三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
登場人物紹介
三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
この記事では、販売の価格マスタ(条件タイプ)の条件テーブルの構造について解説していきます。また、条件テーブルの確認方法をConfiguration・テーブル・伝票の3つの切り口から紹介しています。
条件タイプを扱う上で非常に役に立つ知識ですので、是非最後までご覧ください。
条件テーブルは、1 つまたは複数のキー項目とデータ部分で構成されており、それぞれ別々のテーブルが用意されています。
価格マスタ(条件タイプ)の条件テーブルは、キー項目を格納するテーブルとしてA始まりのテーブルが使用されており、データ部分を格納するテーブルとしてテーブル:KONP(条件明細)が使用されています。
そして、AテーブルとKONPテーブルは”KNUMH(条件レコードNo.)”という内部キーで結合されています。
Aテーブルについては、カスタマイズで作成・変更することが可能で、各会社の要件に応じて自由にKey項目を設定することができます。これによって、任意のKey Combinationで価格マスタを制御できます。
販売の条件タイプの条件テーブル(Aテーブル)を確認するには、大きく3つの方法があります。
まずは、SPROでの確認方法を見ていくぞい
Aテーブルの一覧を確認するには、SPROのIMG照会で下記パス配下の”条件テーブルおよび項目カタログ > 照会:販売管理における価格設定の条件テーブル”からヘルプ機能を使用して照会可能です。
販売管理 > 基本機能 > 価格設定 > 価格設定管理
一方で、「特定の条件タイプに対して、どのAテーブルが使える状態か」を確認するには、下記の手順で照会していきます。
上記の例のように、Key情報の粒度が細かい順番にレコード検索をかけていくのが、Key Combinationの基本的な考え方です。一般的に、対象の条件タイプがヒットした時に、検索を中止し、ヒットした条件タイプを採用します。
販売出力マスタの構造にとても似ているんですね!
よく気が付いたぞい!
出力マスタだけではなく、基本的に条件テーブルの構造はモジュール横断で共通しているのじゃ!
Aテーブルの一覧を確認するには、Tr-Cd:SE16NでT681テーブルから照会できます。
検索時には、用途”A(価格設定)”とApplicationを指定すると目的のAテーブルが確認できます。
次に、「特定の条件タイプに対して、どのAテーブルが使える状態か」を確認する方法を説明します。
これらのテーブルは販売の価格マスタだけではなく、購買の価格マスタでも使用されています。”Application”という項目でどのアプリケーションで使用する価格マスタかを判別することができます。
また、T68IやT685のテーブルは、”用途(Usage)”という項目をもっており、この項目で何の用途(目的)で条件テーブルを使用するかを判別できるようにしています。
例えば、”A”が価格設定、”B”が出力、”C”が勘定設定で使用できるようにSAP標準的に決まっています。このように、モジュール横断で、条件テーブルの構造を利用できるような制御が実装されております。
最後に、受注伝票上にAssignされた条件タイプがどのAテーブル(Key Combination)から取得されたかを確認する方法について解説します.
受注伝票の明細の条件タブから、直接目的の条件タイプを選択し、”条件レコード”というボタンを押しても同じ画面に遷移することが可能です。
”分析 価格設定”の画面では、Pricing Procedureで定義された順番に従って、条件タイプを検索していきます。更に、条件タイプの検索順序で定義されている通りに、Aテーブルを検索していきます。上の画像の場合、条件タイプ”PPR0″の条件レコードがStep 40で見つかっています。
”追加条件”の画面では、ヒットした条件レコードの詳細設定を確認できます。
今回は、Key情報をポップアップ画面で確認しましたが、その他にもスケール情報や販売ディールなどの情報を確認することができます。
この確認手順は、受注伝票上の金額に不備があった際に、なぜ正しい条件レコードがヒットしなかったのかを分析する上で非常に役立ちます。
本記事は、条件テーブルの確認方法を、Configuration・テーブル・伝票の3つの切り口から解説してきました。SPROで定義した条件タイプがどのような構造でテーブルに格納されているか、また定義した条件タイプが伝票上にどのように反映されているかを確認できたと思います。
本記事を通して、それぞれの関連性について理解を深める一助になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はこれで以上じゃ!
価格マスタのメンテナンス方法は下記記事が参考になるぞい!
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事業会社の社内SE(SAP販売・貿易管理領域を担当)
大学卒業後、化学メーカーに社内SEとして勤務し、S/4海外展開プロジェクトに参画しています。主に、SDモジュールのデータ移行を2年間経験し、その後はST/IFテストの推進業務を担当しております。その間にも、SDやGTSの保守・運用に携わりながら、SAPに関する知見を深めている最中です。
業務の中で得られた知見をアウトプットしながら、SAPを利用する方々のお役に立てれば嬉しいです!