この記事を読むメリット
- バックフラッシュの基本を理解することができます。
- バックフラッシュに必要なマスタ設定を理解することができます。
今回は、生産現場での実績計上における在庫の出庫方法であるバックフラッシュについて解説していきます。「バックフラッシュ」を活用することで、在庫出庫作業の簡略化と業務の自動化を実現するすることができるようになります。
了解じゃ!
今回はバックフラッシュの基本事項について解説していくぞい!
この記事のポイント
バックフラッシュとは?
バックフラッシュとはSAPの生産管理における「自動出庫処理」」のことをいいます。
具体的には、「作業実績を計上したタイミングで、構成品目のBOM理論値で自動的に構成品を出庫処理する仕組み」のことを言います。
通常、在庫を指図出庫する場合には、現場担当者が都度SAPに出庫入力を行いますが、バックフラッシュを使えば、この出庫入力の手間を省くことができます。
筆者の経験上では、製油業のSAPプロジェクトに参加した際に、構成品目は液体系だったのですが、生産実績の計上時に自動的にBOM理論値で出庫処理をおこなうバックフラッシュが採用されていました。
製油の製造工場も見学させてもらいましたが、作業工程を流れている製油の構成品目投入量を精緻に完成品単位に測定するのは難しいケースがあり、構成品目消費量はBOM理論値で作業実績計上時に在庫払い出しを行うバックフラッシュをそのプロジェクトでは採用していました。
バックフラッシュのメリットとデメリット
バックフラッシュを採用することにより、自動的に構成品の出庫処理が行われるようになるため、作業が簡素化し、出庫処理が標準化されるというメリットがあります。
一方で、自動的に構成品目のBOM理論値で出庫されるので、実際の在庫がまだ残っているのにシステム上は過剰に出庫処理されマイナス在庫になる可能性や実在事とシステム在庫の乖離が発生しやすくなるといったデメリットもあります。
バックフラッシュは工場現場の実態なども踏まえて、採用するかどうかを検討することになります。
マイナス在庫については下記の記事で解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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バックフラッシュのマスタ設定
具体的にバックフラッシュを採用する場合に必要なマスタ設定を確認していきます。
バックフラッシュは品目マスタと作業区マスタで設定します。
まずは品目マスタの設定箇所について確認してみましょう。
品目マスタ
設定箇所は、品目マスタ-MRP2ビューにて設定することが可能です。(Tr-cd:MM02)
1 常時バックフラッシュ
→常にBOM理論値により自動出庫されます
2 作業区にバックフラッシュを決定
→作業区マスタでバックフラッシュ設定が有効になっている場合のみBOMの理論値で自動出庫されます。言い換えれば、作業区側でバックフラッシュ設定が有効になっていない場合にはバックフラッシュは適用されません。
作業区マスタ
設定箇所は、作業区マスタにて設定することが可能です。(Tr-cd:CR02)
上記ヘルプ解説の画像からもわかるとおり、作業区でのバックフラッシュON/OFFが考慮されるのは、あくまで品目マスタで「2 作業区にバックフラッシュを決定」が設定されていることが前提になります。
そもそもの品目マスタの設定が「1 常時バックフラッシュ」となっている場合には、作業区側のバックフラッシュON/OFFの設定は考慮されない点に留意が必要です。
バックフラッシュは便利な反面、実在事とシステム在庫が乖離しやすいので、棚卸プロセスでの在庫調整をきちんとすることが運用上のポイントじゃ!