【SAP ABAP】ABAP初心者のための基本ルールとプログラム作成手順(T-CODE:SE38)

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!

記事のポイント

  • T-CODE:SE38からABAPプログラムを作成できるようになります。
レイナ

私も実際にABAPを組んでみたいです!
どうやって学んだらいいでしょうか?

博士

まずはシンプルなプログラムから始めるといいぞい!
ここで解説していくのじゃ~!

ABAPは「Advanced Business Application Programming」の略で、SAPシステムでアドオン機能を開発するための言語です。

SAPの標準機能では満たせない要件が発生した場合は、ABAPを使ってアドオン開発をすることで機能を補完することができます。
例えば新しい機能を追加して、ビジネスプロセスを効率的にしたり、独自のレポートを作成して必要な情報を抽出したりすることができるのです。

今回は「Hello World」を出力するプログラムを一緒に作ってみながら、基本的な画面の操作やABAPのルールを説明していきます!

この記事のポイント

プログラムの作成(トランザクションコード:SE38)

ステップ1|T-CODE:SE38を開く

SAP GUIを起動し、画面上部のコマンドフィールドに「SE38」と入力してEnterキーを押します。

ステップ2|新規プログラムの作成

エディタの最初の画面で、プログラム名に「ZHELLO_WORLD」を入力し、登録ボタンを押します。

トランザクションコードSE38からプログラムの登録(プログラム名称設定)
博士

ポイント!
プログラム名を”Y”か”Z”で始めることがポイントじゃ!
標準プログラムと区別して、競合を回避することができるぞい!

「ABAP: プログラム属性」ポップアップが表示されるので、表題やプログラムタイプを設定します。
今回は表題に「My First ABAP Report」を入力し、プログラムタイプは「実行可能プログラム」を選択します。またテストで使用するのでステータスは「テストプログラム」を選択して「保存」を押します。

トランザクションコードSE38からプログラムの登録(表題、タイプ、ステータス設定)

次に「オブジェクトディレクトリエントリ登録」ウィンドウが表示されます。今回はテストプログラムとして登録するため「ローカルオブジェクト」を押します。

トランザクションコードSE38からプログラムの登録(パッケージ設定)
博士

ポイント!
実際に本番機へ移送が必要なプログラムの場合は、「パッケージ」を選択して、「保存」ボタンを押すのじゃ。

次のような表示が現れたら、プログラムの登録が完了となります。プログラムを保存するためには、「保存」ボタンを押します。

トランザクションコードSE38からプログラムの登録(プログラムの保存)
博士

これでプログラムが保存されたぞい。
この後は実際にABAPを使ってコードを書いてみるぞい!

ステップ3|ABAPコードの入力

博士

以下のコードをコピーして入力してみるのじゃ!

プログラム
REPORT ZHELLO_WORLD. " プログラムの名称

* 変数定義
DATA: lv_message TYPE string.
* 変数に文字列を格納
lv_message = 'Hello, World!'.
* 文字列を出力
WRITE: / lv_message.

ステップ4|プログラムの保存~有効化

コーディングが完了したら、下記の順でプログラムを実際に動かすことができる状態にします。

  • 「保存」ボタンを押します。
  • コーディング内容にエラーがない事を確認するために「チェック」ボタンを押します。
  • プログラムを動かせる状態にするために「有効化」ボタンを押します。
トランザクションコードSE38からプログラムの登録(チェックと有効化)

ステップ5|プログラムの実行

博士

プログラムが動く状態になったぞい!
「実行」ボタンもしくはF8を押したら、プログラムが動くぞい!

トランザクションコードSE38からプログラムの実行
レイナ

「Hello, World!」が表示されました!博士すごい!!

トランザクションコードSE38からプログラムの実行した結果

覚えておきたい基本ルール

レイナ

今回はコードをコピーして作成しましたが、今後ABAPを組む上で覚えておくべきルールはありますか?

博士

あるぞい!
基本的なルールを以下に記載したぞい!

・プログラムは半角英数字で作成し、区切り文字は半角スペースを使用します。
 ※大文字と小文字は区別されません。
 ※命令と命令の間に全角スペースを入れることはNGです。
 ※コメントアウトした箇所については対象外です。


・文末にはピリオドを使用します。

・コメントは「*」と「”」を頭に記載します
 ①「*」は文頭から文末までをコメントアウトしたい場合に利用
  ⇒コードを改修するときに元のコードをコメントアウトして残すという使い方もあります。
 ②「”」は分の途中から文末までをコメントアウトしたい場合に利用

博士

今回は「Hello World」プログラムの作成を通して、基本的な画面の操作やABAPのルールを説明したぞい!
次回からはより実践的にABAPの基本的な構文を説明していくぞい!

レイナ

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この記事を書いた人

新卒でSAPエンジニアとしてABAPでの新規開発や保守業務を担当。
業務内容としてはロジ系(MM/SD)がメインで、ABAPの開発が最も得意。

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