この記事を読むメリット
- SAP ECCとS/4での取引先に関するマスタの違いについて理解することができます。
- SAPでのBP(Business Partner)マスタに関するテーブルとテーブルの関連を理解することができます。
ECCからS/4に代わり、得意先マスタと仕入先マスタはBPマスタとして統合されました。
ここでは、どのようにBPマスタのテーブル間の関連がされているか・どのような項目がテーブルに保存されているか等についてBPマスタになったイメージを具体的に持っていただきたく解説します!
ちなみに仕入先と得意先としてのデータが入っているテーブルはS/4になっても変わってないぞい!
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この記事のポイント
ECCからS/4HANAの変更点
ECCからの変更点としては下記図のように、これまで得意先マスタ・仕入先マスタとして別々に管理されていた取引先マスタがBPという単位に集約されました。
そして、集約された取引先に対しては、ロールを拡張する形で同一取引先に対して、同一コードで得意先兼仕入先といった管理が可能となりました。
ECCとの比較
得意先マスタに関してトランザクションコード(S/4とECC)や登録方法の解説をしてるので以下を確認してみて下さいね!
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テーブル関連図(BPマスタ)
S/4との主な相違点はBPの一般情報となっておる。
BPマスタに関するテーブル関連図は以下じゃ!
BPテーブル関連図
テーブル一覧(BP一般データ)
S/4から統合されたBPマスタですが、得意先や仕入先に関するテーブルは旧来のテーブルと同じ構造となっています。
| テーブルID | テーブル内容 |
|---|
| BUT000 | BP:一般データ BPマスタの一般ロールにある名称や電話番号のなどが格納されています。 |
| BUT020 | BP:住所データ BPマスタの一般ロールにある住所情報がアドレス番号として格納されています。 |
| BUT0BK | BP:銀行詳細データ BPマスタの一般ロールにある銀行情報がアドレス番号として格納されています。 |
| BUT100 | BP:役割データ 対象のBPコードがどのロールを保持しているかを格納しています。 |
| ADRC | アドレス情報 住所情報にあるアドレス番号をキーに、詳細な住所情報を格納しています。 |
BPマスタ関連のテーブル
各テーブル解説
ここでは実際のマスタ設定画面とテーブル検索例を紹介します。
テーブルの検索はT-CODE:SE16Nを使用しています。
BUT000(BP一般データ)
BUT000に格納されている情報はBPを登録する際に選択した基本的な情報が格納されています。
具体的なSAPの画面としてはT-CODE:BPの一般画面で確認できる最初の画面のデータが格納されているのじゃ!
主な項目
- ビジネスパートナ(PARTER)
取引先のコード(BPコード)を設定します。
システムでの自動採番/任意の番号指定(内部採番/外部採番と呼びます。)も可能です。
- グルーピング
BPコードの内部採番/外部採番を行うか、また採番の際の採番ルールを規定しています。
例: BPABが採番範囲が 0000000000~0999999999で内部採番としていた場合、連番でシステム内で登録時にBPコードが決定されます。
反対に、外部採番を指定している場合は任意の英数字コードを指定可能です。
- 名称1
取引先の名称を設定します。文字数に応じて、名称2~4を使用することも可能です。
BUT020 (BP:住所データ)
BPマスタの住所の持ち方としては、住所タブで登録されたアドレスが標準アドレスとして1レコード登録されます。その他、個別に用途ごとにあらかじめ住所を登録したい場合はレコード追加することでBUT020のテーブルには1つのBPに対して複数住所を保持させることができます。
※ただし登録した住所情報はBUT020のテーブルではアドレス番号として格納されます。
主な項目
- 有効開始日付/有効終了日付
対象の住所情報の有効開始日付と有効終了日付を規定できます。
期限が到来した場合、新規に住所を伝票入力時の際には使用できなくなります。
BUT0BK(BP:銀行詳細データ)
BPマスタの銀行情報は支払処理タブにて指定を行います。また、銀行詳細情報は有効期限を持っており銀行の統廃合や取引先からの情報変更に対応することができるようになっています。
主な項目
- 銀行コード
あらかじめ、銀行マスタに登録してある金融機関コード+支店コードなどで決定される銀行コードを指定します。
- 預金種別
預金種別として、当座預金なのか普通預金なのかなどを判別できるよう指定します。
BUT100(BP:役割データ)
BPマスタは得意先や仕入先といったマスタが統合されたほか、与信管理なども行うことができます。
そのため、1つの取引先コードが得意先なのか仕入先なのかといった情報を確認するためにはBPロールを参照することで判別を行います。
BPロールデータ
主な項目
- BPロール
BP一般以外に拡張されているロールを確認することができます。得意先や仕入先が拡張されていると、従来のECCと同じKNA1やLFA1テーブルに得意先一般情報や仕入先一般情報が拡張されます。
- 有効開始日付/有効終了日付
対象のBPロールに時間依存で有効期限を保持させることができます。
ADRC(アドレス情報)
BUT020でシステムで採番されたアドレス番号をもとに詳細なアドレス情報を確認することができます。
今回はBPに対して2つの情報を設定したことを確認できます。※
※国際アドレスバージョンとして、言語ごとに住所や名称を漢字や英語で複数登録する機能を有効化しているため、下図のアドレスNo.”32991″については、複数名称と住所を保持させています。本機能を使用することでログインしたユーザの言語によって伝票上の表示を変更することが可能となります。
最後に
以上、今回はS4になってから登場したBPマスタのテーブル関連図の紹介となります。
BPマスタになってから1つの取引先に対して1画面で管理ができるようになった反面、既存のECCユーザにとって若干わかりにくくなってしまったように思えますが、本記事を皮切りにBPマスタの操作に慣れていってもらえばと思います!