この記事を読むメリット
- 初心者向け:SDの概要が理解することができます。
- 中級者以上向け:SD関連の業務プロセス・テーブル関連図・トランザクションコードに関するナレッジを知ることができます。
SAPのSDモジュールってどのようなものなんだろう?
SDの技術情報を調べてもよい情報が出てこないから、辞書的なページがあったらうれしいな。
SAPで代表的なモジュールであるSD(Sales and Distribution:販売管理)。
一見シンプルな機能にも見えますが、使い方は多種多様であり、すべての機能を理解することは困難です。
そして、初心者向けの概要を軽く紹介しているサイトはいくつかあるものの、実際の業務で活用できる情報は非常に少なく感じます。
そこでこの記事では、以下について詳しく解説していきます。
この記事ではSDに関する基本的なプロセスの解説から、実際のプロジェクト業務で使える以下のようなナレッジについてもまとめています!
- SAP SDモジュールがどのようなものなのかの概要
- SDの基本的な業務フローと代表的な伝票
- よく使われるマスタやトランザクションコード
- SDモジュールのテーブル関連図
SAP SDを業務で使っている方にとっては、ブックマーク必須の内容になっているぞい!
この記事は、どこよりも詳しくSDモジュールについて解説しています。 業務でSDを使う予定の方は、ぜひチェックしてみてください。
SAP SD(販売管理)モジュールとは
SAPのSD(Sales and Distribution)モジュールは、販売管理に関する機能です。
例えば得意先へ見積りを行い、受注して出荷し請求を行うことが基本的なプロセスとなります。
在庫管理を担うMMモジュールや、生産計画を担うPPモジュール、そして会計管理を担うFIモジュールとのシームレスな連携が可能となっています。
SAP SDの代表的な伝票
SDのプロセスでは、例えば得意先へ販売するために必要なプロセスにて以下のような伝票を用います。
- 引合伝票
- 見積伝票
- 受注伝票
- 出荷伝票
- シップメント伝票
- 請求伝票
SAP SDの業務プロセス
ここではSAP SDモジュールでの業務プロセスについて解説している記事をまとめています。(今後、記事を拡充していく予定です)
販売プロセス
材料や商品などのモノを得意先に販売する際の基本的なプロセスを以下にまとめています。
返品プロセス
得意先へ販売したモノが返品されてくることがあります。その際の返品プロセスについて以下にて解説しています。
SAP SDでよく使われるトランザクション
SDでは多数のトランザクションコードが使用されています。
例えば代表的なところとしては以下のようなトランザクションコードがあります。
- 引合伝票:VA11、VA12、VA13
- 見積伝票:VA21、VA22、VA23
- 受注伝票:VA01、VA02、VA03
- 出荷伝票:VL01N、VL02N、VL03N
- 請求伝票:VF01、VF02、VF03
上記はSDモジュールで使用されるトランザクションコードの一部です。
以下ではSDモジュールで使用されるトランザクションコードをまとめていますので確認してみて下さいね!
SAP SDのテーブル関連図
SAPではカスタマイズデータ・マスタデータ・トランザクションデータはテーブルに格納されています。
以下ではSDモジュールで使用されているテーブルの紹介とテーブル関連図の解説記事へのリンクをまとめているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
テーブル関連図リンク | 概要 |
---|---|
販売組織構造 (Sales organization structure) | 販売業務で使われる組織情報についてのテーブル関連図。 会社コード(Company Code)・販売組織(Sales Organization)・製品部門(Division)・流通チャネル(Distribution Channel)・営業所(Sales Office)・営業グループ(Sales Group)関連のテーブルについて解説しています。 |
プラント/出荷ポイント (Plant/Shipping Point) | プラント(Plant)と出荷ポイント(Shipping Point)関連のテーブル関連図。 |
受注伝票 (Sales Order) | 受注伝票についてのテーブル関連図。 関連T-CODE:VA01、VA02、VA03等 |
出荷伝票 (Outbound Delivery) | についてのテーブル関連図。 関連T-CODE:Vl01N、VL02N、VL03N等 |
請求伝票 (Billing Document) | についてのテーブル関連図。 関連T-CODE:VF01、VF02、VF03等 |
SAP SDのマスタ設定
SAPではマスタデータを登録することでトランザクションデータへ反映させる構造になっています。
SDモジュールでいうと、得意先や得意先で管理されている品目情報を登録したり、受注した際の金額を登録したりします。
以下ではSDモジュールで使用するマスタを紹介しています。
マスタ設定 | 概要 |
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得意先マスタ (Customer master) | 販売業務を行う際に使用する取引先情報(受注先だけでなく出荷先など含む)を管理することができます。 関連T-CODE:BP(S/4にて廃止されたT-CODE:MK01、MK02、MK03) |
得意先品目情報レコードマスタ (Customer Material) | 得意先と品目毎の情報を管理することができます。 得意先固有で管理されている品目コード・テキストや出荷プラント等を設定することができ、得意先マスタや品目マスタより優先されます。 関連T-CODE:VD51、VD52、VD53等 |
品目提案マスタ (Material Determination) | 入力した品目コードに対して代替品目(Substitute material)を提案させるための情報を管理することができます。 関連T-CODE:VB11、VB12、VB13、VB14 |
販売条件(価格)マスタ (Condition record) | 得意先毎に価格情報を管理することができます。商品の価格だけではなく値引き金額・運賃など販売に関わる金額情報も設定可能。 関連T-CODE:VK11、VK12、VK13 |
出力マスタ (Output master) | 受注伝票・出荷伝票・請求伝票の出力タイミングや出力形式や出力先を設定することができます。 関連T-CODE: ・受注伝票 VV11、VV12、VV13 ・出荷伝票 VV21、VV22、VV23 ・請求伝票 VV31、VV32、VV33 |
その他ノウハウ
まとめ
SAPのSDモジュールは販売という企業活動で最も重要な業務を担っており、SAPでは様々な業務要件を満たすような機能が準備されています。また他モジュールとのリアルタイムな連携により業務の効率化が可能となっています。