三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
登場人物紹介
三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
この記事を読むメリット
今回はSAPにおけるBOMマスタ(Bill of Materials)について解説していきます。
BOMマスタは、ロジスティクス領域やCO領域において親品目と構成品目を紐づけて登録することで、品目の生産・受発注・原価管理など様々な企業の活動に関連してきます。まずは、BOMマスタの登録から基本事項を抑えていきましょう。
お母さんに頼まれてたカレーを4皿作るのに、いつもお肉何g必要だったっけ?
そういう時は”BOM”として献立表のように事前に定義しておけば、ばっちりじゃよ!
“BOM“って献立表のことなんですね!
よく生産管理の場で聞いたことあったんですが、よくわからなくて…
“BOM“=献立表、ザックリそのとらえ方でよい。
SAPのPPモジュールでの4大マスタの1つであるBOMマスタについて、ザックリ解説していくぞい!
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BOMとは直訳すると部品表/配合表(材料表)のことで、簡単に言えば製品を構成する部品や組み立てについて定義したデータのことです。
例えば、あなたが料理をするときには基本的にはレシピを参考に原材料や道具を揃えるとしましょう。
この時肉は肉屋に、野菜は八百屋にそれぞれ買い出しに出る必要があります。
また、料理を作るたびにレシピを考えるのではなく通常は事前にレシピとして保存しておいた情報を利用しているとも言えます。また、この時どこに仕入れに行くのか・何がどれくらい必要なのかという情報も重要な情報となります。
上記情報の管理については、個人商店のような小規模での場合は管理は簡素で済みそうですが、規模の拡大や製造品の種類が増えるにつれ管理が難しくなってきます。
そこで、こうした品目の仕入先や製造にあたって何がどれくらい必要なのかといった情報をあらかじめ設定しておくことで製造担当者が製造を行う際に役に立つというわけです。
BOMとは、実際には数種類に分類されます。
SAPにおいて、通常BOMと呼ぶ場合には、生産BOMを指すことが多いです。
また、下記以外にも原価BOMなども存在しています。
SAPにおけるBOMの役割は大きく分けて3つあります。
①所要量の計算(MRP計算)
②製造指図の登録
③標準原価計算
製造現場では、最終製品の需要(所要量)に対して必要な部品、原材料がどのくらい必要かを計算します。MRP計算を実行するといつまでに何がどのくらい必要かという計算を行ってくれます。
ここで、どの品目がどれくらい必要かという情報にBOMマスタが使用され計算されます。
MRPを実行すると、「計画手配」が登録されます。この「計画手配」をもとに生産予定や購買予定が立てられます。立てた生産計画が確定したら、「計画手配」を確定させます。この時、登録される生産に関する情報が「製造指図」としてどの品目をどこで、どれくらい必要かということで登録されます。
カレーの必要な量が倍になったら、記載のレシピの量も倍にしたりするのと同様に、BOMマスタをもとに製造指図登録時に使用されます。
標準原価計算とは、製品の製造時に目標とすべき原価(=標準原価)の計算について指します。実際にかかった原材料の計算を行う実際原価計算とは異なり、集計が簡易的なことなどがメリットに挙げられます。そして、実際にかかった実際原価との差異を標準原価差異として分析することで、より精度の高い計画の立案につなげることが可能となります。
BOMマスタとしてあらかじめ理論値を設定しておくことで、完成品の標準原価を計算することが可能となります。
カレーの例では、お肉を焦がしてしまって余計に50g使用してしまったとしましょう。
この場合、本来かかるはずのなかった50gのお肉の原価が差異として計上されることとなり、今後のミス防止につなげるという分析も可能となります。これも、あらかじめマスタとしてBOMを登録しておくことで可能となります。
今回は下記のような組み合わせで自転車のBOMマスタを作成します。
自転車を完成品として、子の品目に4種類展開されています。
そして、フレームはサドルとペダルを孫品目として持っている半製品として構成されています。
※厳密にはここに価格情報や組立加工を行うための費用なども計上され、親品目や中間品目に計上されていきます。
では、実際に上記の構成でBOMマスタを登録していきましょう。
BOMマスタの初期画面は下記のように構成されています。
今回は完成品のBOMを登録していきます。
主な入力項目
本画面にて完成品に紐づく構成品目のレコードを明細として追加していきます。
主な入力項目
サドル1PCとペダル2PCによってフレームが構成されていることが確認できます。
ヘッダ画面では、1つのBOMで何個の完成品が作成されるかについてや、テキスト情報などを保持しています。(一般明細画面でF6を入力すると遷移します。)
主な入力項目
各構成品目について(明細単位)で細かな設定を確認することができます。
主な入力項目
連産品と副産物の大きな違いは、原価を按分するかという点で異なってきます。
連産品の設定は、品目マスタとBOMマスタにて設定可能となっています。
副産物は、BOMマスタにおける構成品目数量をマイナスで登録する形で設定可能となります。
BOMマスタについての基本的な構造および代表的な項目についての説明は以上じゃ!
BOM関連のテーブルは以下で解説しているので、ぜひ確認してみて下さいね!
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SAPコンサルタント(SD/MM領域)
大学を卒業後、SIerに就職し製造小売業のプロジェクトに参画。
テスト~本稼働後フォローまでを経験。
その他、製造業の構想策定フェーズにおける顧客要件のヒアリングや、社内環境構築、パラメータ設定等を通じて現PJでは要件定義を実施中。
実務の中で、GUI以外にもFioriやBTPといった技術に触れていくなかで気づいたことを発信していければと思います。