【SAP MM】在庫転送(1Step転送、2Step転送)について徹底解説!

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退しSAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
若者に負けぬようX(旧Twitter)も奮闘中。

この記事を読むメリット

  • SAPで扱う在庫転送(1Step転送、2Step転送)に関する基本が理解することができます。
  • SAPにおける転送時の操作イメージについて理解することができます。

SAPの在庫管理業務において、在庫移動は日常的に発生する重要なプロセスです。その中でも「1Step転送(One-Step Transfer)」「2Step転送(Two-Step Transfer)」は、業務内容や運用方法に応じて適切に使い分ける必要があります。
本記事では二つの転送の特徴や違い、そして実機を用いた操作方法も解説していきます!

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新着のMMのフリーランス案件

【CO】

【FI】

【MM】

【SD】

【その他】

【商社S/4HANA導入(テスト支援)】東京・神田(常駐)/結合・システムテスト

月額単価
1,200,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
テスト
稼働率:
100%
作業内容:
大手商社の基幹システムをSAP S/4HANAで新規に導入する大規模プロジェクトです。 2025年9月から結合テスト、2026年2月からシステムテストを予定しており、2026年11月の本稼働を目指しています。 本ポジションでは、この重要なテストフェーズにおいて、これまでの基本設計のご経験を活かし、システムの品質を担保する役割を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 結合テスト、システムテストの計画支援、および実行
  • テストシナリオの消化、およびエビデンスの作成
  • 不具合発生時の切り分け、原因調査、および課題管理
  • 開発チームやコンサルタントとの連携、調整
  • テスト進捗の報告

【CO】

【FI】

【MM】

【SD】

【その他】

【ECC→S/4HANA移行(FI基本設計)】東京駅(週1出社)/アドオン帳票再設計

月額単価
900,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトにおいて、設計書が存在しない数十本の既存アドオン帳票(ABAP)をS/4HANA環境で再実装することがミッションです。 本ポジションでは、現行のABAPプログラムをリバースエンジニアリングしながら、顧客への要件ヒアリングを行い、S/4HANA用の新たな基本設計書を作成する、非常に重要な役割を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 既存アドオン帳票(ABAP)のソースコード解析(リバースエンジニアリング)
  • 顧客担当者への要件ヒアリング、および仕様確認
  • S/4HANA環境で実装するための、新たな基本設計書レベルの資料作成
  • 作成した基本設計書の開発チームへの説明、および連携

【MM】

【製造業SAP(MM I/F設計)】フルリモート(大崎)/要件定義・外部設計

月額単価
1,400,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
要件定義, 設計
稼働率:
100%
作業内容:
製造業のSAPプロジェクトにおいて、MM(在庫購買管理)領域のインターフェース構築が重要なテーマとなっています。 本ポジションでは、MMの専門家として、お客様と直接要件を確認しながらインターフェースの設計を行い、その後の開発・テストまでの一連のタスクを単独で推進していただきます。 主な業務内容:
  • 顧客担当者とのディスカッションを通じた、MM領域のインターフェース要件定義
  • インターフェースの外部設計書の作成
  • 開発チームへの設計内容の連携、およびQ&A対応
  • 開発されたインターフェースのテスト計画策定、および実施
  • 関連ドキュメントの作成および更新

【CO】

【FI】

【MM】

【PP】

【SD】

【製造業S/4HANA(ABAP開発)】東京・十条/設計・開発・テスト

月額単価
800,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
製造業のS/4HANAプロジェクトにおいて、業務要件に合わせたアドオン機能の設計・開発がミッションです。 ご自身の得意なモジュール(SD, MM, PP, QM, FI, COのいずれか)を担当し、基本設計から開発、結合・総合テストまで、一連の開発工程を自律的に推進していただきます。 主な業務内容:
  • SAP S/4HANA環境におけるアドオン機能の基本設計、および詳細設計
  • ABAPによる開発・実装(BAdI, BAPI, ALV, Dynpro等の知見を想定)
  • 開発した機能の単体テスト、結合テスト、総合テストの実施
  • 他のSEとの要件確認や仕様調整などのコミュニケーション
  • 関連ドキュメント(設計書、テスト仕様書など)の作成

【MM】

【SD】

【製造業システム再構築(S/4 SD/MM)】東京・神保町/設計・開発

月額単価
1,100,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
既存の基幹システムをSAP S/4HANAで再構築するプロジェクトです。 本ポジションでは、ロジスティクス領域(SD/MM)の専門家として、アドオン機能の設計から開発、テストに至るまでの一連の工程を中心メンバーとして担当していただきます。 主な業務内容:
  • 既存システムの機能解析・調査、およびS/4HANAへの移行に関する概要設計
  • 販売管理(SD/MM)領域におけるアドオン機能の基本設計・詳細設計
  • ABAP等による開発・実装
  • 開発した機能の単体テスト、および結合テスト支援
  • 関連ドキュメント(設計書、テスト仕様書など)の作成

【MM】

【SD】

【SAP保守運用(MM/SD)】大阪・肥後橋(リモート相談可)/リーダー・コンサルタント募集

月額単価
1,300,000円 / 月
稼働場所
大阪府
業務領域
運用・保守
稼働率:
100%
作業内容:
SAPのフルモジュールを対象とした大規模な保守運用プロジェクトです。 現在、並行してシステムのバージョンアップ案件も進行しており、プロジェクト全体では約50名が稼働しています。今回は、増加するシステム改善案件に対応するため、保守運用体制を強化するメンバーを募集します。 安定稼働の維持と継続的なシステム改善を中心メンバーとして推進していただきます。 募集ポジションと主な業務内容: ① チームリーダー(1名募集) 保守運用チーム(小規模開発案件含む)のリーダーとして、メンバー管理、タスク管理、顧客折衝、ベンダーコントロールなどを担います。 ② MM/SD コンサルタント(3名募集) MM/SDの専門家として、ユーザーからの問い合わせ対応、障害調査、システム改善の要件定義、設計、テストなどを担当します。

【CO】

【FI】

【MM】

【PP】

【SD】

【その他】

【S/4HANA新規導入(CO-PC/PS)】東京(週1-2出社)/要件定義

月額単価
1,600,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
要件定義
稼働率:
100%
作業内容:
全社的な基幹システムをSAP S/4HANAで新規に構築する大規模プロジェクトです。 現在は要件定義の準備フェーズにあり、2025年10月より本格的な要件定義フェーズが展開されます。 本ポジションでは、原価・会計チームの一員として、特にCO-PC領域を中心に要件定義を主体的に推進していただきます。 主な業務内容:
  • CO(特にCO-PC)およびPS領域における要件定義の推進
  • ユーザー部門とのディスカッション、ワークショップのファシリテーション
  • 現行業務プロセスの分析、およびS/4HANAを前提とした新業務フローの設計
  • Fit&Gap分析、および課題に対する解決策の検討・提案
  • 関連ドキュメント(要件定義書、議事録など)の作成

【MM】

【S/4HANA日本ロールイン(品目マスターリード支援)】フルリモート/ユーザー側支援

月額単価
1,600,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
要件定義
稼働率:
100%
作業内容:
グローバルで使用されているSAP S/4HANAテンプレートを、日本の拠点へ展開するプロジェクトです。 本ポジションでは、お客様側の立場で導入を支援します。特に、プロジェクトの要となる品目マスタのデータ移行準備をリードしつつ、工場系・販売物流・会計といった複数領域をまたぐクロスファンクショナルな調整役として、ユーザー側リーダーのサポート全般を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 品目マスタのデータ移行準備に関するリード業務、および計画策定・推進
  • 多数のステークホルダー(ユーザー部門、元請けベンダー、海外チーム等)とのコミュニケーションおよび調整
  • 工場系(PP)、販売物流(SD/MM)、会計(FI)など、複数領域にまたがる課題の整理と対応
  • ユーザー側リーダーのサポート業務全般(資料作成、会議ファシリテーション支援など)

【MM】

【SD】

【半導体SAP S/4HANA導入(SD/MM)】東京・品川(常駐)/マニュアル作成・権限テスト

月額単価
1,000,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
テスト
稼働率:
100%
作業内容:
大手半導体企業の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新するプロジェクトです。 本ポジションでは、プロジェクトの最終段階における品質向上と円滑な本稼働を目的とし、SD/MM領域の操作マニュアル作成や権限テストといった重要な業務を担当していただきます。 主な業務内容:
  • SAP SD/MMモジュールに関するユーザー向け操作マニュアルの作成
  • 権限テストの計画、準備、および実行
  • テスト結果の記録、および不具合発生時の報告
  • プロジェクトチーム内での連携、および進捗報告

【MM】

【S/4HANAデータ移行管理(MM/PMO)】フルリモート/複数システム連携・計画管理

月額単価
1,200,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
その他
稼働率:
100%
作業内容:
S/4HANAを中核とし、BTP、Salesforce、スクラッチ開発システム等が連携するシステム環境へのデータ移行プロジェクトです。 本ポジションでは、移行コンサルタントとして、移行計画の策定から、複数システムをまたぐツール開発の作業管理、本番移行リハーサルの推進まで、データ移行に関する一連のマネジメント業務をPMOとして担当していただきます。 主な業務内容:
  • プロジェクト全体を見据えた、データ移行計画の策定、および関係各所との調整
  • 移行ツールの設計・開発・テストに関する作業管理、および進捗・課題管理
  • 本番移行を想定したリハーサルの計画策定、および実行管理
  • データ移行に関するリスクの識別、評価、および対策の検討
  • プロジェクト内での円滑なコミュニケーション促進、および報告業務
この記事のポイント

在庫転送とは?

在庫転送とは、その名の通り在庫をプラントや保管場所の間で在庫を移動する業務となります。

レイナ

在庫転送だからモノを送れば良いのね!

博士

モノを送るだけと言っても大きく分けて2パターンあるのじゃよ~!

SAPにおける在庫転送のパターンについて

SAPでは在庫転送オーダーの作成にあたって、大きく1 Step在庫転送2 Step在庫転送に分けることができます。1 Stepと2 Stepの違いについては出庫と入庫が同時に行われるか否かという判断軸で理解するとわかりやすいです。

1 Step在庫転送

1Step在庫転送は、在庫の出庫と入庫を一度の処理で同時に行う方法となります。
在庫転送時のステータスを管理しなくて良い場合に用います。

SAPの1Step転送イメージ

メリット

  • データエントリが一度で完了するため作業負担が軽減される
  • 実在庫が即座に正しい状態となるため、リアルタイムでの在庫把握が可能
  • プロセスが単純なため、エラー発生リスクが低い

デメリット

  • 移動中の在庫を管理できないため、移送中に発生する問題(例:紛失、破損)を記録できない

利用シナリオ例

  • 同一プラント内での倉庫間移動(例:ストレージロケーションAからBへの移動)
  • 緊急対応時、製造部門や出荷部門から迅速な在庫補充を求められる場合
  • 運搬距離が非常に短く、物理的に即時に移動が完了するケース(例:隣接倉庫間)

2 Step在庫転送

2Step在庫転送オーダーは、出庫と入庫を別々の処理として行う方法です。
こちらは出庫確認をした後に在庫のステータスが移動中のステータス(転送中在庫)になることが特徴として挙げられます。

SAPの2Step転送イメージ

メリット

  • 移動中在庫として認識できるため、移送中の資産管理が可能
  • 輸送中のトラブル発生時にも在庫情報を正確に把握できる
  • 出庫と入庫のタイムラグを許容できる運用が可能

デメリット

  • 出庫・入庫の2回処理が必要となるため、オペレーションが煩雑になる
  • 入庫忘れやタイミングミスにより在庫情報が不整合になるリスク

利用シナリオ例

  • 複数プラント間の在庫移動(例:日本工場から海外工場へ)
  • 移動に時間がかかる場合(例:トラック輸送、海上輸送)
  • 在庫移動の責任分担を明確にしたい場合(例:出庫担当と入庫担当が異なる)

在庫転送パターン分け

在庫転送について1Step・2Step、在庫転送オーダーの起票有無、請求の有無などでさらに9つのパターンに分けることができます。

Noプラント間転送 or
保管場所間転送
1Step転送 or
2Step転送
在庫転送オーダー
起票有無
出荷指示
有無
請求
有無
手順概要
(移動タイプや伝票タイプなど)
1保管場所間転送1Step×××①MIGO(移動タイプ:311)
2保管場所間転送2Step×××①MIGO(移動タイプ:313)
②MIGO(移動タイプ:315)
3プラント間転送1Step×××①MIGO(移動タイプ:301)
4プラント間転送1Step×①ME21N(伝票タイプ:UB/明細カテゴリ:U)
②VL10系+VL02N
③MIGO(移動タイプ:647)
5プラント間転送1Step①ME21N(伝票タイプ:UB/明細カテゴリ:空白)
②VL10系+VL02N
③MIGO(移動タイプ:645)
④VF01
6プラント間転送2Step×××①MIGO(移動タイプ:303)
②MIGO(移動タイプ:305)
7プラント間転送2Step××①ME21N(伝票タイプ:UB/明細カテゴリ:U)
②MIGO(移動タイプ:351)
③MIGO(移動タイプ:101)
8プラント間転送2Step×①ME21N(伝票タイプ:UB/明細カテゴリ:U)
②VL10系+VL02N
③MIGO(移動タイプ:641)
④MIGO(移動タイプ:101)
9プラント間転送2Step
①ME21N(伝票タイプ:UB/明細カテゴリ:空白)
②VL10系+VL02N
③MIGO(移動タイプ:643)
④VF01
⑤MIGO(移動タイプ:101)
⑥MIRO
在庫転送パターン分け

VL10系のトランザクションコードとしてはVL10BやVL10Hなどがあります。受注伝票や発注伝票を参照して出荷伝票をまとめて作成してくれる機能です。
機能の違いはSAP Help Portalを参照。

在庫転送の実機解説

パターン分けした操作手順について、実機画面を使用しながら代表的な在庫移動プロセスについて実際に在庫移動をしてみます。
ここではVL10系のトランザクションコードは例としてVL10Bを用いていきます。

1STEP 在庫転送

では、実際に1STEPでの在庫転送について実機操作とともに確認していきましょう。

1 Step保管場所間在庫転送(T-CODE:MIGO)

最もシンプルな形の同一プラント間における、保管場所間の在庫転送になります。
T-CODE:MIGOから実施します。

1step 保管場所在庫転送

主な手順

  • 入出庫伝票登録ヘッダ
    入出庫伝票登録にて”振替転記・その他”で移動タイプ311(保管場所間転送)を選択します。
  • 入出庫伝票登録明細(T-CODE: MIGO)
    左側に転送元の品目および転送元プラント・保管場所を、右側に転送先の同一プラント内の保管場所を入力します。
  • 入出庫伝票登録明細数量タブ
    数量タブにて、転送する数量を入力し保存します。

上の例ではプラント”JZA1″の保管場所”3000″から”JZA1″の保管場所”2000″に在庫数量が移ったことを確認することができます。

1 Stepプラント間在庫転送(T-CODE:MIGO)

こちらもシンプルな方法で、別プラント間における在庫転送になります。
保管場所間転送同様、T-CODE:MIGOから実施します。

1step プラント間在庫転送

主な手順

  • 入出庫伝票登録ヘッダ
    入出庫伝票登録にて”振替転記・その他”で移動タイプ301(プラント間転送)を選択します。
  • 入出庫伝票登録明細
    左側に転送元の品目および転送元プラント・保管場所を、右側に転送先のプラント・保管場所を入力します。
  • 入出庫伝票登録明細数量タブ
    数量タブにて、転送する数量を入力し保存します。

上記の例では、プラント”JZA1″/保管場所”3000″からプラント”JZA2″/保管場所”3000″に在庫数量が移ったことを確認することができます。

1Step保管場所間在庫転送(在庫転送オーダー有/出荷指示有)

続いて、在庫転送オーダーを起票し、倉庫に対して出荷指示も行うパターンについて解説します。
まず、T-CODE:ME21Nから在庫転送オーダーを起票し(下図①)、その後T-CODE:VL10Bにて購買発注参照で出荷伝票を作成します(下図②)。

1step在庫転送オーダ有1

1Step在庫転送を行う場合は、移動タイプにも注目が必要です。
T-CODE:VL02Lで作成された出荷伝票を見てみましょう。今回は1stepで在庫転送を行うので移動タイプが647(出庫確認 1step)になっていることを確認し出庫確認をします(下図③)。

T-CODE:ME23Nで在庫転送オーダーを確認し出庫と入庫が行われていることが確認できます(下図④)。

1step在庫転送オーダ有2

作成された入出庫伝票をT-CODE:MIGOで確認することができます(下図⑤)。

1step在庫転送オーダ有3

主な手順

  • 在庫転送オーダー起票(T-CODE: ME21N)
    購買発注伝票登録と同じ画面から、伝票タイプ”UB”を選択し、供給元のプラント情報および入庫するプラント/保管場所等の情報を入力します。
  • 出荷伝票登録(発注参照)(T-CODE: VL10B)
    出荷ポイントや参照対象の購買発注伝票番号を入力し、実行します。対象の発注伝票番号が表示されたらチェックボックスを押して出荷伝票を作成します。
    ※通常、こちらのプログラムをJOB化して、出荷伝票の作成については定期的に行われる運用も多いです。
  • 出庫確認(T-CODE:VL02N)
    作成された出荷伝票を確認し、必要に応じてピッキング作業などをし出庫確認します。
    なお、今回は1STEPでの在庫転送のため、移動タイプが647になっていることを確認します。
  • 入出庫伝票の確認(T-CODE:ME23N)
    在庫転送オーダーの伝票上で、後続の入出庫伝票を確認することができます。
    出庫確認後に作成された入出庫伝票は1伝票で入出庫が行われたことを確認することができます。
    ※そのため、移動時には積送中の在庫ステータスにはなりません
  • 入出庫伝票の確認(T-CODE: MIGO)
    実際に作成された入出庫伝票を確認し、プラント間で在庫移動されたことを確認できます。

また、1ステップとするか2ステップとするかについてはカスタマイズにて設定可能となっています。

補足 
在庫転送オーダー作成時に1STEPとするか、2STEPとするかの設定

対象のプラント間における在庫移動を1STEPとするか2STEPとするかの設定は、プラント単位で設定することができます。(T-CODE:S_ER9_52001856)

下記のようにプラント間での組み合わせで使用する在庫転送オーダーの伝票タイプの初期提案および、1STEPか2STEPかの組み合わせを設定することができます。

在庫転送オーダーの在庫移動を1Step/2Step転送のどちらにするかを決めるカスタマイズ

1STEP在庫転送についての説明は以上になります。
基本的にはMIGOを利用して、移動するパターンでシンプルな操作が多いのでFiori機能で代替されずに今も使用されている機能の1つとなります。

2STEP 在庫転送

では、実際に2STEPでの在庫転送について実機操作とともに確認していきましょう。
2Step在庫転送では、在庫の移動中のステータスが転送中の在庫ステータスに代わります。

2 Stepプラント間在庫転送(T-CODE:MIGO)

2Stepのプラント間の在庫転送は1Stepとは異なり、在庫が転送中の在庫ステータスとなることが特徴的です。今回はT-CODE:MIGOで行う2stepプラント間転送を紹介します。

T-CODE:MIGOで移動タイプ:303を指定し出庫します(下図①)。
T-CODE:MMBEで在庫を確認すると転送中であることが確認できます(下図②)。

続いて、転送中のプラント在庫をT-CODE:MIGOにて入庫します(下図③)。移動タイプは305を指定します。
T-CODE:MMBEで在庫を確認すると入庫され在庫転送が完了していることが確認できます(下図④)。

主な手順

  • 入出庫伝票登録(出庫)(T-CODE: MIGO
    入出庫伝票登録にて”振替転記・その他”で移動タイプ303(プラント転送出庫)を選択します。(保管場所間転送の場合は313を選択します。)
  • 在庫状況照会(T-CODE:MMBE)
    対象の品目の在庫状況照会を行い、転送先のプラント”JZA2″に対して、プラント間転送中という形で在庫が2個移動していることを確認できます。(保管場所の場合は保管場所転送中というステータスになります。)
  • 入出庫伝票登録(入庫)(T-CODE: MIGO
    転送先のプラントコードにて入庫を行います。入力する項目は入庫数量と入庫先の保管場所コードを指定します。
  • 在庫状況照会(T-CODE:MMBE)
    対象の品目の在庫状況照会を行います。転送先のプラント”JZA2″のプラント間転送中という形の在庫が利用可能在庫として、2個移動していることを確認できます。

2Step保管場所間在庫転送(在庫転送オーダー有/出荷指示有)

こちらのケースが通常、在庫転送オーダーとして使用されるケースの多いプロセスとなります。
まずは、在庫転送オーダーと発注伝票参照で購買発注伝票を作成します。

T-CODE:ME21Nにて在庫転送オーダーを作成します(下図①)。その際に明細カテゴリはUを指定します。
作成した在庫転送オーダーを参照し、T-CODE:VL10Bにて出荷伝票を作成します(下図②)。

次にT-CODE:VL02Nにて作成した出荷伝票を表示し移動タイプ641となっていることを確認し出庫確認を行います(下図③)。
T-CODE:ME23Nにて在庫転送オーダーを確認すると出庫されていることが確認できます(下図④)。

最後にT-CODE:MIGOにて在庫転送オーダーを参照して入庫を行います(下図⑤)。
T-CODE:ME23Nにて在庫転送オーダーを確認すると在庫が入庫され、在庫転送が完了していることが確認できます(下図⑥)。

主な手順

  • 在庫転送オーダー起票(T-CODE: ME21N)
    購買発注伝票登録と同じ画面から、伝票タイプ”UB”を選択し、供給元のプラント情報および入庫するプラント/保管場所等の情報を入力します。
  • 出荷伝票登録(発注参照)(T-CODE: VL10B)
    1stepの時と同様に、出荷ポイントや参照対象の購買発注伝票番号を入力し、実行します。(対象の発注伝票番号が表示されたらチェックボックスを押して出荷伝票を作成します。)
  • 出庫確認(T-CODE:VL02N)
    作成された出荷伝票を確認し、必要に応じてピッキング作業などをし出庫確認します。
    なお、今回は2STEPでの在庫転送のため、移動タイプが641になっていることを確認します。
  • 入出庫伝票の確認
    在庫転送オーダーの伝票上で、後続の入出庫伝票を確認することができます。
    出庫確認後に作成された入出庫伝票は1伝票となっていることを確認することができます。
  • 入出庫伝票登録(T-CODE: MIGO)
    ①で作成した在庫転送オーダーの番号をもとに、購買発注入庫(移動タイプ101)を行います。こちらをすることで転送先のプラントで入庫が完了します。
  • 入出庫伝票の確認(T-CODE: MIGO)
    実際に作成された入出庫伝票を確認し、プラント間で在庫移動されたことを確認できます。

さいごに

本記事では在庫転送オーダーについて1step、2stepそれぞれの操作イメージとともに在庫の移動方法の違いについて確認してきました。
インターフェースなどの要件でMIGOでは出荷指示データ連携等が行われないこともあり、在庫転送オーダーを作成するケースなど在庫転送オーダーは在庫管理における非常に重要な論点となります。
本記事で基本的な在庫移動について少しでも理解が深まれば幸いです。

新着のMMのフリーランス案件

【CO】

【FI】

【MM】

【SD】

【その他】

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東京都
業務領域
テスト
稼働率:
100%
作業内容:
大手商社の基幹システムをSAP S/4HANAで新規に導入する大規模プロジェクトです。 2025年9月から結合テスト、2026年2月からシステムテストを予定しており、2026年11月の本稼働を目指しています。 本ポジションでは、この重要なテストフェーズにおいて、これまでの基本設計のご経験を活かし、システムの品質を担保する役割を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 結合テスト、システムテストの計画支援、および実行
  • テストシナリオの消化、およびエビデンスの作成
  • 不具合発生時の切り分け、原因調査、および課題管理
  • 開発チームやコンサルタントとの連携、調整
  • テスト進捗の報告

【CO】

【FI】

【MM】

【SD】

【その他】

【ECC→S/4HANA移行(FI基本設計)】東京駅(週1出社)/アドオン帳票再設計

月額単価
900,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトにおいて、設計書が存在しない数十本の既存アドオン帳票(ABAP)をS/4HANA環境で再実装することがミッションです。 本ポジションでは、現行のABAPプログラムをリバースエンジニアリングしながら、顧客への要件ヒアリングを行い、S/4HANA用の新たな基本設計書を作成する、非常に重要な役割を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 既存アドオン帳票(ABAP)のソースコード解析(リバースエンジニアリング)
  • 顧客担当者への要件ヒアリング、および仕様確認
  • S/4HANA環境で実装するための、新たな基本設計書レベルの資料作成
  • 作成した基本設計書の開発チームへの説明、および連携

【MM】

【製造業SAP(MM I/F設計)】フルリモート(大崎)/要件定義・外部設計

月額単価
1,400,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
要件定義, 設計
稼働率:
100%
作業内容:
製造業のSAPプロジェクトにおいて、MM(在庫購買管理)領域のインターフェース構築が重要なテーマとなっています。 本ポジションでは、MMの専門家として、お客様と直接要件を確認しながらインターフェースの設計を行い、その後の開発・テストまでの一連のタスクを単独で推進していただきます。 主な業務内容:
  • 顧客担当者とのディスカッションを通じた、MM領域のインターフェース要件定義
  • インターフェースの外部設計書の作成
  • 開発チームへの設計内容の連携、およびQ&A対応
  • 開発されたインターフェースのテスト計画策定、および実施
  • 関連ドキュメントの作成および更新

【CO】

【FI】

【MM】

【PP】

【SD】

【製造業S/4HANA(ABAP開発)】東京・十条/設計・開発・テスト

月額単価
800,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
製造業のS/4HANAプロジェクトにおいて、業務要件に合わせたアドオン機能の設計・開発がミッションです。 ご自身の得意なモジュール(SD, MM, PP, QM, FI, COのいずれか)を担当し、基本設計から開発、結合・総合テストまで、一連の開発工程を自律的に推進していただきます。 主な業務内容:
  • SAP S/4HANA環境におけるアドオン機能の基本設計、および詳細設計
  • ABAPによる開発・実装(BAdI, BAPI, ALV, Dynpro等の知見を想定)
  • 開発した機能の単体テスト、結合テスト、総合テストの実施
  • 他のSEとの要件確認や仕様調整などのコミュニケーション
  • 関連ドキュメント(設計書、テスト仕様書など)の作成

【MM】

【SD】

【製造業システム再構築(S/4 SD/MM)】東京・神保町/設計・開発

月額単価
1,100,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
設計, 開発(ABAP/Fiori)
稼働率:
100%
作業内容:
既存の基幹システムをSAP S/4HANAで再構築するプロジェクトです。 本ポジションでは、ロジスティクス領域(SD/MM)の専門家として、アドオン機能の設計から開発、テストに至るまでの一連の工程を中心メンバーとして担当していただきます。 主な業務内容:
  • 既存システムの機能解析・調査、およびS/4HANAへの移行に関する概要設計
  • 販売管理(SD/MM)領域におけるアドオン機能の基本設計・詳細設計
  • ABAP等による開発・実装
  • 開発した機能の単体テスト、および結合テスト支援
  • 関連ドキュメント(設計書、テスト仕様書など)の作成

【MM】

【SD】

【SAP保守運用(MM/SD)】大阪・肥後橋(リモート相談可)/リーダー・コンサルタント募集

月額単価
1,300,000円 / 月
稼働場所
大阪府
業務領域
運用・保守
稼働率:
100%
作業内容:
SAPのフルモジュールを対象とした大規模な保守運用プロジェクトです。 現在、並行してシステムのバージョンアップ案件も進行しており、プロジェクト全体では約50名が稼働しています。今回は、増加するシステム改善案件に対応するため、保守運用体制を強化するメンバーを募集します。 安定稼働の維持と継続的なシステム改善を中心メンバーとして推進していただきます。 募集ポジションと主な業務内容: ① チームリーダー(1名募集) 保守運用チーム(小規模開発案件含む)のリーダーとして、メンバー管理、タスク管理、顧客折衝、ベンダーコントロールなどを担います。 ② MM/SD コンサルタント(3名募集) MM/SDの専門家として、ユーザーからの問い合わせ対応、障害調査、システム改善の要件定義、設計、テストなどを担当します。

【CO】

【FI】

【MM】

【PP】

【SD】

【その他】

【S/4HANA新規導入(CO-PC/PS)】東京(週1-2出社)/要件定義

月額単価
1,600,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
要件定義
稼働率:
100%
作業内容:
全社的な基幹システムをSAP S/4HANAで新規に構築する大規模プロジェクトです。 現在は要件定義の準備フェーズにあり、2025年10月より本格的な要件定義フェーズが展開されます。 本ポジションでは、原価・会計チームの一員として、特にCO-PC領域を中心に要件定義を主体的に推進していただきます。 主な業務内容:
  • CO(特にCO-PC)およびPS領域における要件定義の推進
  • ユーザー部門とのディスカッション、ワークショップのファシリテーション
  • 現行業務プロセスの分析、およびS/4HANAを前提とした新業務フローの設計
  • Fit&Gap分析、および課題に対する解決策の検討・提案
  • 関連ドキュメント(要件定義書、議事録など)の作成

【MM】

【S/4HANA日本ロールイン(品目マスターリード支援)】フルリモート/ユーザー側支援

月額単価
1,600,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
要件定義
稼働率:
100%
作業内容:
グローバルで使用されているSAP S/4HANAテンプレートを、日本の拠点へ展開するプロジェクトです。 本ポジションでは、お客様側の立場で導入を支援します。特に、プロジェクトの要となる品目マスタのデータ移行準備をリードしつつ、工場系・販売物流・会計といった複数領域をまたぐクロスファンクショナルな調整役として、ユーザー側リーダーのサポート全般を担当していただきます。 主な業務内容:
  • 品目マスタのデータ移行準備に関するリード業務、および計画策定・推進
  • 多数のステークホルダー(ユーザー部門、元請けベンダー、海外チーム等)とのコミュニケーションおよび調整
  • 工場系(PP)、販売物流(SD/MM)、会計(FI)など、複数領域にまたがる課題の整理と対応
  • ユーザー側リーダーのサポート業務全般(資料作成、会議ファシリテーション支援など)

【MM】

【SD】

【半導体SAP S/4HANA導入(SD/MM)】東京・品川(常駐)/マニュアル作成・権限テスト

月額単価
1,000,000円 / 月
稼働場所
東京都
業務領域
テスト
稼働率:
100%
作業内容:
大手半導体企業の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新するプロジェクトです。 本ポジションでは、プロジェクトの最終段階における品質向上と円滑な本稼働を目的とし、SD/MM領域の操作マニュアル作成や権限テストといった重要な業務を担当していただきます。 主な業務内容:
  • SAP SD/MMモジュールに関するユーザー向け操作マニュアルの作成
  • 権限テストの計画、準備、および実行
  • テスト結果の記録、および不具合発生時の報告
  • プロジェクトチーム内での連携、および進捗報告

【MM】

【S/4HANAデータ移行管理(MM/PMO)】フルリモート/複数システム連携・計画管理

月額単価
1,200,000円 / 月
稼働場所
フルリモート
業務領域
その他
稼働率:
100%
作業内容:
S/4HANAを中核とし、BTP、Salesforce、スクラッチ開発システム等が連携するシステム環境へのデータ移行プロジェクトです。 本ポジションでは、移行コンサルタントとして、移行計画の策定から、複数システムをまたぐツール開発の作業管理、本番移行リハーサルの推進まで、データ移行に関する一連のマネジメント業務をPMOとして担当していただきます。 主な業務内容:
  • プロジェクト全体を見据えた、データ移行計画の策定、および関係各所との調整
  • 移行ツールの設計・開発・テストに関する作業管理、および進捗・課題管理
  • 本番移行を想定したリハーサルの計画策定、および実行管理
  • データ移行に関するリスクの識別、評価、および対策の検討
  • プロジェクト内での円滑なコミュニケーション促進、および報告業務

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この記事を書いた人

SAPコンサルタント(SD/MM領域)

大学を卒業後、SIerに就職し製造小売業のプロジェクトに参画。
テスト~本稼働後フォローまでを経験。
その他、製造業の構想策定フェーズにおけるフィージビリティスタディや、社内環境構築、商社PJにおける要件定義を実施。
現在はビジネスコンサルタントとしてSAP導入前のアセスメント活動などを実施しています。

実務の中で、GUI以外にもFioriやBTPといった技術に触れていくなかで気づいたことを発信していければと思います。

この記事のポイント