- 得意先マスタ(BPマスタ)についてSAPの基本設定項目を理解することができます。
BPとはBusiness Partner(ビジネスパートナー)の略で、取引先を意味しています。
BPマスタには、主に得意先マスタと仕入先マスタが存在しますが、今回はBPマスタのうちの得意先マスタについて、SAP画面を使用しながら解説していきます。
伝票を打つときに得意先マスタの設定によって様々な項目が提案されるんですね。項目がいっぱいあって大変です…
SAPでは伝票の各項目の入力の手間を省くために「BPマスタ(Business Partner)」を登録することができるのじゃ。
今回は、得意先マスタについてザックリ解説していくぞい!
この記事のポイント
BP(Business Partner)マスタとは?
取引先の情報について管理するマスタです。
伝票入力時における得意先・仕入先に限らず、請求先や出荷先等をあらかじめマスタとして設定することで、様々な項目について毎回同じ情報を入力する必要がなくなります。
ECCまでは得意先マスタと仕入先マスタで別々に管理されていましたが、S/4からはグルーピングやBPロール(BP役割)の設定によって同一コードに対して得意先かつ仕入先の場合などに対応できるようになりました。
得意先マスタに関するトランザクションコード
得意先マスタや仕入先マスタはS/4HANAでは、BPマスタに統一されました。
以下ではECC時代のトランザクションコードも記載しています。
| T-CODE | 名称 | ECC or S/4 | 補足 |
|---|
| BP | BPマスタ登録・変更・照会 | S/4 | BPマスタの登録・変更・照会ができます。 |
| XD01 | 得意先登録 (Create Customer) | ECC | 得意先を登録することができます。 |
| XD02 | 得意先変更 (Change Customer) | ECC | 得意先を変更することができます。 |
| XD03 | 得意先照会 (Display Customer) | ECC | 得意先を参照することができます。 |
| XD99 | 得意先マスタ一括更新 | ECC S/4 | 複数の得意先マスタの情報を更新することができます。 |
| S_ALR_87012182 | 得意先マスタの変更履歴照会 | ECC S/4 | 得意先についての更新履歴をBPコードのほか、会社コードや販売組織をキーに参照する事ができます。 |
得意先マスタの入力項目
次にS/4HANAでの得意先マスタの登録方法を解説していきます!
BPマスタはBPロール(BP役割)という単位で画面が分かれています。
例えば、得意先の場合であればBP一般のロール、FI得意先、得意先販売組織の画面として3つの画面を設定します。
また、対象の取引先が得意先かつ仕入先である場合でも、BPロールを追加することで、1つのBPコードでマスタを管理することができます。
ということでまずはBPとして一般的な情報を入力していきます。
第一画面
主な入力項目
- ①ビジネスパートナカテゴリ(新規登録時)
画面上部の「個人」「組織」「グループ」より選択できます。
- ②検索基準
検索基準をBPコードなのか取引先の名称等で設定することができます。
- ③Bus. パートナ
検索基準が番号となっているため、BPコードを入力する欄となっています。
- ④最大該当数
表示する件数を選択可能です。件数が大きければ大きいほどシステムに負荷がかかるので注意してください。
- ⑤グルーピング(新規登録時)
取引先がどのグループか(外部取引先なのかグループ会社など)についてを規定できます。ここでの設定によってはBPコードを内部採番(システム内で番号を自動採番する)か外部採番(あらかじめ指定したBPコードで登録する)にするかなどが制御されています。
BP一般画面
BP一般画面では、組織単位にかかわらず共通の情報について入力します。
主な入力項目
- ①名称
取引先の名称を記載します。名称には名称4まであり、
細かく部署や担当者レベルにまで記載が可能です。
- ②住所
住所欄には国/地域のみならず、郵便番号等も入力可能となっています。(ただし、郵便番号による住所チェックは標準ではかかっていない)
また、納入区域は輸送経路決定において初期提案される輸送経路の決定に関連します。
- その他:電話番号など
得意先 – 会社(FI得意先)画面
得意先会社では、会社コード別の情報を管理しています。
主な入力項目
- ①統制勘定コード(AKONT)
統制勘定元帳に転記する際に、どの勘定コードで転記するかを指定することができます。
- ②支払条件(ZTERM)
得意先への売りに対して、集計(締め日)・支払期日・支払方法などを設定することが可能です。この支払条件をもとに各伝票の請求日付が決定されます。
- ③督促処理(MAHNA)
得意先の支払に遅滞があった場合について、督促時の手数料や猶予期間などについて管理します。
- その他:転記ブロック(SPERR)
フラグを立てておくことで、その取引先における転記処理が全会社コードもしくは任意の会社コードでの取引においてブロックされます。
得意先 – 販売組織画面
得意先販売組織では、販売エリア(販売組織・流通チャネル・製品部門をキーに定められる)別の情報を管理しています。
主な入力項目
- 換算レートタイプ(KURST)
海外顧客の場合、どの通貨・レートタイプを使用するかについて設定します。
- 得意先価格決定表(KALKS)
受注伝票登録時に適用される価格決定表を指定する区分です。
- 出荷条件(VSBED)
出荷伝票登録時に自動的に出荷ポイントを提案させるための項目(そのほか、出荷ポイントは積載グループやプラントによって自動で初期提案されます。)
- POD関連フラグ(PODKZ)
POD(出荷証明)の対象とする取引先かを設定することができます。出庫時にSAP上の在庫がマイナスにならなくなり、顧客からの検収連絡を受けてから在庫をマイナスにすることができるようになります。
- インコタームズ(INCO1)
貿易取引時における危険負担・費用負担を売り手・買い手のどちらかにどの負担割合にするかあらかじめ規定するものになります。
取引先機能
得意先販売組織のタブ内には”取引先機能“と呼ばれる項目があります。この項目ではカスタマイズと合わせて、伝票上における出荷先や請求先といった情報を自動提案させることができます。
※注意点として、1つのBPコードに対して紐づけられる1つの取引先機能(請求先など)は1000件を超えては紐づけすることができません。これはテーブルKNVPにおける取引先カウンタ(PARZA)という項目の桁数が3桁までとなっているためです。
得意先マスタのテーブル
得意先マスタに関するテーブルについては以下でまとめています!
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