この記事を読むメリット
- SAP ECCおよびS/4で使用されている得意先マスタ(Customer Master)のテーブルの関係性を理解することができます。
SAP ECCでもお馴染みの得意先マスタ(Customer Master)について、テーブル関連図の全体像と各テーブルの概要について解説していきます。
S/4ではBPマスタに統合されていますが、得意先としてのテーブル構造はECCと基本的に変わりません。
得意先マスタのメンテナンス画面にあるそれぞれの項目が、どのテーブルに格納されているのかを知るきっかけになれば幸いです。それでは、さっそく解説していきます!
S/4でのBPマスタに関するテーブル関連図とECCとの違いは以下で確認できるのじゃ!
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この記事のポイント
得意先マスタのテーブル
ECCでは、得意先マスタはT-CODE:XD01/02/03で登録/変更/参照ができ、メンテナンス画面の情報は基本的に“K”始まりのテーブルに格納されています。また、得意先マスタでは10個以上のテーブルを使用しており、タブや項目よって格納されているテーブルが異なります。
S/4では、得意先マスタはBPマスタ(Business Partner)として、仕入先マスタと統合され、T-CODE:BPで登録/変更/参照ができますが、テーブルはECCと同じテーブルを使用していることがほとんどです。その為、ECCの得意先マスタのテーブル関係を理解することは非常に有意義ですので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
得意先マスタのテーブル関連図
得意先マスタのメンテナンス画面は、一般ビューと会計ビューと販売ビューの大きく3つに分かれています。
*上記の他にも、一般ビューの取引先担当者の情報が格納されたKNVKや荷渡ポイントに関する情報が格納されているWRF12などのテーブルも存在します。
テーブル一覧
今回は、得意先マスタで使用されている代表的な4つのテーブルを紹介します。
| テーブルID | テーブル内容 |
|---|
| KNA1 | 得意先マスタ: 一般データ 得意先マスタの一般ビューにある名称や住所、電話番号、勘定グループなどが格納されています。 |
| KNB1 | 得意先マスタ:会社コードデータ 得意先マスタの会社ビューにある、会社コードごとの会計情報や保険情報などが格納されています。 |
| KNVV | 得意先マスタ: 販売エリアデータ 得意先マスタの販売ビューにある、販売エリアごとの支払い条件や出荷条件などの情報が格納されています。 |
| KNVP | 得意先マスタ: 取引先機能 得意先マスタの販売ビューの中にある取引先機能の情報が格納されています。 |
得意先マスタ関連のテーブル
各テーブル解説
ここでは、実際のマスタ設定画面とテーブル検索例を紹介します。
テーブルの検索はT-CODE:SE16Nを使用しています。
KNA1(得意先マスタ:一般データ)
KNA1には、得意先の基本的な情報が格納されています。
得意先の名称や住所、電話番号、言語KEY、納税区域など様々です。
得意先マスタのメンテナンス画面上で見ると、一般データの各タブは下記のテーブルに格納されています。その中で、KNA1に格納されている情報は下記のとおりです。
- 住所タブ →KNA1(詳細の住所や通信手段の一部は他のテーブルに格納)
- 管理データタブ→KNA1(2個目以上のVAT番号はKNASに格納)
- 支払処理タブ→KNBK
- マーケティングタブ→KNA1
- 荷渡ポイントタブ→KNVA(一部WRF12やTSABTにも格納)
- エクスポートデータタブ→KNA1
- 取引先担当者タブ→KNVK
SAP 得意先マスタ-KNA1
もっと詳しく💡
得意先マスタの住所情報や電話番号は下記のようなテーブルに格納されています。
これはデータの正規化以外にも、国際バージョンや複数の電話番号/メールアドレスを登録する際、複数行のレコードを持たせることに大きく貢献しています。
KEY情報は、KNA1の項目“アドレス番号”というシステムで採番された番号をもとに詳細なアドレス情報を確認することができます。
- ADRC:住所情報(郵便番号、市町村、国など)
- ADR2:電話番号
- ADR3:FAX番号
- ADR6:メールアドレス などなど
KNB1(得意先マスタ:会社コードデータ)
KNB1には、販売側の会社コードに紐づく得意先の情報が格納されています。
例えば、統制勘定などの会計情報や金利計算に関する情報、支払い条件(Payment Term)などが格納されています。
得意先マスタのメンテナンス画面上で見ると、会社コードデータのほとんどはKNB1のテーブルに格納されています。ただし、連絡文書タブの督促領域はKNB5に、源泉徴収税タブの情報はKNBWに格納されています。
また、KNB1は得意先コード×会社コードをキーに複数レコードを登録することができます。
もっと詳しく💡
得意先マスタの会社ビューの上記スクショには、源泉徴収税のタブが存在していません。
これは、カスタマイズで源泉徴収税のタブを表示させない設定になっているからです。
実は、得意先マスタの画面レイアウトは“勘定グループ”や“会社コード”ごとに設定できます。
カスタマイズの場所は、T-CODE:SPROのIMG照会の“財務会計 > 債権管理および債務管理 > 得意先コード > マスタデータ > 得意先マスタデータ登録準備 > 定義:得意先勘定グループ/画面レイアウト”で、下記のような画面でレイアウトを制御できます。
KNVV(得意先マスタ:販売エリアデータ)
KNVVには、販売会社の販売エリアに紐づく得意先の情報が格納されおり、主に受注/出荷/請求に関わる情報が格納されています。
例えば、情報営業所や営業グループなどの組織情報や価格設定の条件キー、出荷プラント、分割納入設定、インコタームズなどです。
また、KNVVは得意先コード×販売エリアをキーに複数レコードを登録することができます。
SAP 得意先マスタ-KNVV
KNVP(得意先マスタ:販売エリアデータ)
KNVPには、KNVVと同じく販売エリアデータの一部が格納されており、受注先と取引をする際に設定する出荷先や請求先、支払先などの取引先機能の情報が格納されています。
下記の通り、KNVPは得意先コード×販売エリア×取引先機能をキーに複数レコードが登録されています。
SAP 得意先マスタ-KNVP
まとめ
今回はECCおよびS/4で使用されている得意先マスタのテーブル関連図の紹介しました。
本記事を通して、得意先マスタのテーブル構造の全体像やメンテナンスしている各項目がどこのテーブルに格納されているかを理解する一助になれば幸いです。