ロット– SAP用語集 –

ロット(Lot)は製造過程において一連の製品または材料の特定の単位を管理するための概念です。
SAPシステムではロット管理は、品質管理、トレーサビリティ、在庫管理において重要な役割を果たします。ロット番号を使用して、特定の製品や材料の生産履歴、品質検査結果、使用状況を追跡することができます。

ロットの主な機能は次の通りです。

  1. トレーサビリティ:ロット番号を使用して、製品や材料の生産から出荷までの全過程を追跡できます。これにより、不良品の特定やリコール対応が迅速に行えます。
  2. 品質管理:ロット単位で品質検査を行い、品質に問題がある場合、そのロット全体を特定して管理することができます。検査結果や品質証明書をロットに関連付けることが可能です。
  3. 在庫管理:ロットごとに在庫を管理することで、特定のロットの在庫量や保管場所を正確に把握できます。これにより、期限管理や在庫の最適化が容易になります。
  4. 生産管理:ロット管理を通じて、原材料の投入から製品の完成までのプロセスを効率的に管理できます。生産計画や原材料の使用履歴もロット単位で追跡可能です。

ロット管理は、特に医薬品、食品、化学製品などの業界で重要です。これらの業界では、製品の品質保証とトレーサビリティが法規制によって厳しく求められるため、ロット管理を適切に行うことが不可欠です。SAPシステムにおけるロット管理は、企業が品質の維持、リスク管理、法規制遵守を達成するための強力なツールとなります。