この記事を読むメリット
- SAP での仕入先マスタの各項目が格納されているテーブルについて理解することができます。
- SAPでの仕入先(Vendor)マスタに関するテーブルと各テーブルの関連性を理解することができます。
仕入先マスタは、S/4になってからBPマスタとして得意先マスタと共に統合されました。ただし、仕入先マスタに関するテーブルおよびデータ構造は変更されていません。
本記事では、基本的な構造と主要なデータやS/4になって登場した項目などがどのテーブルに格納されているのかを実機画面を見ながら解説していきます!
S/4でのBPマスタに関するテーブル関連図とECCとの違いは以下で確認できるのじゃ!
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この記事のポイント
仕入先マスタの構造
仕入先マスタは住所や電話番号といった①組織共通データと購買組織や会社コード単位ごとに異なる取引条件を持つ②組織依存データに大別することができます。
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テーブル関連図(仕入先マスタ)
仕入先マスタの代表的な項目についてのテーブル関連図は下記となっています。
ECC同様にサプライヤコードをキーとしてその他組織コードなどをキーに紐づく形をとっています。
サプライヤコードは現在ではS/4のBPコードと同じ値をとるようにカスタマイズをすることで、得意先マスタ・仕入先マスタが同じコードで管理することが可能となりました。
BPテーブル関連図
テーブル一覧(仕入先マスタ)
仕入先マスタの各テーブルの概要は下記となっています。
| テーブルID | テーブル内容 |
|---|
| LFA1 | 仕入先:一般データ 仕入先マスタについて名称や住所情報といった基本データが格納されています。 |
| LFB1 | 仕入先:会社コードデータ 仕入先マスタの会社コード単位ごとのデータが格納されています。 |
| LFM1 | 仕入先:購買組織データ 仕入先マスタの購買組織単位ごとのデータが格納されています。 |
| WYT3 | 仕入先:取引先機能 仕入先マスタの購買発注伝票などにおけるヘッダ項目の取引先機能(仕入先・請求元など)のデータが格納されています。 |
仕入先マスタ関連のテーブル
各テーブル解説
ここでは実際のマスタ設定画面とテーブル検索例を紹介します。
テーブルの検索はT-CODE:SE16Nを使用しています。
LFA1(仕入先:一般データ)
仕入先一般データに格納されている情報は仕入先マスタを登録する際に選択した基本的な情報が格納されています。S/4ではBP一般データを登録した情報がそのまま同じ情報としてコピーされることが多いです。
具体的なSAPの画面としてはT-CODE:BPの仕入先一般画面で確認できる最初の画面のデータが格納されているのじゃ!
主な項目
- サプライヤ(LIFNR)
仕入先コードを定義することができます。 (画像ではパラメータ設定でBPコードと仕入先コードを統合する設定にしていないため、サプライヤコード≠BPコードとなっています。)
- 名称1(NAME1)
仕入先の名称を設定します。文字数に応じて、名称2~4を使用することも可能です。
- 転記ブロック・購買ブロック(SPERR・SPERM)
一般データでの転記・購買ブロックはフラグ設定をすると拡張されている会社コード・購買組織全体に対してブロックが設定されます。
LFB1(仕入先:会社コードデータ)
仕入先会社データでは、法人単位などで設定されている会社コード単位での設定値を確認することができます。
主な項目
- 統制勘定コード(AKONT)
統制勘定元帳に転記する際に、どの勘定コードで転記するかを指定することができます。
(対象仕入先との取引時に買掛金計上にするか、経費計上にするかなど)
- 支払条件(ZTERM)
仕入先への買掛に対して、集計(締め日)・支払期日・支払方法などを設定することが可能です。この支払条件をもとに会計伝票の請求日付が提案されます。
- その他:外注先タイプ(J_SC_SUBCONTYPE)
S/4の2022以降に追加された日本固有要件の下請法対象かの仕入先を判別するためのフラグになります。購買発注伝票時の下請法適用事業者との取引での伝票制御に本フラグを利用することができます。
LFM1(仕入先:購買組織データ)
仕入先 購買組織データでは、各購買部門単位ごとで設定された購買組織単位でのデータが格納されています。
主な項目
- 購買発注通貨(WAERS)
発注時に使用する通貨を設定します。
- 支払条件(ZTERM)
仕入先への買掛に対して、集計(締め日)・支払期日・支払方法などを設定することが可能です。この支払条件をもとに購買発注伝票の請求日付が提案されます。
- 入庫請求基準書・ERS(WEBRE・XERSY)
ERS(商品の入庫処理をトリガーに請求書照合を自動で行う機能)対象の仕入先かどうかを判定するフラグです。
- PO自動生成(KZAUT)
本フラグをオンにしている場合、購買依頼からの購買発注伝票変換を通常はマニュアルでの変換が必要なケースについてME59Nなどのトランザクションで自動的に登録することができます。
WYT3(仕入先:取引先機能)
BPマスタは得意先や仕入先といったマスタが統合されたほか、与信管理なども行うことができます。
そのため、1つの取引先コードが得意先なのか仕入先なのかといった情報を確認するためにはBPロールを参照することで判別を行います。
主な項目
- 取引先機能(PARVW)
対象の仕入先と取引を行った際に、伝票のヘッダ項目に対象仕入先に関連する債務計上先などを紐づけて提案させることができます。
- 取引先カウンタ(PARZA)
対象の取引先機能がそれぞれ何件紐づけられているかをカウントしています。注意点として取引先カウンタは項目長が3桁のためブランク+999までの計1,000件までしか設定できない点があげられます。
- サプライヤ参照(LIFN2)
対象の取引先機能にどのサプライヤコードが紐づいているかを確認できます。
使用例:仕入先が”XXXXXXX1″(名称:取引会社A – 販売部門B)のBPコードとして登録されており、別のBPコードで”XXXXXX2″(名称:取引会社A)が本体のBPコードとして登録されている場合、請求先を”XXXXXX2″にすることで購買発注伝票ヘッダの請求先に提案され、本体のBPコードに対して債務の計上先として登録されます。
以上が、仕入先マスタの代表的なテーブルじゃ!
このほかも細かなテーブルや項目があるが、本項目が主に発注業務時に設定することの多い項目として今回は紹介しておる。
最後に
以上、仕入先マスタに関する使用されることの多い基本的なテーブルについてマスタ上での画面とテーブルでの項目を比較しながら解説を行いました。
本記事を通じて、仕入先マスタの構造イメージおよび主要項目について理解いただければ幸いです。