三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中！
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士！SAP導入プロジェクトを構想策定～運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中！
【SAP SD】販売伝票の価格決定とカスタマイズについて解説
記事のポイント
- 販売価格の価格決定の流れが理解できるようになります。
- 販売価格の価格決定のカスタマイズ箇所と設定の概要が理解できるようになります。
レイナ受注伝票を登録すると自動的に金額情報が表示されるけど、どうやって設定されているのかしら？
博士それは販売伝票の価格決定関連のカスタマイズで設定されているのじゃ！
博士ここでは販売伝票の価格決定のされ方とカスタマイズを解説するぞい！
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この記事のポイント
販売伝票の価格決定の流れ
販売伝票を登録する際に、条件タイプ毎の金額情報が自動的に設定される仕組みになっています。
金額の情報を取得する方法は以下の流れとなります。
- 販売伝票の入力情報に従い、価格決定表を取得します。
※販売エリア・伝票価格決定表・得意先価格決定表の組み合わせで価格決定表が決まります。 - 価格決定表に紐付く条件タイプを取得します。
※条件タイプは複数取得されるます。条件タイプ毎に以下の処理を繰り返します。 - 条件タイプから検索順序を取得します。
- 検索順序からテーブル番号を取得します。
※テーブル番号は複数取得されます。 - 検索順序が上のテーブル番号のテーブル（A+テーブル番号）から、販売伝票の入力情報を条件に検索し金額を決定します。
※金額は販売価格マスタ（T-CODE：VK11）で設定します。
博士イメージが湧くようSAPの画面を使って順番に見ていくぞい！
具体的なカスタマイズの場所はこの次に説明する「カスタマイズの方法」を参照するのじゃ。
博士金額はテーブル「A+テーブル番号」から条件レコードNoを特定し、テーブル「KONP」から金額を取得することができるのじゃ！
カスタマイズ方法
条件テーブルの作成
条件テーブルを作成し、金額を決定するためのキー項目を設定します。このキー項目が販売条件価格マスタ（T-CODE：VK11）のキー項目になります。
また、条件テーブルを作成すると対応するテーブルが作成されます。この時、テーブル名は「A+テーブル番号」となります。
カスタマイズ箇所
SPRO ＞ 販売管理 ＞ 基本機能 ＞ 価格設定 ＞ 価格設定管理 ＞ 条件テーブルおよび項目カタログ ＞ 変更: 販売管理における価格設定の項目カタログ
(SPRO ＞ Sales and Distribution ＞ Basic Functions ＞ Pricing ＞ Pricing Control ＞ Condition Tables and Field Catalog ＞ Create Condition Tables for Pricing in Sales)
検索順序の定義
検索順序を作成し、どの検索順序で条件テーブルを検索するかを定義します。
カスタマイズ箇所
SPRO ＞ 販売管理 ＞ 基本機能 ＞ 価格設定 ＞ 価格設定管理 ＞ 検索順序 ＞ 設定: 検索順序
(SPRO ＞ Sales and Distribution ＞ Basic Functions ＞ Pricing ＞ Pricing Control ＞ Access Sequences ＞ Set Access Sequences)
博士補足じゃが、ここで設定した検索順序が販売条件価格マスタ（T-CODE：VK11）でのキーの組み合わせとなるのじゃ。
テーブル番号のテキストが表示されるので、迷わないようにテキストを設定するようにするのだぞい！
条件タイプと検索順序を関連付け
条件タイプに対して検索順序を紐付けます。
カスタマイズ箇所
SPRO ＞ 販売管理 ＞ 基本機能 ＞ 価格設定 ＞ 価格設定管理 ＞ 定義: 条件タイプ
(SPRO ＞ Sales and Distribution ＞ Basic Functions ＞ Pricing ＞ Pricing Control ＞ Define Condition Types)
価格決定表の定義
価格決定表を定義します。複数の設定が必要になるので以下を参照ください。
カスタマイズ箇所
SPRO ＞ 販売管理 ＞ 基本機能 ＞ 価格設定 ＞ 価格設定管理 ＞ 定義/割当: 価格決定表
(SPRO ＞ Sales and Distribution ＞ Basic Functions ＞ Pricing ＞ Pricing Control ＞ Define And Assign Pricing Procedures)
伝票価格決定表の定義
伝票価格決定表を定義します。
※次の設定で伝票タイプに対して伝票価格決定表を紐付けます。
伝票タイプに伝票価格決定表を関連付け
販売伝票タイプに対して伝票価格決定表を紐付けます。
得意先価格決定表の定義
得意先価格決定表を定義します。
BPマスタ（得意先）に設定することで、得意先毎に価格決定表を使い分けることが可能となります。
博士得意先価格決定表はT-CODE：BP（BPマスタ）から得意先毎に設定するのじゃ！
価格決定表の定義
価格決定表を定義し、価格決定表に対して販売伝票の金額で表示させたい条件タイプを設定します。
価格決定表を決定させる条件のレコードを設定
販売エリア・伝票価格決定表・得意先価格決定表の組み合わせ毎に価格決定表を設定します。
博士販売伝票の価格決定のされ方とカスタマイズの解説は以上じゃ！
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