについてスキルや知識を蓄積し、導入できるようになりましょう。
その上で複数モジュールにまたがった知識を身につけて、希少価値の高いSAPエンジニアになれます。
ユーザー業務の理解
SAPシステムを効果的に導入するためには、ユーザーの業務プロセスを深く理解することが不可欠です。
ユーザー業務を理解するために、以下のポイントに注力することをオススメします。
- 特定の業界(製造、小売、金融など)の業務知識の習得
- ビジネスプロセスの最適化に関する知見(ベストプラクティス)
- ユーザーの要求を適切にシステムに反映する能力
ユーザー業務に精通することで、ビジネスに貢献できるエンジニアとして評価され、より高度な案件や責任のある役割を任されるようになり、年収アップにつなげられます。
開発スキル(カスタマイズ、アドオン)
SAPシステムのカスタマイズやアドオン開発のスキルは、エンジニアとして高年収を目指す上で非常に重要です。
以下のような技術やスキルの習得がオススメです。
- SAP Fioriなどの最新のユーザーインターフェース開発スキル
- SAP BAPIやWeb サービスを使用した他システムとの連携技術
- パフォーマンスチューニングやセキュリティ対策の知識
開発スキルを持つことで、特殊な要求に対応できる 技術や柔軟性が生まれ、より価値の高いエンジニアとして評価されます。
特に標準機能のカスタマイズと独自の機能追加を両立できるエンジニアは、高度な案件で重宝されるため、年収アップの可能性が高くなります。
SAP認定コンサルタント資格の取得
SAP認定コンサルタント資格は、SAPエンジニアとしての専門性を客観的に証明するものであり、年収アップに直結する重要な要素です。
- 専門知識と実践スキルの証明
- クライアントからの信頼度向上
特に、複数のモジュールで認定を取得したり、上位の認定(Professional レベル)を取得することで、市場価値が大きく向上します。
ただし、資格取得には実務経験が必要なものも多いため、計画的なキャリア構築が重要です。
英語スキルの習得
グローバル化が進む現代のビジネス環境において、英語スキルはSAPエンジニアの年収アップに大きく寄与します。
- 海外クライアントとのコミュニケーション
- 英語ドキュメントの読解や作成
- グローバルプロジェクトへの参画
英語力を向上させることで国内案件に留まらず、海外案件や多国籍企業のプロジェクトに参加する機会を増やせます。
また、SAPの最新情報にアクセスできるため、常に最先端の知識を持つエンジニアとして活躍できるでしょう。
SAPエンジニアが年収を上げるためのキャリアパス
SAPエンジニアとして年収を上げるためには、以下の4つのステップを踏んでいき着実に年収を上げていけます。
- 運用保守や導入プロジェクトへ参画し経験を積む
- 得意モジュールの確立と知識の深化
- SAPエンジニアのフリーランスへ転身
- SAPコンサルタントへのキャリアアップ
これらのステップを必ずしも順番通りに進める必要はありませんが、各段階で必要なスキルと経験を積むことでしっかりと足元を固めることが可能です。
キャリアの初期段階では幅広い経験を積み、徐々に専門性を高めていくことが、長期的な年収アップにつながります。
運用保守や導入プロジェクトへ参画し経験を積む
キャリアの初期段階は、運用保守や導入プロジェクトへの参画を通じて幅広い経験を積むことが重要です。
- SAPシステムの基本的な構造と機能の理解
- 様々なモジュールや業務プロセスへの露出
- トラブルシューティングスキルの向上
- プロジェクト管理の基礎の習得
保守運用を通じて、既存システムの安定稼働を維持しながら、ユーザーの日々の要望に対応することで、実践的なスキルを身につけられます。
導入プロジェクトでは、システム設計から本番稼働までの一連のプロセスを経験することで、SAPシステムの全体像を把握可能です。
技術的スキルだけでなく、コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力も向上させられます。
この段階での年収は比較的低めですが、将来の高年収につながる基盤を築く重要な時期です。
得意モジュールの確立と知識の深化
キャリアの中期段階では、特定のモジュールや業界に特化した専門知識を深めることが年収アップのカギとなります。
- 特定のSAPモジュール(FI/CO、MM、SD等)への特化
- 業界特有の業務知識の習得(製造、小売、金融等)
- 関連する認定資格の取得
得意分野を確立することで、その分野のスペシャリストとして認識されます。
例えば、FI/CO(財務会計/管理会計)モジュールに特化し、さらに製造業の知識を深めることで、製造業向けSAP財務システムの専門家として認知されるようになるでしょう。
この頃から、プロジェクトでより重要な役割を担えるようになり、年収も上昇していきます。
SAPエンジニアのフリーランスへ転身
キャリアの中後期になると、フリーランスへの転身を検討する機会が出てきます。
フリーランスになることで以下のメリットがあります。
- より高い報酬率の案件に携わる機会
- 多様なプロジェクトや業界での経験蓄積
- 柔軟な働き方と時間管理
フリーランスとして成功するためには、自分自身に蓄積した専門知識とスキルと実績が重要な武器になります。
ただし、フリーランスへの転身は、大幅な年収アップの可能性を秘めていますが、同時にリスクも伴います。
安定した案件の確保や、スキルの継続的な更新、税務や法務の知識なども求められるため、十分な準備と計画が必要です。
SAPを専門に担当しているエージェントであれば、市場や担当者の評価などを正しくできます。
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SAPコンサルタントへのキャリアアップ
SAPエンジニアとしてのキャリアの集大成として、SAPコンサルタントへのキャリアアップが挙げられます。
SAPコンサルタントになることで、以下のようなエンジニアと違う役割を担当します。
- クライアントの経営課題に対するSAPソリューションの提案
- 大規模プロジェクトの全体設計と推進
- 複数のモジュールを跨ぐ統合的なソリューションの提供
SAPコンサルタントには、深い技術知識だけでなく、ビジネスへの深い理解や戦略的思考力、リーダーシップなども求められます。
SAPコンサルタントとして働く際には、コンサルティングファームに所属する道と、フリーランスとして活動する道があります。
どちらが自分に合っているか、やりたいこととマッチしているかを見定めて決めましょう。
SAPコンサルタントは、SAPエンジニアのキャリアパスの中でも最も高い年収を期待できる職種の一つです。
1つ役割を上げてクライアントに高い価値を提供し、さらなる年収アップを実現しましょう。
まとめ
SAPエンジニアの具体的な年収と、年収の上げ方について紹介してきました。
SAPエンジニアは、他のIT系エンジニアと比較すると年収が高い上に、さらなる年収アップを見込める仕事です。
SAPや付随する知識やスキルを獲得し、高収入が期待できるSAPエンジニアを目指してみませんか。