【SAP FI】会計伝票 勘定明細照会

SAPのFI（財務会計）モジュールには、主に GL（総勘定元帳）、AP（買掛金）、AR（売掛金）、AA（固定資産会計）の4つのサブモジュールがあります。

G/L勘定明細照会はGL(総勘定元帳)で重要な機能であり、多くのプロジェクトの会計データ照会でよく登場します。

本記事では、FIで頻用される「G/L勘定明細照会（FBL3N）」の使い方を解説します。

G/L勘定明細照会機能(FBL3N)について

SAPにおいて、AP（買掛金）・AR（売掛金）でよく利用されるレポートはT-CODE：FBL1N（仕入先明細照会）およびT-CODE：FBL5N（得意先明細照会）です。

また、総勘定元帳（GL）においてはT-CODE：FBL3N（G/L勘定明細照会）も広く活用されています。

FBL1N（仕入先明細照会）もFBL5N（得意先明細照会）もFBL3N（G/L勘定明細照会）も基本的な使用方法は同じです。今回はFBL3N（G/L勘定明細照会）を用いて使用方法を解説します。

以下、FBL3N（G/L勘定明細照会）はなにができるかをご紹介します。

では、続いて詳細内容についてご紹介します。

G/L勘定明細照会の初期画面：FBL3N

画面を少し下スクロールすると、明細選択のところに３つのステータスがあります。

Q：「基準日の未消込明細」に入力する日付は何にすればよいでしょうか。
A：その日付までの未消込明細が抽出されるため、2025年9月末時点の未消込明細を確認したい場合、2025/09/30を入力します。

Q：「消込日付」には何を入力すればよいでしょか。
A：9月末の消込明細を確認したく、消込日付に2025/09/30を指定します。それに加えて「基準日の未消込明細」を入力してさらに絞ることができます。

さらに下スクロールすると、タイプと一覧出力の入力箇所があります。

• 標準明細：通常の転記済み伝票。
• 備忘明細：参考・通知目的の明細。例）仮受金の請求依頼／前受金の請求依頼など。
• 未転記明細：入力はしたがまだ転記していない伝票。

レイアウト：実行した後のデフォルト表示フォーマットを指定します。
SAP標準がいくつか用意されていますが、実務上ユーザさんはカスタムレイアウトを使用するのが一般的です。

今回は1SAPの標準レイアウトを使用して、検索結果画面の内容を見てみます。

以下は標準レイアウトで出力された項目です。もちろん表示するレイアウトは変更することができます。

すでに表示されている項目を非表示にし、非表示項目を表示項目に追加することができます。

ここで、小口現金勘定と在庫転送勘定で比較してみましょう。

よくみると、いずれも消込伝票列がブランクの未消込データにも関わらず、ステータス表記が異なっています。なぜでしょうか？

小口現金勘定のステータス→未消込の場合、”未消込明細”のマークではなく”転記済”のマークです。

在庫転送勘定のステータス→未消込の場合、”未消込明細”のマークです。

両者の違いはどこからきているのでしょうか？勘定マスタ(T-CODE：FS00)を確認してみましょう！

まずは小口現金の勘定マスタ設定を確認しましょう。明細消込管理に✓チェックがされていません。

次に在庫転送の勘定マスタ設定です。明細消込管理に✓チェックがされています。

そのため、明細消込管理にチェックがあるかどうかにより、同じ未消込状態であってもT-CODE：FBL3N（G/L勘定明細照会）での消込済/未消込明細シンボルの表示も変わります。

消込管理したい勘定は勘定マスタで必ず明細消込管理をチェックする必要があります。

まとめ

本記事では、総勘定元帳のG/L勘定明細照会機能 FBL3N を紹介しました。

G/L勘定明細照会について、以下内容でまとめられます。

目的：勘定科目ごとの仕訳明細を素早く可視化し、残高照合・未消込管理・原因追跡を効率化。

基本：期間／勘定／会社コードで抽出し、未消込／消込済／全件を切替。明細から伝票・相手明細へドリルダウン。

明細タイプ：

• 標準明細＝会計に反映（残高へ影響）
• 備忘明細＝通知用途（残高へ非影響）
• 未転記明細＝承認待ち等の保留（転記前は非影響）