
三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
登場人物紹介
三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
この記事を読むメリット
SAPにおけるデータ連携の中核を担う技術のひとつが「iDoc(Intermediate Document)」です。特に、システム間の連携(ALE)、外部システムとのEDI通信など、幅広い場面で利用されます。
iDocは単なるデータ形式ではなく、「データ本体(セグメント)」と「制御情報(コントロールデータ)」「ステータス情報」などを含む複合的な構造を持ち、その内容は複数のテーブルに格納されています。
この記事では、iDocを構成する代表的なテーブル(EDIDC、EDID4、EDIDS)を中心に、iDoc連携時に必要となるカスタマイズ情報を含むテーブルまでを網羅的に解説します。それでは、さっそく解説していきます!
iDocの概要やカスタマイズ、データ確認方法については下記の記事が参考になるぞい!
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iDocデータは、コントロールレコードとデータレコードとステータスレコードの大きく3つに分かれています。
まずは、iDocデータの格納時に使用されている代表的な5つのテーブルを紹介します。
テーブルID | テーブル内容 |
---|---|
EDIDC | iDocのヘッダ情報。送受信先、メッセージタイプ、ポートなど |
EDID4 | iDoc本体。セグメント単位のデータ構造 |
EDIDS | iDocの処理ステータス。成功・失敗ログ等 |
補足として、iDocのデータ連携時に必要なカスタマイズの設定値が格納されるテーブルを紹介します。
テーブルID | テーブル内容 |
---|---|
EDIMSG | メッセージタイプの定義情報 |
EDIPORT | ポートの定義(T-CODE:WE21の設定に対応) |
EDIPARTN | パートナー定義(WE20に対応) |
TBDLS | 論理システム定義(T-CODE:BD54に対応) |
EDPP1 | パートナープロファイルの定義(T-CODE:WE20に対応) |
EDISG | セグメント定義 |
EDISEG | セグメントのフィールド定義 |
TEDS1 | ステータス定義 |
ここでは、iDocデータの照会画面ととテーブル検索例を紹介します。
テーブルの検索はT-CODE:SE16Nを使用しています。
T-CODE:WE02のiDoc一覧照会画面とそれぞれのテーブルを比較しながら見ていくぞい!
iDoc全体の制御情報を格納するテーブルです。項目:DOCNUM(iDoc番号)を主キーとし、送信者・受信者・メッセージタイプ・ポート・全体のステータスなど、iDocの基本的な属性を管理します。
モニタリング時(T-CODE:WE02、BD87など)に最初に参照される非常に重要なテーブルです。
T-CODE:WE02で見るときは、左側に表示されているナビゲーションウィンドウの「制御レコード」をダブルクリックすると詳細が確認できます。
接続が上手くいかない場合、ここからPort番号や基本タイプなどの設定を確認し、カスタマイズが適切に行われているかを調べることができます。この接続部分の検証をする際は、T-CODE:WE19の疎通テスト用のトランザクションコードを使用することもおすすめです。
iDocの本体にあたるデータを格納するテーブルです。各セグメント(Z1E1KNA1、E1EDK01など)ごとに1レコードが格納され、フィールド内容はSDATAフィールド(1000文字)にバイナリ形式で保存されます。下記画像のように、セグメント(親)の配下にさらにセグメント(子)を作る場合は、データベース上、セグメント(子)の1レコードが作成され、項目:番号で親-子のリレーションを作っています。
旧形式ではEDID2/EDID3が使われていましたが、現在はEDID4が標準です。
アプリケーションデータが格納されているテーブルであり、iDocで連携したいデータに不足がある場合は、まずこのデータレコードを確認し、目的のデータが入っているかを確認します。なお、T-CODE:WE02のナビゲーションウィンドウにおいて、問題があるセグメントは文字の色が青色ではなく、黄土色になることでErrorを識別してくれます。
iDocの処理ステータスが格納されます。送信/受信に関する成功・失敗・再処理といった情報が、時系列で管理され、トラブルシューティング時に必須の情報源となります。
複数のエラーがある場合は、複数レコードが生成され、個別にステータスメッセージを確認することができます。テーブル上は、テキストデータとパラメータが項目として分かれていることも特徴です。
ステータス番号(01, 03, 51など)で処理状況が判断でき、ステータス番号の定義はテーブル:TEDS1で管理されています。
iDocはその構造上、単一のテーブルでは完結せず、複数のテーブルが連携することで一連の通信・処理を実現しています。
EDIDC、EDID4、EDIDSは最重要テーブルとして抑え、それを支えるEDIPORT、EDIPARTN、TBDLSなどの周辺テーブルも合わせて理解することで、より確実な運用・開発が可能になります。
SAPでのiDoc連携は、正確な設計とトラブル時の素早い調査が求められます。この記事を参考に、テーブル構造への理解を深め、実務での生産性向上につなげていただければ幸いです。
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事業会社の社内SE(SAP販売・貿易管理領域を担当)
大学卒業後、化学メーカーに社内SEとして勤務し、S/4海外展開プロジェクトに参画しています。主に、SDモジュールのデータ移行を2年間経験し、その後はST/IFテストの推進業務を担当しております。その間にも、SDやGTSの保守・運用に携わりながら、SAPに関する知見を深めている最中です。
業務の中で得られた知見をアウトプットしながら、SAPを利用する方々のお役に立てれば嬉しいです!