【SAP FI】支払関連のカスタマイズ(T-CODE：FBZP)について徹底解説！

今回は銀行マスタと密接に関係する、SAPでの支払処理関連のカスタマイズ設定について解説していきます。

銀行マスタについては以下で解説しています！

今回説明するカスタマイズはすべてトランザクショコード：FBZPで実施します。

全会社コード設定

ここで、支払いをする会社を設定します。

支払会社は自社であることが一般的ですので、新規エントリーを押して、会社コードと支払会社コードを設定します。

[現金割引きと許容範囲]は、実務上利用することが少ないと思いますが、簡単な使い方を共有いたします。

• 債務支払許容日数：支払期日にここで設定した日数が加算されます。
  • 支払条件によって、債務伝票の支払期日が算出されます。
• 割引支払：現金割引ありの支払における最低割引率を設定します。

支払会社コード

ここで、支払会社の詳細設定をします。

同じく新規エントリーを押して、下記項目の設定をします。

• 支払会社コード：お金払う会社コードを設定します。
• 銀行入金最低額：入金が生成される金額の下限です。
• 銀行支払最低額：支払額がここに指定した金額と等しいかまたはそれより大きい場合のみ、銀行支払対象になります。
• 換算差損益なし：このフラグをチェックすると、支払伝票転記時に為替レートの換算差損益が転記されないです。
  • チェックした例
    • 債務伝票計上時の為替レートは 1USD：100JPY
      • 伝票通貨金額　100USD 国内通貨金額　10,000JPY
    • 支払転記時の為替レートは1USD：105JPY
      • 伝票通貨金額　100USD 国内通貨金額　10,000JPY
  • チェックしない例
    • 債務伝票計上時の為替レートは 1USD：100JPY
      • 伝票通貨金額　100USD 国内通貨金額　10,000JPY
    • 支払転記時の為替レートは1USD：105JPY
      • 伝票通貨金額　100USD 国内通貨金額　10,500JPY
      • 為替差損500JPYが転記されます。
• 手形支払：手形業務がある場合、ここをチェックします。

為替レートに関する詳細な説明は以下の記事でご確認いただけますので、より理解しやすくなるはずです。

国/地域別支払方法

ここでSAP標準ではいくつか事前に用意している支払方法がありますが、国/地域別の支払方法を新規登録したり、変更したりすることができます。

また、支払方法ごとに使用可能な通貨などの制御が可能です。

例えば支払方法Eをダブルクリックして詳細設定をします。

PS：すべての外国取引先はIBAN/SWIFTコードあるわけではないので、実業務上、必須マスタレコード指定は上図の三つのみを選択するのが多いです。

PS：全銀フォーマットの各項目に対して業務要件がある場合、支払媒体ワークベンチを使用するのがおすすめです。

業務要件の例として、全銀フォーマットの原産国という項目に会計伝票の参照キー1の値を出力します。

このような要件がある場合、支払媒体ワークベンチの該当箇所に簡単な拡張で実現できます。

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使用可能通貨をダブルクリックして、通貨の設定ができます。

何も設定しない場合は、すべての通貨を使用可能です。実業務上は何も設定しない場合が多いです。

会社コード別支払方法

ここで会社コードに支払方法を割り当てをします。

新規エントリーを押して、支払方法を割り当てます。

上記内容を入力し保存したら、会社コードZ005に支払方法Eを使用することが可能になります。

取引銀行

ここで支払会社の取引銀行情報を登録します。

PS：DMEの得意先コードと会社コードは銀行よりの情報となります。ユーザ定義のコードではありません。

銀行選択

銀行選択は取引銀行の前にありますが、取引銀行を登録しないと、銀行選択設定ができません。したがって、この記事では取引銀行を登録した後に銀行選択を設定しています。

債務伝票の通貨に応じて、異なる支払口座が選択されるほか、同じ銀行のどの口座から支払うかに優先順位を設定することができます。

勘定マスタの登録も事前に行っておくと、支払設定がスムーズに進められるので、合わせてご確認ください。

関連テーブル概要

テーブルID	名称	Key項目
T012	取引銀行	会社コード（BUKRS） 取引銀行（HBKID）
T012K	取引銀行口座	会社コード（BUKRS） 取引銀行（HBKID） 口座ID（HKTID）