【SAP共通】テーブル関連図(特性値)

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!

この記事を読むメリット

  • 特性値(characteristic value)やクラス(class)に関する基本的なテーブル関係を理解することができます。

例えば商品は顧客ニーズの変化などを理由に製品仕様が多岐にわたる要件がある場合があります。
その都度SAPでの品目マスタの入力項目を頻繁に追加したり変更するような運用は適切ではありません。
そんな時に特性値(characteristic value)を用いることで、独自の項目を追加・変更できるようになります。

そこで、今回はSAPに備わっている特性やクラスといった項目について、本記事では、テーブル間の関連性について記載していきます。

この記事のポイント

テーブル関連図(特性)

特性値に関するテーブル関連図

特性のテーブル関連図
特性のテーブル関連図
クラスのテーブル関連図
クラスのテーブル関連図

テーブル一覧・概要(特性/クラス)

特性関連のテーブル

テーブルIDテーブル内容
CABN/CABNT特性項目/特性項目テキストが格納されているテーブル
CAWN/CAWNT特性項目に対する選択肢/そのテキストが格納されているテーブル
AUSP実際にオブジェクトに対して設定されている特性値が格納されているテーブル
特性関連のテーブル

クラス関連のテーブル

テーブルIDテーブル内容
KLAH/KLATクラス/クラスのテキスト情報が格納されているテーブル
KSMLクラスに対して紐付いている特性が格納されているテーブル
INOBオブジェクトと内部オブジェクトキーを紐付けるテーブル
例えば品目コード(=オブジェクト)から内部オブジェクトキーを取得し、それを元に紐付く特性値を検索することができる。
KSSKオブジェクトに対して紐付いているクラスが格納されているテーブル
クラス関連のテーブル

事前知識(内部書式と外部書式)

特性には内部書式・外部書式があります。
例えばテーブルCABNの内部特性番号は、実際は内部書式である数値でテーブルに登録されています。
しかしT-CODE:SE16Nで検索した際には外部書式で表示されているので注意が必要です。

内部書式を確認するためには、検索したレコードをダブルクリックすることで内部書式を確認することが可能です。
※T-CODE:SE16で検索し、ユーザパラメータから「変換Exitを考慮」のフラグをOFFにすることでも内部書式の確認ができます。

特性の内部書式と外部書式

各テーブル解説

テーブルが対応するSAP上の箇所を紹介します。
テーブルの検索はT-CODE:SE16Nを使用しています。

CABN/CABNT(特性/特性テキスト)

博士

まずは特性の基本情報を保持しているテーブルCABN/CABNTの紹介じゃ。

博士

特性情報はT-CODE:CT04で確認できるぞい!

特性の設定画面
博士

それぞれのテーブルを検索した結果は以下なのじゃ!

CABN,CABNTの検索画面

CABN(特性)ではT-CODE:CT04(特性の登録)にて定義した特性の項目に関する形式(CHAR型や日時など)を確認することができます。

AUSP(特性値)

博士

次に特性に登録された特性値の情報が格納されているテーブルAUSPの紹介じゃ!

博士

以下は品目マスタ(T-CODE:MM03)の分類タブに設定されている特性値だぞい。

品目マスタの分類タブ
博士

上記の特性値が格納されているテーブル:AUSPのレコードは以下なのじゃ!

AUSPの検索

CAWN/CAWNT(特性値と値テキスト)

博士

次に特性に登録された特性値の情報が格納されているテーブルCAWN/CAWNTの紹介じゃ!

博士

T-CODE:CT04の「値」タブでは特性がとり得る特性値の選択肢を設定することができるのじゃ!(以下参照)

特性値の選択肢の設定
博士

上記をテーブルで確認した結果は以下になるぞい!

CAWN,CAWNTの検索

備考:CAWN(特性値)とAUSP(特性値)の違い

CAWNとAUSPの大きな違いとしては、CAWNが特性の選択肢を保持しているのに対し、AUSPでは実際にオブジェクト(品目など)に紐づけられている特性値が保持されているという違いがあります。

KLAH/KLAT

博士

次にクラスについてクラス名称などを有したテーブルKLAH/KLATの紹介じゃ!

博士

クラスはT-CODE:CL01で登録できるぞい!(以下参照)

クラスの設定
博士

上記をテーブルで確認した結果は以下になるぞい!

KLAH,KLATの検索

クラスヘッダデータでは、T-CODE:CL01(クラスの登録)にて定義した一般的な情報(テキストや有効開始日・登録者)などの情報を保持しています。

KSML

博士

最後に各クラスにどのような特性が紐づいているか確認できるテーブルKSMLの紹介じゃ!

博士

この設定もT-CODE:CL01で登録できるぞい!(以下参照)

クラスと特性の紐付け
博士

テーブル:KSMLはテーブル:KLAHの内部クラス番号で検索すると以下のようなデータを確認できるぞい!

KSMLの検索

クラスの特性では、T-CODE:CL01(クラスの登録)にてクラスに対して紐づけた特性の情報を保持しています。

INOB(内部番号と対象間の連結)

博士

次にオブジェクトと内部特性番号の紐づきを保持しているテーブルINOBの紹介じゃ!

INOBの検索

上記の例では、品目の分類タブにて登録されている場合に品目に対するオブジェクトキーを確認することができます。
※テーブル:INOBの内部オブジェクト番号には前ゼロが無い数値が設定されているので、テーブル:AUSP、KSSKなどのオブジェクト(OBJEK)に当てて検索する場合には前ゼロを付与する必要があります。

KSSK

博士

次にクラスと特性を紐づけているテーブルKSSKの紹介じゃ!

KSSKの検索

KSSKでは、オブジェクトをキーに特性がどのクラスと紐づいているかを確認することができます。
ここでは、クラスタイプは300(バリアント)となっており、品目マスタにおけるバリアントコンフィグレーションと呼ばれる同一品目についての色・サイズ展開といった細かな仕様についてデータを保持させる方法を採る際に有用な機能として使用することができます。

最後に

クラスと特性は品目マスタ・ロットマスタ・品質・化学品などで幅広く利用される汎用的な設定になるので、ぜひ覚えておきましょう!

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この記事を書いた人

SAPコンサルタント(ロジスティクス領域)

大学を卒業後、SIerに就職し製造小売業のプロジェクトに参画。
テスト~本稼働後フォローまでを経験。
その他、構想策定フェーズにおける顧客要件のヒアリングや、社内環境構築、パラメータ設定等を経験しています。

実務の中で、学んだ知識を皆様にも共有させていただき少しでも円滑なPJ化に貢献できればと考えています!

この記事のポイント