【SAP GRC】 Access Controlカスタマイズ方法

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!

記事のポイント

  • SAP GRC Access Controlのカスタマイズ方法について解説します。
レイナ

以前GRCで紹介したAccess Controlの設定方法を教えてください!

博士

よし、わかった。
今回はAccess Controlのカスタマイズについて解説していくのじゃ!

SAP GRCの1つである「Access Control」のカスタマイズ方法について説明します。

この記事のポイント

カスタマイズ

「Access Control」を使用する際の最低限のカスタマイズを解説していきます。

登録: コネクタ

トランザクションコード:SM59

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> 共通コンポーネント設定>統合フレームワーク>登録: コネクタ

登録: コネクタ

「RFC宛先」を設定します。

このカスタマイジングでは他SAP環境への接続の入り口のようなもの(RFC宛先)を作るために行います。

「ABAP接続」に下記で新規登録します。

No.技術設定 設定項目入力内容
RFC宛先任意の値
接続タイプ3
対象ホスト接続先のホスト名
Instance No.APサーバのインスタンス番号
No.Logonとセキュリティ 設定項目入力内容
Client接続先のクライアント
ユーザ接続に使用するユーザID
パスワード接続に使用するユーザIDのパスワード
保存押下

「接続テスト」を押下しテストを実行します。
エラーが出なければ「登録: コネクタ」の設定完了です。

更新: コネクタおよび接続タイプ

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> 共通コンポーネント設定>統合フレームワーク> 更新: コネクタおよび接続タイプ

更新: コネクタおよび接続タイプ

「コネクタ定義」を設定します。

このカスタマイジングは他システムへの接続のために行います。

下記を設定します。

No.項目入力内容
コネクタ定義対象を選択
新規エントリ押下
ターゲットコネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
接続タイプSAP
論理ポート「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
コネクタ定義設定

「コネクタグループ定義」を設定します。

「新規エントリ」より下記を設定します。

No.項目入力内容
コネクタグループ定義ダブルクリックで選択
新規エントリ押下
Conn.Group任意の値を設定
コネクタ Group Text任意の値を設定
接続タイプSAP
コネクタグループ定義設定

「コネクタグループへのコネクタ割当」を設定します。

「新規エントリ」より下記を設定します。

No.項目入力内容
Conn.Groupチェック
コネクタグループへのコネクタ割当ダブルクリックで選択
新規エントリ押下
ターゲットコネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
接続タイプSAP
コネクタグループへのコネクタ割当

「グループタイプへのコネクタグループ割当」を設定します。

下記を設定します。

No.項目入力内容
グループタイプへのコネクタグループ割当ダブルクリックで選択
新規エントリ押下
コネクタGroup TypeSOD-LOG 論理グループ
保存押下
グループタイプへのコネクタグループ割当

「更新: コネクタおよび接続タイプ」の設定完了です。

更新: 接続設定

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> 共通コンポーネント設定>統合フレームワーク> 更新: 接続設定

更新: 接続設定

「統合シナリオ」を設定します。

このカスタマイジングはコネクタを統合シナリオに割り当てます。
他のシステムと通信する際にはコネクタを使用します。
そのため使用するシナリオをコネクタに割り当てる必要があります。

①「AUTH」「PROV」「ROLMG」「SUPMG」を選択しそれぞれ設定します。

統合シナリオ選択

「サブシナリオ定義」を設定します。

下記を設定します。

No.項目入力内容
サブシナリオチェック
シナリオ-コネクタリンクダブルクリックで選択
新規エントリ押下
ターゲットコネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
保存押下
サブシナリオ定義

「AUTH」「PROV」「ROLMG」「SUPMG」すべてに実施します。

「更新: 接続設定」の設定完了です。

更新: コネクタ設定

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control>更新: コネクタ設定

更新: コネクタ設定

「更新: コネクタ設定」を設定します。

下記を設定します。

No.項目入力内容
新規エントリ押下
ターゲットコネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
Appl Type001(SAP)
環境使用環境の状況に合わせて設定
保存押下
コネクタ設定更新

「更新: コネクタ設定」の設定完了です。

更新: アクションおよびコネクタグループのマッピング

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control> 更新: アクションおよびコネクタグループのマッピング

更新: アクションおよびコネクタグループのマッピング

「コネクタグループステータス更新」を設定します。

下記を設定します。

No.項目入力内容
新規エントリ押下
Conn.Group「更新: コネクタおよび接続タイプ」で作成したコネクタグループ
有効チェック
Appl Type001(SAP)
コネクタグループステータス更新

「コネクタグループへのデフォルトコネクタ割当」を設定します。

下記を設定します。

No.項目入力内容
コネクタグループへのデフォルトコネクタ割当ダブルクリックで選択
新規エントリ押下
Conn.Group「更新: コネクタおよび接続タイプ」で作成したコネクタグループ
アクション「更新: 接続設定」で設定した「統合シナリオ」と同じものを設定
ターゲットコネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
Defaultチェック
保存押下
コネクタグループへのデフォルトコネクタ割当

「更新: アクションおよびコネクタグループのマッピング」の設定完了です。

権限同期

トランザクションコード:GRAC_AUTH_SYNC

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control> 同期ジョブ> 権限同期

権限同期

「権限同期」を実行します。

この作業はGRC Access Controlで使用する権限マスタデータをバックエンドERPシステムから同期するために行います。

条件に下記を設定します。

No.項目入力内容
コネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
言語任意の言語を設定
実行フォアグラウンド又はバックグラウンドで実行

「フォアグラウンド実行」も可能ですが、時間がかかることもあるため「バックグラウンド実行」がおすすめです。

権限同期実行

トランザクションコード:SM37で結果を確認し、正常に終了していれば「権限同期」による設定完了です。

リポジトリオブジェクト同期

トランザクションコード:GRAC_REP_OBJ_SYNC

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control> 同期ジョブ> リポジトリオブジェクト同期

リポジトリオブジェクト同期

「リポジトリオブジェクト同期」を実行します。

プロファイル、ロール、ユーザのデータをERP バックエンドシステムから同期するために行います。
リスク分析の際に必要となるデータです。

条件に下記を設定し実行します。

No.項目入力内容
同期ジョブ選択「プロファイル」「ロール」「ユーザ」にチェック
コネクタ「登録: コネクタ」で作成したコネクタ
言語任意の言語
同期モード「完全同期」にチェック
実行フォアグラウンド又はバックグラウンドで実行

「フォアグラウンド実行」も可能ですが、時間がかかることもあるため「バックグラウンド実行」がおすすめです。

リポジトリオブジェクト同期実行

トランザクションコード:SM37で結果を確認し、正常に終了していれば「リポジトリオブジェクト同期」による設定完了です。

ダウンロード: 職務分掌ルール

トランザクションコード:GRAC_DOWNLOAD_RULES

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control>アクセスリスク分析>職務分掌ロール> ダウンロード: 職務分掌ルール

ダウンロード: 職務分掌ルール

SAP標準の「職務分掌ルール」をダウンロードします。

この作業はSAP標準の職務分掌ルールを取得するために行います。

条件に下記を設定します。

No.項目入力内容
システムS/4の場合は「SAP_S4A_LG」を選択
R3の場合は「SAP_R3_LG」を選択
ビジネスプロセス保存先のファイル名とパスを設定
ファンクション保存先のファイル名とパスを設定
ファンクションビジネスプロセス保存先のファイル名とパスを設定
ファンクションアクション保存先のファイル名とパスを設定
ファンクション権限保存先のファイル名とパスを設定
ルールセット保存先のファイル名とパスを設定
リスク保存先のファイル名とパスを設定
リスク詳細保存先のファイル名とパスを設定
リスクルールセット関係保存先のファイル名とパスを設定
実行押下
職務分掌ルールダウンロード実行

「実行」し正常に終了していれば完了です。

アップロード: 職務分掌ルール

トランザクションコード:GRAC_UPLOAD_RULES

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control>アクセスリスク分析>職務分掌ロール> アップロード: 職務分掌ルール

アップロード: 職務分掌ルール

「職務分掌ルール」をアップロードします。

この作業は職務分掌ルールをアップロードするために行います。
ここでは、「ダウンロード: 職務分掌ルール」で取得した標準ルールをアップロードしています。
既存の職務分掌ルールを変更する際にも使用します。

条件に下記を設定します。

No.項目入力内容
システム「登録: コネクタ」で作成したコネクタまたは
「更新: コネクタおよび接続タイプ」で作成したコネクタグループを選択
ビジネスプロセス「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
ファンクション「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
ファンクションビジネスプロセス「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
ファンクションアクション「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
ファンクション権限「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定とパスを設定
ルールセット「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
リスク「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
リスク詳細「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
リスクルールセット関係「ダウンロード: 職務分掌ルール」でダウンロードしたファイル名とパスを設定
オプション「上書き」を選択
実行押下
職務分掌ルールアップロード実行

「実行」し正常に終了していれば完了です。

生成: 職務分掌ルール

トランザクションコード:GRAC_GENERATE_RULES

SPRO IMGノード:
Governance, Risk and Compliance> Access Control>アクセスリスク分析>職務分掌ロール> 生成: 職務分掌ルール

生成: 職務分掌ルール

「アップロード: 職務分掌ルール」でアップロードしたルールから「職務分掌ルール」を生成します。

条件に下記を設定します。

No.項目入力内容
リスクF4ヘルプで出てくる対象全てが対象範囲となるように選択
実行フォアグラウンド又はバックグラウンドで実行

「フォアグラウンド実行」も可能ですが、時間がかかることもあるため「バックグラウンド実行」がおすすめです。

職務分掌ルール生成実行

正常に終了していれば完了です。

今回のまとめ

博士

これでAccess Controlの機能であるリスク分析などが使用可能になるのじゃ!

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この記事を書いた人

新卒でSAPのエンジニアとなり、10年ほどの経験を持つ現役のSAPエンジニア。
SAPのモジュールを問わず広く学習しながら業務の対応を行っている。
自分と同様にSAPで困っている人のサポートをしたいと思いSAPラボに参加。

この記事のポイント