【SAP SD】得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)について解説

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!

この記事を読むメリット

  • SAPでの得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)の概要と登録方法が理解できます。
レイナ

SAPで扱っている品目コードと受注先で使われている品目コードが違っているんだけど、どうやって区別したらいいのかしら?

博士

SAPでは受注先で使われている品目コードを得意先品目と呼ぶのじゃ。
マスタ設定することでSAPでの品目コードと受注先での品目コードを紐付けることができるぞい!

自社で定義している品目コードと、受注先での品目コードが異なっていることがあります。
SAPでは受注先で使われている品目コードを得意先品目と呼び、得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)で管理することが可能です。

それでは得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)の概要と実際のSAPの画面での登録方法も踏まえて解説していきます!

この記事のポイント

得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)とは?

受注先固有の情報、特に受注先で使われている品目コードを得意先品目として登録しておくことができるマスタです。

当マスタで設定した得意先品目は、見積伝票や受注伝票等を作成する時に得意先品目コードとして自動入力もしくはF4ヘルプで選択できるようになります。

得意先品目情報レコードの概要

得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)に関するトランザクションコード

T-CODE名称 補足
VD51得意先品目更新
(Maintain Customer Material)
得意先品目情報レコードを登録することができます。
VD52得意先/品目情報 (選択画面) 更新
(Maintain Cust-Mat.Info w/Select.Scrn)
得意先品目情報レコードを更新することができます。
VD53得意先/品目情報照会
(Display Customer-Material Info)
得意先品目情報レコードを参照することができます。
VD59得意先/品目情報一覧
(List Customer-Material-Info)
得意先品目情報レコードを一覧で照会することができます。
得意先品目情報レコードマスタ関連のトランザクションコード

得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)の入力項目

博士

T-CODE:VD51での入力画面を説明していくぞい!

第一画面(Initial Screen)

T-CODE:VD51にて得意先品目情報レコードの設定(第一画面)

入力項目

以下のキー項目を入力します。

  • 得意先(Customer)
  • 販売組織(Sales Organization)
  • 流通チャネル(Distribution Channel)

概要画面(Overview Screen)

T-CODE:VD51にて得意先品目情報レコードの設定(概要画面)

入力項目

①品目コード(Material No)

得意先に対して固有の値を設定したい品目コードの設定。

②得意先品目(Cust. Material)

得意先で使用される品目コードの設定。

明細をダブルクリックもしくは明細を選択し虫眼鏡マークで次画面に遷移します。

詳細画面(Detail Screen)

T-CODE:VD51にて得意先品目情報レコードの設定(詳細画面)

入力項目

①得意先テキスト(Customer Description)

得意先で使用される品目テキストの設定。

②検索語句(Customer Description)

SD伝票を検索する際に使用されるテキストの設定。

③出荷プラント(Plant)

出荷プラントの設定。

④出荷優先順位(Delivery Priority)

バックオーダー処理時に在庫引当される優先度の設定。

⑤最小納入数量(Minimum Delivery Qty)

取引先にする際の最小数量の設定。

⑥分割納入/明細(Part.dlv./item)

得意先へ分割納入が可能かどうかの設定。

⑦分納最大回数(Max.Part.Deliveries)

得意先へ分割納入が必要な場合、許容される最大の分割納入回数の設定。

⑧不足納入許容範囲(Underdel. Tolerance)

受注数量に対して、どの程度であれば不足して良いかの設定。「%」表記で入力。

➈過剰納入許容範囲(Overdeliv. Tolerance)

受注数量に対して、どの程度であれば過剰納入して良いかの設定。「%」表記で入力。

⑩限度無許容範囲(Unlimited Tolerance)

得意先が過剰納入・不足納入を無制限に許可する場合の設定。

博士

T-CODE:VD59では上記で設定した得意先品目情報レコードを一覧で確認できるぞい!

得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)に関するテーブル

テーブル内容
KNMT得意先品目情報レコードマスタで登録された内容が格納されています。
得意先品目情報レコードマスタ関連のテーブル
博士

得意先品目情報レコードマスタ(Customer Material)に関する解説は以上じゃ!

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この記事を書いた人

株式会社Luxy(https://luxy-inc.com/company_info/)と株式会社アガルートITパートナーズ(https://agaroot-itp.com/about/)の代表取締役。

新卒でSAPエンジニアとして働き始める。副業で事業を開始したのち、2015年に独立しシステム開発会社を設立。SAPの案件に従事しつつシステム開発事業を成長させ、2021年に会社をバイアウト。その後も創業会社とグループ会社で代表を兼任。
SAPエンジニア・コンサルタント歴は10年以上。

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この記事のポイント