三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!
博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!
登場人物紹介
三崎レイナ
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この記事では、SAPでの受注伝票作成時に使用される品目提案マスタ(Material Determination)の概要やマスタの登録方法を解説していきます。さらに、カスタマイズやテーブル構成についても紹介していきますので、品目提案のより広範な知識を得ることができます。
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品目提案マスタは、英語で“Material Determination”と呼ばれており、品目変換や品目切替などの用途で使用されるマスタです。これは、入力した品目コードに対して、代替品目(Substitute material)を提案してくれる機能です。
例えば、新商品への切り替えや包材(パッケージ)を変えた際に、品目コードをAからBに切り替えるというような場合に用いられます。あるいは、得意先で管理している品目コードを自社で管理している品目コードに変換する用途でも利用可能です。
実際のSAP画面を見てイメージしてみるぞい!
品目MZ-FG-RXXXを品目MZ-FG-R300に変換する品目提案マスタを登録している場合、下記受注伝票の作成画面(Tr-Cd:VA01)のように、品目:MZ-FG-RXXXを指定しEnterを押下すると、警告が下部に出てきて品目がMZ-FG-R300に変換されます。
品目提案マスタは条件テーブルで管理されているため、任意のKey Combinationで管理でき、販売伝票タイプや流通チャネル、出荷先といった特定の条件における品目変換や切替を実装できます。
更に、上記の例では1対1の品目変換でしたが、1対Nの品目変換も可能で、ポップアップの選択画面からどの品目に変換するかをマニュアルまたは自動で選択することも可能です。
例えば、複数ある品目候補から在庫があるものを優先して出荷するというような使い方ができます。このような機能を実装できるのが品目提案マスタです。
マスタレコードは有効開始日と有効終了日の項目をもっており、日付ベースで品目変換や切替を制御しています。その為、新商品の切り替えなどで用いる場合、タイミングは日付ベースで切り替わる一斉切替が標準的な使い方ですが、Add-onとして機能拡張することで、在庫がなくなり次第切り替わる自然切替も実装することも可能です。
品目提案マスタと類似したマスタとして、品目制限/除外マスタが存在します。
これは、得意先に販売できる品目を管理できます。品目制限では、得意先が購入できる品目が一覧にされます。一方、品目除外では、得意先が購入できない品目が一覧にされます。
例えば、得意先に対し、品目制限が登録されます。この得意先は、一覧に含まれる品目のみを購入できます。品目制限に含まれていない品目は、入力できません。この機能を使えば、食品メーカーがローソンに対して、セブンイレブン向けのパッケージの商品を出荷できないように制御することができます。
T-CODE | 内容 |
---|---|
VB11 | 品目提案マスタを登録することができます |
VB12 | 品目提案マスタを変更することができます |
VB13 | 品目提案マスタを参照することができます |
VB14 | 品目提案マスタを参照しながら登録することができます |
品目提案マスタの登録は、T-CODE:VB11を使用します。
下記のように、登録する品目変換タイプとキーの組み合わせ(Key Combination)を選択し、Enterを押します。
次の簡易入力画面では、キー情報と有効期間、変換品目などの項目を設定します。
必須項目ではありませんが、必要に応じて品目変換理由も設定します。この項目の利用用途については、カスタマイズ方法で解説します。
代替品目を複数設定したい場合は、入力品目のレコードをダブルクリックして、詳細画面で代替品目を複数登録することができます。
品目提案マスタのカスタマイズは、SPROのIMG照会で下記パスで確認できます。
販売管理 > 基本機能 > 品目変換
カスタマイズは下記のステップで定義していきます。
基本的には、販売価格のカスタマイズと同じですね!
その通りじゃ!
ここでは固有の概念である⑥代替理由について解説するぞい!
ステップ⑥では、品目変換に対する代替理由を定義します。
ここで定義された各代替理由ごとに管理パラメータとシステム応答を追加的に設定することができます。
例えば、下記画像のように代替理由:ZJP1を作成すると、マスタ登録時にZJP1の代替理由を登録することができます。このZJP1は項目“方針”で、代替品目の候補をポップアップの選択画面でマニュアル選択するシステム応答を定義しています。
その為、受注伝票の登録画面では、選択画面で在庫の引き当て状況を確認しながら、代替品目を選択することが可能となっています。
それぞれの管理パラメータとシステム応答については、次の通りです。
発注確認書などの関連出力タイプに代替品目を登録するかどうか指定することができます。
すると、品目変換の実行後に何が元品目だったのかを確認することができます。
品目を置き換える前に警告メッセージを表示するかどうかを管理することができます。
冒頭の品目提案マスタの概要説明時に、取り上げたSales Orderの登録画面では、この警告設定にチェックが入っている場合のケースです。
品目を他の物に自動的に置換えするかどうか指定することができます。
または、選択可能な複数の代替品を表示するかどうか指定することができます。
すぐ上の受注伝票の登録画面のようにポップアップが表示されるようになります。
この管理パラメータは、返還前後の品目を主明細と副明細で管理する方法を制御しています。
具体的には、変換前の品目は主明細として保存し、変換後の品目は在庫の引き当て完了と同時に変換後の品目の副明細が作成されるという制御方法を採用します。
これにより営業活動結果で、伝票明細が置換えられたかどうか、または代替品の全受注数量分が副明細として登録されたかどうかを受注伝票上で明示的に確認することができます。
上述の通り、品目提案マスタは、出力マスタや価格マスタと同様に条件テーブルによって制御されています。
品目提案マスタの条件テーブルは、キー項目を格納するテーブルとしてKOTD始まりのテーブルが使用されており、データ部分を格納するテーブルとしてテーブル:KONDD(品目変換 – データ部門)が使用されています。
そして、KOTDテーブルとKONDDテーブルは項目:KNUMH(条件レコードNo.)という内部キーで結合されています。
KOTDテーブルについては、カスタマイズで作成・変更することが可能で、各会社の要件に応じて自由にKey項目を設定することができます。これによって、任意のKey Combinationで品目提案マスタを制御できます。
テーブルID | テーブル内容 |
---|---|
KOTDテーブル | Key Combinationに紐付くテーブル番号の頭に”KOTD”を付けたテーブルです。 Key CombinationのKEY情報に加えて、条件レコードNo.が確認できます。 このテーブルに変換元の品目コードが登録されます。 |
KONDD | Key CombinationのKEY情報以外の設定値が格納されています。 代替品目コードや提案品目コードが格納されます。 KOTDテーブルの条件レコードNo.から検索可能です。 |
本記事は、品目提案マスタの用途や機能紹介に加え、カスタマイズやテーブル構造のテクニカルな内容まで解説してきました。本記事を通じて、品目提案マスタの全体像をつかむ一助になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はこれで以上じゃ!
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事業会社の社内SE(SAP販売・貿易管理領域を担当)
大学卒業後、化学メーカーに社内SEとして勤務し、S/4海外展開プロジェクトに参画しています。主に、SDモジュールのデータ移行を2年間経験し、その後はST/IFテストの推進業務を担当しております。その間にも、SDやGTSの保守・運用に携わりながら、SAPに関する知見を深めている最中です。
業務の中で得られた知見をアウトプットしながら、SAPを利用する方々のお役に立てれば嬉しいです!