この記事を読むメリット
- トランザクションコードの全体像を把握できます。
- トランザクションコードがどこで管理されているかすぐに確認できます。
SAPでは、日々さまざまなトランザクションコード(T-code)が利用されています。
会計伝票の登録や照会、マスタ管理、設定変更など、SAP GUI上のほぼすべての操作はT-codeを起点として実行されています。
しかし、実際には「T-codeがシステム内部でどのように管理されているのか」を理解している方は意外と多くありません。
SAPでは、トランザクションコードは単なるショートカットではなく、ABAPプログラム、Dynpro(画面)、権限オブジェクト、GUIメニューなどと紐づいています。
その管理には、TSTC、TSTCT、USOBT_C、USOBX_C といった複数のテーブルが利用されています。
本記事では、この中のTSTC、TSTCTについて詳しく説明しておきます。
早速、トランザクションコードに関連する主要テーブルとその関係性についてを説明していくぞい!
この記事のポイント
なぜトランザクションコード関連テーブルを理解する必要があるのか
SAPの導入プロジェクトにせよ、運用保守のプロジェクトにせよ、開発の現場でも、トランザクションコードに関する調査が必要になる場面が数多く存在します。
例えば、
- このトランザクションコードはどのプログラムを実行しているのか
- どの権限オブジェクトが利用されているのか
- このZトランザクションコード(カスタムトランザクションコード)はどのように登録されているのか
といった確認が必要になるケースは少なくありません。
特に、権限エラーの調査やカスタムトランザクションの管理、影響調査などでは、T-code関連テーブルの理解が非常に重要になります。
そのため、関連テーブルを理解することで、SAP標準機能の内部構造をより深く理解できるだけでなく、調査・保守・開発作業の効率向上にもつながります。
トランザクションコードの内部構造
SAPでは、トランザクションコードを実行すると、内部的には対応するABAPプログラムやDynpro(画面)が呼び出される仕組みとなっています。
例えば、FB03を実行した場合、TSTCテーブルに登録されている情報をもとに、対応するプログラム「SAPMF05L」が起動されます。
つまり、トランザクションコードは単独で動作しているわけではなく、内部的には複数の技術オブジェクトと連携しています。
さらに、実行時には権限チェックも行われ、SU24やPFCGで設定された権限情報とも連携しています。
このように、T-codeはSAPシステムにおける「操作の入口」として重要な役割を担っています。
テーブル関連図(トランザクションコード)
各テーブル解説
TSTC(SAP トランザクションコード)
TSTCは、SAPにおけるトランザクションコード定義を管理する代表的なテーブルです。
各トランザクションコードに対して、下記重要な内容が登録されています。
- 実行対象のABAPプログラム
- 初期Dynpro(画面番号)
例えば、FB03をTSTCで確認すると、対応するプログラムとして「SAPMF05L」が登録されていることを確認できます。
SE93で表示されるトランザクション定義情報も、内部的にはこのTSTCテーブルを参照しています。
そのため、TSTCはトランザクションコード管理の中心となる重要テーブルと言えます。
TSTCT(トランザクションコ-ドテキスト)
TSTCTは、トランザクションコードの説明文(テキスト)を管理するテーブルです。
TSTCが技術的な定義情報を管理しているのに対して、TSTCTでは各T-codeの説明文が言語ごとに管理されています。
例えばFB03の場合だと、
- 日本語環境では「会計伝票照会」
- 英語環境では「Display Document」
といったように、ログオン言語に応じた説明文が表示されます。
SE93やSAP GUIメニュー上で表示されるトランザクション名称も、このTSTCTの情報をもとに表示されています。
まとめ
本記事では、SAPにおけるトランザクションコード関連テーブルについて解説しました。
SAPでは、トランザクションコード(T-code)は単なる画面起動用のショートカットではなく、ABAPプログラム、Dynpro(画面)、権限オブジェクトなど、SAP内部で管理されるさまざまな機能や開発部品と連携して動作しています。
特に、TSTCやTSTCTを中心とした関連テーブルを理解することで、トランザクションコードがどのように管理されているのかを把握できるようになります。
最後に、本記事で解説したポイントを振り返ります。
- 構造面:T-codeはProgramやDynproと紐づいて管理されている
- 管理面:TSTCやTSTCTによって定義・説明が管理されている
- 権限面:SU24やPFCGと連携して権限制御が行われている
- 開発面:ZT-codeや影響調査において重要な役割を持つ
トランザクションコードについてよく理解できました!
トランザクションコード関連テーブルを理解することで、SAPシステム内部構造への理解が深まり、日々の運用・保守・開発業務の効率向上に役立てるんじゃ!