この記事を読むメリット
- SAP FIモジュールの会計伝票の残高照会機能のトランザクション(FAGLB03/FD10N/FK10N)の使い方を把握できます
企業の会計業務において、日々登録される仕訳データを正確かつ迅速に確認することは、月次決算のスピードや業務品質を左右する重要なポイントです。
SAPには、総勘定元帳(GL)・補助元帳(得意先 / 仕入先)それぞれの伝票や残高を照会するための豊富な標準トランザクションコードが用意されており、担当者は目的に応じて最適な画面を使い分ける必要があります。
財務会計モジュールにおいて最も利用頻度の高い 会計伝票照会(FB03)、明細照会(FBL3N / FBL1N / FBL5N)、および 残高照会(FAGLB03/FD10N/FK10N) などの主要機能があります。
会計伝票照会(FB03)と明細照会(FBL3N / FBL1N / FBL5N)の記事を併せてご確認いただければと思います。
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本記事では、残高照会(FAGLB03/FD10N/FK10N)を中心に、それぞれの特徴・使用シーン・実務でのポイントを解説します。
さっそく、SAPの会計伝票の残高照会機能について紹介していくぞい!
この記事のポイント
3つのトランザクションでできること
FAGLB03/FD10N/FK10Nで共通してできることは以下になります。
共通してできること
- 残高の確認
- 明細へのドリルダウン
- 残高確認画面から、明細へのドリルダウンができること。
それぞれの特徴と使い分け
基本機能は同じでも、各トランザクションにはそれぞれ特徴があります。
| T-CODE | 用途 | 主な使用シーン |
|---|
FAGLB03 (新GL残高照会) | 元帳(Ledger)・勘定科目・会社コード・期間ごとの残高を照会 | ・単一伝票の総勘定元帳科目ごとの期間別残高を確認 ・期首 / 期末残高を確認 ・対応する明細へのジャンプ |
FD10N (得意先残高照会) | 得意先(Customer)の 期間別残高 を照会 | ・得意先ごとの期首・期末残高を確認 ・期間別の売掛金推移を確認 |
FK10N (仕入先残高照会) | 仕入先(Vendor)の 期間別残高 を照会 | ・仕入先ごとの期首・期末残高を確認 ・買掛金の期間別推移を確認 |
会計伝票残高照会機能(FAGLB03/FD10N/FK10N)
FAGLB03 (新GL残高照会)
では、まずFAGLB03の具体的な操作を見ていきましょう!
FAGLB03の初期画面
まずは残高を参照する元帳を選択して、検索条件を入力します。
- 会社コード:処理対象とする会社コードを指定します。
※範囲指定も可能です。
- 会計年度:処理対象を特定するために、どの会計年度の勘定残高を確認するか、指定する必要があります。
- 勘定コード:処理対象の勘定コードを指定します。
※範囲指定が可能です。
- 元帳:デフォルトでリーディング元帳が入力されています。
※元帳選択により、元帳の変更ができます。
実行すると、下記画面になります。
この結果画面の見方について、説明いたします。
- 会計期間:
会社の会計期間すべて表示されます。例:普通期間12+特別会計期間4の場合、会計期間16が表示されます。
- 借方・貸方:
借方・貸方の期間ごとの取引残高が表示されます。
- 残高:
借方・貸方の金額の合計となります。
- 累積残高:
会計期間の累積残高が表示されます。
FD10N(得意先残高照会)
得意先残高照会の選択画面にて必要情報を入力します。
※すべて必須項目となります。
FD10Nの初期画面
- 会社コード:処理対象とする会社コードを指定します。
- 会計年度:処理対象を特定するために、どの会計年度の残高を確認するか、指定する必要があります。
- 得意先:すくなくとも1つの得意先コードを指定する必要があります。
(指定値のみ、範囲を選択、指定値のみ除外、範囲を除外ができます。)
実行しましたら、下記の通りに残高が表示されます。
GL残高照会の結果画面と少し異なるところがありますね。
- 会計期間:
会社の会計期間すべて表示されます。例:普通期間12+特別会計期間4の場合、会計期間16が表示されます。
- 借方・貸方:
借方・貸方の期間ごとの取引残高が表示されます。
- 残高:
借方・貸方の金額の合計となります。
- 累積残高:
会計期間の累積残高が表示されます。
- 売上/仕入:
その中の売上/仕入の残高が表示されます。
※得意先に対する取引は必ずしもすべて売上ではないです。
残高タブ以外、特殊仕訳のタブもあります。
特殊仕訳は前受金など、売掛金以外の取引になります。
FK10N(仕入先残高照会)
仕入先残高照会と得意先残高照会の第一画面および結果画面は同じですので、詳細説明を割愛します。
FK10Nの第一画面
↓
まとめ
ここまで、FAGLB03(GL勘定残高照会)/FD10N(得意先残高照会)/FK10N(仕入先残高照会)について説明してきました。
覚えておきたいポイント
SAPにおける会計残高照会では、
「どの残高を確認したいか」 によって最適なトランザクションコードが明確に分かれます。
FAGLB03 は新GL対応の 総勘定元帳(GL)の残高照会として、
財務諸表の整合性確認や元帳別の突合が必要となる 決算・監査業務の中心となる機能です。
一方、FD10N は得意先別の 売掛金残高 を、FK10N は仕入先別の 買掛金残高 を、それぞれ期間推移で把握でき、AR/AP 担当者の日々の照査から月次決算、外部監査の確認まで幅広く活用されます。
これら3つの機能を適切に使い分けることで、総勘定元帳・補助元帳の整合性を高い精度で維持し、会計情報の透明性・信頼性を強化することが可能になります。
実務においては、残高照会と得意先/仕入先明細照会(FAGLL03 / FBL5N / FBL1N)をうまく連携して活用し、異常値・未消込・残高差異を早期に把握することが、迅速な決算と監査対応の効率化に直結します。