この記事を読むメリット
- 支払条件を用いた業務上の運用を理解できます。
- 支払条件の詳細設定を理解できます。
支払条件は、支払期日をコントロールし、仕入先にいつ支払いを行うかを決定する重要なマスタデータです。SAPの重要なカスタマイズの一つで、特にAP(買掛金)サブモジュールにとっては不可欠です。
支払処理のカスタマイズについての説明記事もありますので、合わせて確認してみてくださいね!
SAPラボ
【SAP FI】支払関連のカスタマイズ(T-CODE:FBZP)について徹底解説! | SAPラボ
この記事を読むメリット 支払関連のカスタマイズについて理解できます。 支払関連のカスタマイズをすることができます。 今回は銀行マスタと密接に関係する、SAPでの支払処…
実際の業務では、支払条件を通じて、いつ仕入先に支払いを行うべきかを管理します。
この記事のポイント
業務上支払条件の出番
支払条件は実際の業務において、いくつかの場面で現れます。
- BPマスタ
- BPマスタ(仕入先会社ビュー)に支払条件を登録するのが一般的です。BPマスタに登録した場合、マニュアル債務伝票を計上する際にも支払条件が自動的に誘導されます。
- MM(購買モジュール)
- マニュアルで債務伝票を計上する時だけではなく、MM(購買モジュール)において、購買発注登録する際にも、BPマスタの支払条件が自動誘導されます。
- 後続の入出庫、請求書照合する際に、購買発注伝票の支払条件が誘導されます。
- 債務伝票AP明細
- 債務伝票のAP明細に支払条件がBPマスタより自動誘導されます。
- 仕入先明細照会(FBL1N)
- 支払処理実施する前に仕入先明細照会で支払保留フラグ、取引銀行、支払期日などを確認する業務フローが一般的です。
- 支払処理(F110)
- 支払提案照会にて支払条件を確認することができます。
支払条件の設定(OBB8)
SAP標準で用意している支払条件がありますが、クライアント独自な支払条件を定義することができます。多くのSAPプロジェクトでは、クライアント独自な支払条件を定義するのが一般的です。
トランザクショコード:OBB8
新規エントリーを押して、各項目を設定します。
- 支払条件:クライアント独自な支払条件キーを定義します。
- 期限:この期限までに支払条件が有効です。月の前半と後半は違う支払基準日にしたい要件がある場合、期限の設定が必要です。
- 支払条件テキスト:テキストを入力します。必須ではないですので、ブランクでもOKです。
- 説明:説明のほうに翌支払条件についての説明文を入力してます。
- 勘定タイプ:仕入先に使用する支払条件か、得意先に使用する支払条件を制御します。
- 固定日:何日に支払うかを決めます。
- 追加月:何か月加算するかを決めます。
- 支払保留キー:フラグ付けると、該当支払条件で登録されている仕入先の伝票登録時に、支払保留フラグが支払条件と共に自動的に提案されます。
- 支払方法:支払方法を指定します。支払条件と紐づいていて、該当支払方法には支払条件Z005を利用することができます。
- 支払基準日初期値:設定しましたら、支払基準日の初期値を提案することができます。
- 転記日付あるいは初期値なしを支払基準日初期値に設定するのが一般的です。
- 固定日、追加月数(条件1):支払基準日計算した後、支払期日を決定するうえで、さらに日数を追加したい場合、設定します。この項目を設定しない場合には、支払基準日=支払期日となります。
下記図のケースを確認して、内容をより理解しやすいと思います。
上記例では、転記日付は2024/08/05として入力されており、転記日付は1日~15日の範囲内ですので、支払条件Z005 期限15のほうが採用されます。
上記日付はどう算出しているか疑問持っているのでしょうか?
QA形式で回答していきます。
- 支払基準日の初期値は何が採用されますか?
-
トランザクショコードOBB8で制御できます(⑩番の説明)。今回は転記日付を支払基準日初期値として設定していますので、転記日付の2024/8/5が支払基準日初期値になります。
- 支払基準日はどう算出されますか?
-
支払基準日計算の固定日(⑥番)と追加月(⑦番)によって決定します。転記日付が2024/8/5の場合は以下となります。
固定日20、追加月0の場合、支払基準日は2024/8/20になります。
固定日20、追加月1の場合、支払基準日は2024/9/20になります。
※8月に追加月の1を足して9月、日は固定で20日
- 支払期日はどう算出されますか?
-
支払期日=支払基準日+日数(⑪番)
- 日数とは何ですか?
-
トランザクショコードOBB8では日数という項目がなく、直接入力しないですが、会計伝票債務明細に項目「日数」があります。支払条件の固定日、追加月数(条件1)(⑪番)の設定によって、債務明細の「日数」が自動的に入力されます。
支払条件の固定日は10、追加月数(条件1)は1の場合、支払基準日2024/9/25+日数(15)=支払期日2024/10/10になります。
まとめると、
支払基準日初期値+支払基準日計算の固定日、追加月の設定(⑥番と⑦番)=支払基準日が決定。
支払基準日+支払条件の固定日、追加月数の設定(日数)=支払期日が算出。
こちらの例は転記日付15日以降ですので、支払条件Z005 期限31のほうが採用されますね。
各日付の計算は前述の通りですので、ケース3について簡単に計算してみましょう。
ケース3の場合、支払基準日初期値は転記日付2024/8/16です。
支払基準日は支払基準日計算の設定(固定日:1、追加月:1)によって、2024/9/1となります。
※8月に追加月の1を足して9月、日は固定で1日
支払期日は支払基準日+支払条件の設定によって、2024/9/1+45日=2024/10/15になります。
ここまで、各日付の計算ができるようになったかと思います。
支払条件テーブル概要
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