【SAP MM】入出庫予定（Reservation）について徹底解説！

SAP MMにおける入出庫予定は、在庫管理と調達計画において非常に重要な機能です。
将来の入出庫を見える化することで、在庫切れリスクの回避、過剰在庫の防止、適切な購買判断が可能になります。
本記事では、入出庫予定の基本から実務プロセス、照会方法まで解説していきます！

入出庫予定伝票（Reservation)とは？

入出庫予定伝票（Reservation）とはSAP上で在庫を予約し、確保する仕組みです。

主に使われる場面としては製造指図の発行時に構成品がシステム上では自動で”指図Reservation“という形で裏で入出庫予定伝票が作成され、出庫予定として在庫が確保されるのが代表的な使われ方です。

このほかに、マニュアル登録で登録する入出庫予定伝票があります。
そちらは指図とは紐づけずに、原価センタに直接紐づける形での出庫を行う場合に事前に在庫を確保しておきたい場合やWBS在庫として在庫を確保したい場合に使用されることが多いです。

入庫予定の登録

仕入先からの納品予定があり、対象の日付にこの数量入庫する予定という形で管理する事ができます。

出庫予定の登録

得意先からの受注から、対象の日付にこの数量出庫する予定という形で管理する事ができます。

以下、出庫予定の登録のイメージでの登録イメージです。

今回は、自動で生成されるパターンと、マニュアルで入出庫予定伝票を登録するパターンを登録し、在庫状況がどのように見えるのかについて照会していきます。

実機画面での登録イメージ

自動登録される場合（製造指図から作成されるパターン）

製造指図を登録をすると、完成品に紐づく構成品が必要となる日付として出庫予定として登録されます。
実際にはこの後、MRP計算を行い指図に基づいて構成品の計画手配が作成されます。
この時、内製品の部材の場合は製造指図への変換、外部調達品の場合は購買依頼へと変換される形で部材が必要な日付（出庫予定日付）に間に合うように逆算されて着手日付や発注日付が提案されます。

①製造指図の登録（T-CODE:CO01）

では、実際に親品目の製造指図登録を通じて指図発行を行います。
今回は親品目”TEST_MRP_01″に半製品”TEST_MRP_HALB_01″が紐づいている前提となります。

②在庫所要量一覧の確認（T-CODE:MD04）

親品目の指図が登録されたのち、MD04にて構成品の所要量一覧を確認してみます。
赤枠の箇所で、完成品に紐づく形での入出庫予定が自動で登録されたことが確認できます。

③入出庫予定伝票照会（T-CODE:MB23）

では、自動で登録された入出庫予定伝票をMB23にて確認していきます。
ここでは、構成品”TEST_MRP_HALB_01″が指図への出庫の移動タイプで出庫予定として登録されたことが確認できます。

手動登録する場合

続いて、手動登録するパターンとなります。

①マニュアル入出庫予定登録（T-CODE:MB21）

第一画面では、伝票日付や何のための入出庫の予定をなのかを移動タイプを指定します。
例えば、指図に紐づける形での出庫予定であれば移動タイプ”261（指図出庫）”にすると次画面にて紐づけを行う指図番号の入力を求められます。
今回は移動タイプ”201（原価センタ出庫）”という形で登録を行います。

原価センタ出庫のため、どこに紐づけるのか原価センタの入力を求められます。

各明細ではより詳細な情報を入力することができます。
今回はこのまま保存・伝票登録します。

②在庫所要量一覧の確認（T-CODE:MD04）

指図の時と同様に在庫所要量一覧にてどのように表記されたのかを確認します。
MD04の画面で、赤枠の箇所で伝票”89270″として登録されています。

③入出庫伝票登録（T-CODE:MIGO）

登録された出庫予定について実際に在庫を消費したため出庫予定を消し込むような形で入出庫伝票を登録します。

④在庫所要量一覧（T-CODE:MD04）

出庫伝票を登録し、在庫を消費したために作成した出庫予定が消えている状態を確認できます。

補足：入庫予定と出庫予定どちらも登録があった場合

補足として、入庫予定と出庫予定がどちらも登録されていた場合にMRP計算を行った場合の在庫所要量一覧の画面を紹介します。

事前に出庫予定として△30個、入庫予定+2個として登録した状態でMRPを実行した際の結果を表しています。結果、28個の計画手配が作成されています。

入出庫予定のテーブル

入出庫予定データが登録されているテーブルは以下を参考にしてみて下さいね！

さいごに

本記事では指図登録からの入出庫予定と、マニュアル登録での入出庫予定伝票登録の画面を実機画面とともに使用してきました。本記事を通じて入出庫予定伝票の基本的な仕組みについての理解の一助となれば幸いです。