「SAP Basisエンジニアってどういった仕事をするのかな?」
「Basisエンジニアにはどんなスキルが求められるのかな?」
という疑問を持っている方も多くいるかと思います。
BasisエンジニアはSAPシステムにとって非常に重要なモジュールですが、意外と詳しく知られていません。
そこで、この記事では、Basisエンジニアについて以下の内容を解説します。
- Basisエンジニアの魅力
- Basisエンジニアに求められるスキル
- Basisエンジニアの将来性とキャリアパス
- Basisエンジニアの求人例
Basisエンジニアについて知りたいあなたにとって、参考になる内容となっています。
ぜひ最後までご覧ください。
SAP Basisエンジニアとは?
SAP Basisエンジニアは、SAP BasisというSAPシステム内のモジュールを扱うエンジニアを指しています。
具体的には以下のような作業を担っています。
- システムアーキテクチャ設計
- セキュリティ管理
- パフォーマンス管理
- バックアップ管理
Basisエンジニアに関連した情報として、ひとつずつ見ていきましょう。
SAP Basisとは
SAP Basisとは、SAPシステムの基盤となるモジュールです。
オペレーティングシステム、データベース、ネットワークなどのインフラ部分とSAPアプリケーションの間をつなぐ重要な技術基盤です。
つまり、SAPがどのようなシステム構成(OS/DB)でも同じ動作となるように、クッション的な役割を果たします。
非常に技術に寄ったモジュールと言えるでしょう。
Basisエンジニアとコンサルタントとの違い
BasisエンジニアはSAPシステム導入の実際の設計や構築を担当します。
具体的には以下のような作業を実施します。
- SAPシステムのインストール/設定
- システム監視
- バックアップ
一方でBasisコンサルタントは、顧客の業務要件を理解し、最適なシステムアーキテクチャの設計や導入戦略の立案、プロジェクト全体の推進を担当します。
BasisエンジニアとBasisコンサルタントでは担当する役割や、求められるスキルに差があると言えるでしょう。
SAP Basisエンジニアの役割・業務内容
SAP Basisエンジニアは、企業のSAPシステムが安定して稼働するようにシステム基盤を管理・運用する役割を担います。
具体的な業務内容としては、以下の作業を実施します。
- SAPシステムのインストールやアップグレード
- 日々のシステム監視
- パフォーマンス改善
- バックアップ管理など
詳しくは以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひそちらをご覧ください。
Basisエンジニアの魅力
Basisエンジニアは知識やスキル、経験が求められる難しい仕事です。
しかし、それ以上に魅力が数多くあり、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
具体的な魅力は以下の4つが挙げられます。
- 自分の手でシステムを安定稼働させられる
- フリーランスとして独立できる
- SAP導入企業に大企業が多い
- SAPだけでなくインフラスキルも身につく
一つずつ解説していきます。
自分の手でシステムを安定稼働させられる
Basisエンジニアは、企業の基幹システムを直接的に管理・運用する立場であり、システムの安定性と性能に大きな責任を持ちます。
日々のシステム監視や性能分析を通じて、潜在的な問題を早期に発見し、事前対策を講じることが可能です。
また、実際に障害が発生した際には、自らの判断と技術力で問題を解決し、システムを復旧させる役割を担います。
直接的な問題解決から得られる達成感は、技術者としての大きなやりがいとなるでしょう。
フリーランスとして独立できる
Basisエンジニアとしての経験とスキルを積むことで、フリーランスとしての独立が可能になります。
特に5年以上の実務経験を持つエンジニアは、専門性を活かして高単価案件を受注できる機会が多くあります。
専門性の高い業務や新技術を取り扱うような案件の需要が特に高く、月額100万円以上の案件も珍しくありません。
また、リモートワークでの業務も増えており、働き方の自由度も高くなっています。
ただし、フリーランスとして成功するためには、技術力だけでなく、営業力やプロジェクトマネジメント能力も必要となります。
SAP導入企業に大企業が多い
SAPシステムは導入・運用に大きなコストがかかるため、主に大手企業で採用されています。
そのため、Basisエンジニアは、安定した基盤を持つ大企業でのキャリアを築きやすい環境にあります。
大規模なプロジェクトに携わる機会も多く、高度な技術力と経験を積めるでしょう。
大企業での就業は福利厚生も充実しており、ワークライフバランスを保ちながら、専門性を高められます。
SAPだけでなくインフラスキルも身につく
Basis業務は、SAPシステムの技術基盤全般を扱うため、幅広いインフラ技術のスキルや知識が求められます。
具体的には以下のスキルです。
- OSの運用管理
- Oracle等のデータベース管理
- ネットワーク設計
- セキュリティ対策
近年では、クラウド環境(AWS、Azure等)でのSAP運用も増加しており、クラウド技術の習得機会も豊富にあります。
これらのスキルは、SAP以外のシステム運用でも活用できる汎用的なものであり、エンジニアとしてのキャリアの幅を大きく広げられるでしょう。
SAP Basisエンジニアに求められるスキル・資格
SAP Basisエンジニアは多岐にわたるスキルや資格が求められます。
特にBasisエンジニアが求められるスキル/資格を5つピックアップしました。
一つずつ解説していきますので、目指す方はぜひ押さえておくことをオススメします。
- Basisに関する知識と経験
- ネットワークやデータベースなどのインフラスキル
- 最新のIT技術動向
- 語学力(英語)
- SAP認定コンサルタント
Basisに関する知識と経験
当たり前ですが、Basisに関する知識はSAP Basisエンジニアの核となる知識領域です。
SAP Basisは、SAPシステムの技術基盤となるプラットフォームであり、構築・運用の経験が必須となります。
具体的には以下のような知識や経験が求められます。
- システムアーキテクチャの理解力
- トランスポート管理(開発環境から本番環境までの変更管理プロセス)
- プリント管理(出力デバイスの設定やスプール管理)
- ジョブスケジューリング(バッチ処理の効率的な実行計画の立案)
近年では、クラウド環境で構築したSAPの運用経験やスキルも重要になっており、知識と経験を積んでいく必要があるでしょう。
ネットワークやデータベースなどのインフラスキル
SAP Basisエンジニアには、基盤となるインフラ技術の深い理解が不可欠です。
データベース管理では、OracleやSQL Serverなどの主要DBMSの運用・保守スキルが求められ、特にパフォーマンスチューニングや障害対応の経験が重要です。
SAPは大量データを取り扱うため、適切な設定がされないとパフォーマンスが悪くSAPシステムが使えないという事態を引き起こしかねません。
ネットワーク設計・構築では、SAPシステムの可用性と性能を確保するための適切なネットワーク構成を実現する必要があります。
SAPを利用するクライアントとサーバーの間の通信が遅い場合、システム利用性が落ちてしまうため、このあたりも知見が求められるでしょう。
最新のIT技術動向
近年のIT環境の急速な変化に対応するため、最新技術への理解と適用能力が重要です。
近年重要になってきているのは、クラウドに関連する技術です。
特にAWS、Azure、GCPなどの主要クラウドプラットフォームでのSAP運用スキルが求められるでしょう。
また、AIや機械学習、IoT、ビッグデータ分析などのITトレンド技術を理解し、どのようにSAPシステムへ影響があるのか理解しておくことが求められます。
語学力(英語)
SAP Basisエンジニアは、英語力を持っていると非常に有利になります。
SAPに限らず、IT系の公式情報や技術情報の多くは英語で提供されています。
それらの情報を読むためには、英語の読解スキルが有効です。
また、SAPシステムの不具合パッチ(SP、Note)も英語で提供されていることがほとんどです。
英語スキルがあることで、Basisエンジニア業務にとって恩恵が大きいため伸ばしていくとよいでしょう。
SAP認定コンサルタント
SAP認定コンサルタント資格は、技術力を客観的に証明する重要な指標と言えるでしょう。
以下の資格があり、それぞれレベル感が違うためスキルに合わせた資格取得をするのが望ましいです。
- SAP Certified Technology Associate
(基礎的な技術知識を証明する入門レベルの認定資格) - SAP Certified Technology Professional
(より高度な技術力を証明する上級資格。要実務経験)
資格取得を通じて体系的な知識を習得できるだけでなく、転職やフリーランス案件の獲得時にも有利になります。
また、資格更新の過程で最新技術のキャッチアップも可能ですので、オススメです。
Basisエンジニアの将来性
SAPシステムの世界的な普及とともに、Basisエンジニアの需要は引き続き高水準であり将来性が見込めます。
クラウドやSAP S/4HANAへの移行が進んでおり、Basisエンジニアには従来の知識に加え、新たなスキルや知識の習得が必要とされています。
自動化やクラウドサービスの台頭により、クラウド環境の最適化やセキュリティ強化、データ分析、新技術への対応など、新たな活躍の場が広がるでしょう。
これらの変化に適応し、継続的に学習することで、Basisエンジニアは今後も重要な役割を果たすことが期待されます。
将来性について、以下記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
Basisエンジニアのキャリアパス
Basisエンジニアのキャリアパスは数多くありますが、以下の流れが王道パターンと言えます。
- 正社員のBasisエンジニアとしてスキルや知識、実績を積む
- Basisコンサルタントへ転身する
- フリーランスのBasisエンジニアとして働く
一つずつ解説していきます。
正社員のBasisエンジニアとしてスキルや知識、実績を積む
Basisを仕事にしていくための基礎となる重要な期間です。
基本的な運用保守業務を通じてSAPシステムの基礎知識と実務経験を積みます。
その後、徐々にトラブルシューティングや小規模な構築案件にも携わります。
この期間で特に重要なのは「システム障害対応の経験」を積むことです。
様々なケースに対応することで、原因分析能力や解決力が養われます。
また、チーム内でのコミュニケーション力や文書作成能力も重要なスキルとして身につけていくとよいでしょう。
Basisコンサルタントへ転身する
Basisエンジニアの経験を積んだ後、より上流工程に関わるBasisコンサルタントへ転身が可能です。
Basisコンサルタントには技術的な知識だけでなく、顧客のビジネス要件を理解し、最適なソリューションを提案する能力が求められます。
プロジェクトの要件定義から設計、実装計画の立案まで、幅広い責任を持ち、クライアントとの調整や、プロジェクト全体のマネジメントスキルも必要となります。
一方で報酬面は正社員のBasisエンジニアと比べて大幅なアップが期待できるでしょう。
フリーランスのBasisエンジニアとして働く
Basisコンサルタントとして実務経験を積んだ後は、フリーランスとして独立できます。
高度な技術力と豊富な経験を活かして、高単価案件を選択して受注することが可能です。
特に以下のような案件で重宝されるでしょう。
- 緊急プロジェクトやトラブルシューティング
- 短期の技術支援
報酬面では月額100万円以上の案件も珍しくありません。
また、複数のプロジェクトを同時に担当したり、リモートワークを活用したりすることで、柔軟な働き方を実現できます。
Basisエンジニアの年収
SAP Basisエンジニアの年収相場は、経験や技術力に応じて決定されます。
働き方別の平均年収は以下となります。
- 派遣社員:613万円
- 正社員:741万円
- フリーランス:1,308万円
また、市況やスキル、経験によって変化するため、日々スキルアップすることが求められます。
Basisエンジニアの年収については、以下の記事で詳しく記載しています。
ぜひご覧ください。
SAP Basisエンジニアの経験を活かせる求人・案件例
SAPエンジニアの働き方として正社員とフリーランスがあり、それぞれで求められることや、年収が違ってきます。
また、役割としてもメンバーとリーダーでも違ってきます。
以下の求人・案件をピックアップして紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 正社員:SAP環境の設計・構築
- 正社員:Basis/インフラチームのリーダー
- フリーランス:SAP Basis構築
Basisエンジニア(正社員):SAP環境の設計・構築
Basisエンジニアの正社員の求人情報です。
SAPシステム導入を中心にBasis担当者として、アプリケーションのチームと共にプロジェクトに参画し、SAP環境を設計・構築するタスクを進めます。
Basisエンジニアとして力をつけるためにスキル、知識、経験を積むという面で、よい求人でしょう。
仕事名 | SAP環境の設計・構築を推進 |
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モジュール | Basis |
必要スキル | ・サーバーまたはネットワーク環境の構築/設計/運用のいずれかの経験 ・SAPの使用経験 |
年収 | 400~600万円 |
稼働場所 | 大阪府大阪市(週4日リモート) |
稼働時間 | フレックスタイム制 |
Basisエンジニア(正社員):Basis/インフラチームのリーダー
こちらもBasisエンジニアの正社員の求人情報です。
Basisエンジニアのメンバーではなく、メンバーを束ねるリーダーポジションです。
エンジニアとして自立してタスクを推進できるようになった後のステップアップとして、メンバーをまとめて推進することが求められるでしょう。
スキルがついた後のキャリアとしてオススメです。
仕事名 | Basis/インフラチームのリーディング |
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モジュール | Basis |
必要スキル | 5名以上のBasis/インフラチームのリーダー経験 |
年収 | 800~1,200万円 |
稼働場所 | 東京都千代田区(リモートワーク化) |
稼働時間 | フレックスタイム制 |
SAPキャリアでは、SAP専門の転職エージェント「SAPテンショク」を運営しています。
Basisエンジニアの求人も多数ご用意しておりますし、転職相談だけでも問題ありません。
SAPスキルを活用した転職を検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。
Basisエンジニア(フリーランス):SAP Basis構築
Basisエンジニアとして、SAP構築に携わるフリーランス案件です。
フリーランスとしてのプロジェクト参加のため即戦力として期待されますが、実施するタスクとしては正社員時と代わりありません。
同レベルのタスクを行いながら報酬としては大きく上がるため、フリーランスのメリットが大きく出るでしょう。
案件名 | SAP Basis構築案件 |
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必要スキル | SAP Basisの構築 |
月額単価 | 90~140万円 |
稼働場所 | 東京都千代田区 |
稼働時間 | 140-180時間/月 |
稼働日数 | 週5日 |
役割 | メンバー/PL |
SAPフリーランス向けに、案件探しをお手伝いする「SAPフリーランスバンク」も運営しています。
フリーランス案件をお探しの方やキャリアに迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
Basisエンジニアの魅力や求められるスキルについて紹介しました。
BasisエンジニアはSAPシステムにおいてなくてはならない領域です。
そのため、SAPが存在する限りなくなることはありません。
スキルや経験を積んで、将来性の高いBasisエンジニアを目指してみませんか。