「SAP Fieldglassって何?クライアントの外部人材管理が非効率で、プロジェクトがうまく進まない…」
SAPコンサルタントとして、このような課題はありませんか。
- クライアントの外部人材管理が非効率で、プロジェクトが円滑に進まない
- S/4HANA案件で、SAP Fieldglassの知識や連携経験が求められる
- Fieldglassの機能をクライアントに正確に説明できない
DX推進や人材流動化が進む中、これらは多くのSAPプロフェッショナルが直面する課題です。
そこでこの記事では、SAP Fieldglassの核心的な機能から戦略的価値までを網羅的に解説します。
この記事で分かることは以下の通りです。
- VMS(Vendor Management System)としての基本機能と主要モジュール
- S/4HANAやSuccessFactorsとの連携パターン
- 国内大手企業(キヤノンMJ、富士通など)の導入事例
読み終えるころには、クライアントに対してSAP Fieldglassの価値を明確に提案できる知識が身につき、コンサルタントとしての市場価値をさらに高められるでしょう。
それでは、基本から解説していきます。
なお、この記事をすぐ理解できるようにスライドもご用意しました。
合わせてご活用ください。
SAPフリーランスの新着案件
FI
【エネルギー会社向けFI運用保守】東京都/問い合わせ・障害対応、法改正対応
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社様の基幹システムであるSAP S/4HANAの安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
主にSAP FIモジュール(GL/AP/AR/CM)を中心とした機能保守を担当していただきます。
法改正対応、仕様変更対応、ユーザーからの問い合わせ対応など、幅広い保守業務を通じてクライアントのビジネス継続に貢献することがミッションです。
ご自身の専門性とコミュニケーション能力を活かし、クライアントを能動的にサポートしていただきます。
主な業務内容:
- エンドユーザ様からの問い合わせ対応、障害対応
- SAPシステムの仕様変更対応、機能改善対応
- 法改正に伴うシステム対応、設定変更
BASIS
その他
【大手エネルギー会社/BASISとJP1の運用】東京都/運用保守・BASIS業務
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社における基幹システム、SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境の安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
このプロジェクトでは、主にバッチ処理管理ツールであるJP1の運用保守業務を担当していただきます。
SAP S/4HANAのBASIS領域に関しても、保守業務の担当者として、システム基盤の健全性を維持する役割を担っていただきます。
JP1のスキルを最優先としつつ、BASISの知識も活かしながら、システムの運用をサポートしていただきます。
主な業務内容:
- JP1ジョブの運用、監視、および障害発生時の一次対応
- スケジュール変更に伴うJP1ジョブの新規作成および修正対応
- SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境におけるBASIS保守業務
CO
【医薬業界/次期基幹システム構築(CO)】高田馬場+九段下・リモート併用/管理会計コンサルタント
- ~1,300,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 医薬業界における次期基幹システム構築を目的とした、S/4HANA移行プロジェクトです。
現行のSAP ERP 6.0(販売管理、在庫・購買管理、生産管理、会計、原価管理)からS/4HANAへの刷新を実施します。
Greenfield(新規刷新と既存業務フローの見直し)のアプローチを採用し、2028年1月の本番稼働を目指します。
フリーランスのSAPコンサルタントとして、主に管理会計領域における要件定義、設計フェーズを担当していただきます。
主な業務内容:
- 管理会計(CO)領域におけるシステム機能要件の検討および整理
- 顧客との対話を通じたシステム化要件の詳細化とドキュメント作成
- PL/BS/CFの単体・連結レポート要件に基づいたデータ要件の定義
MM
SD
【SAP保守運用支援(SD, MM)】静岡県浜松市/リモート併用/保守運用支援
- ~1,400,000円 / 月
- 静岡県
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAPの保守運用支援プロジェクトにご参画いただきます。
高度なIT戦略立案フェーズではなく、現場の課題解決を着実に実行するメンバーとしての役割が期待されます。
社員の方のリードのもと、主体的に業務を遂行(自走)できる方、または各モジュール領域のコンサルタントとして一人称で運用・維持管理ができる方を募集しています。
ユーザーからの問い合わせ対応、見積作成、テスト推進など、具体的な保守運用支援業務を担当していただきます。
主な業務内容:
- ユーザーからの問い合わせ対応、トラブルシューティング、要望ヒアリング
- 見積作成、WBS策定、スケジュール管理
- 受け入れテストの計画、実施、検証
FI
【基幹システム刷新(S/4HANA FI/BTP)】東京・二子玉川(リモート併用)/移行推進サブリード
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, その他
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手企業様の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新する大規模プロジェクトです。
このプロジェクトにおいて、SAP FIモジュールとBTPアドオンを中心とした移行推進チームのサブリードとしてご活躍いただきます。
自ら主体的に動き、移行方針書や移行計画書のドラフト作成からクライアントとのセッションを主導し、合意形成までの一連のプロセスを担当していただきます。
主な業務内容:
- 移行推進チームのサブリード業務
- 移行方針書、移行計画書など、各種ドキュメントの作成とクライアントへの提案
- クライアントおよび関連チームとの調整、合意形成の推進
- FIモジュールおよびBTPアドオンに関する課題解決のサポート
CO
FI
【販社受発注システム再構築(CO/FI)】神奈川・川崎(リモート併用)/構想策定・効果算定
- ~1,700,000円 / 月
- 神奈川県
- 要件定義
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 販社(販売会社)における受発注システムの再構築構想を策定する、極めて重要な最上流フェーズの案件です。
この構想フェーズでは、最適なSAPソリューション選定に向けたインプット情報を作成することが主要なミッションとなります。
具体的には、概算費用と効果を試算するためのモデル作成、そして会計領域を中心とした施策検討を実施します。
特に顧客別・商品別収益分析(CO)の施策やToBe像を確立するため、CO/FIの知見が不可欠となるポジションを担当していただきます。
主な業務内容:
- 施策別効果分析モデルの作成(業務削減、人件費、運転資本などの定量化)
- 業務/IT統合の観点を取り入れた改革シナリオの立案
- 経営層向けの説明資料(ROI/Payback試算を含む構想報告書)の作成支援
- 現行業務工数ヒアリング、帳票/IF数集計
- 会計領域の施策検討(顧客別、商品別収益分析(CO)のToBe設計およびデータ連携方式検討)
MM
【ECC→S4HANA移行(MM)】東京都/リモート併用/グローバルテンプレート構築・展開
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計, テスト
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECCからS/4HANAへの移行に伴う、グローバルテンプレートの構築・展開プロジェクトです。
パイロット拠点のテストフェーズ完了に伴い、東南アジア、インド、UAEへの次拠点展開と、中国、ヨーロッパ、アフリカ、北米への次々拠点展開を並行して進めていきます。
本案件では、MM領域のコンサルタントとして、テンプレート導入における要件定義や設計、テスト推進などを担当していただきます。
主な業務内容:
- コンフィグ要件定義、および設定担当者への説明・レビュー
- アドオン要件定義(特に帳票関連)、および設計者への説明・レビュー
- 結合テスト、ウォークスルーテストシナリオの検討
- 発生する個別課題の検討および解決推進
- 顧客(情報システム部門)との直接の調整・フェーシング
FI
【ECC→S4HANA移行(FI/会計帳票)】東京都/リモート併用/アドオン帳票リバースエンジニアリング
- ~1,150,000円 / 月
- 東京都
- 設計, 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトです。
設計書が存在しない現行のアドオン帳票(約46本)について、リバースエンジニアリングを実施し、S/4HANAでの実装に向けた基本設計書の新規作成を行います。
本案件では、会計帳票チームのサブリードとして、経理ユーザーとの要件ヒアリング、基本設計、開発チーム(別チーム)への説明、成果物レビュー、チームの進捗・課題管理などを担当していただきます。
主な業務内容:
- 現行アドオン帳票のリバースエンジニアリングによる基本設計書作成
- 顧客(経理ユーザー)への要件ヒアリング、仕様調整
- 開発チームへの設計詳細説明、および開発成果物のレビュー
- 帳票チームのサブリード業務(各帳票の進捗状況把握、課題管理)
- タスク遂行に関するスケジュール調整、要員アサインの調整
- 顧客IT部門担当との進め方や品質管理に関するコミュニケーション
MM
SD
【貴金属リサイクル業 SAP保守(MM/SD/ABAP)】東京都/リモート併用/保守・ユーザー対応
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori), 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 貴金属リサイクル業のクライアントにおけるSAP保守プロジェクトです。
ロジモジュール(MM, SD)の保守をご担当いただきます。
アドオンの作りこみが多い環境であり、ドキュメント類の整備が不十分なためABAPスキルが必須となります。
主に、ユーザーからの問い合わせ対応や調査、プログラム改修などを担当していただきます。
主な業務内容:
- ロジモジュール(MM, SD)の保守業務
- ユーザーからの問い合わせ対応・調査
- アドオンプログラムの改修・開発
MM
SD
【電気通信 子会社統合(SD/MM移行)】東京(リモート併用)/データ移行・開発
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 電気通信事業における子会社統合に伴い、SAPシステム(ロジスティクス領域)の移行プロジェクトが進行中です。
本ポジションでは、資材マスタのデータ移行を軸に、移行リハーサル、本番稼働フォロー、既存プログラムの改修など、移行・開発業務全般をご担当いただきます。
ロジ領域の組織カスタマイズ経験とABAPスキルの両方を活かせる、技術的にチャレンジングな役割です。
主な業務内容:
- 資材マスタデータ移行、およびデータマッピング
- 移行リハーサル、走行試験の実施支援
- 本番稼働のフォローアップ
- 既存プログラムの改修、およびパフォーマンスチューニング
SAP Fieldglassとは?現代の企業に求められる理由

SAP Fieldglassは、簡単に言うと外注先の人材を管理する機能です。
その本質と、今求められる理由を解説します。
概要とVMSとしての位置づけ
SAP Fieldglassは、外部人材の調達から管理、支払いまでを一元的に行うクラウドベースのソリューションです。
これは「VMS(Vendor Management System:ベンダー管理システム)」と呼ばれるカテゴリーの製品です。
外部労働力やサービス提供者を効率的に管理するためのプラットフォームとして機能します。
SAPにおいて、Fieldglassは調達・購買ソリューション群のひとつとして位置づけられているものです。
特に「サービスおよび外部労働力」という、従来の正社員(HCM:Human Capital Management)やモノ(ERP/SRM)とは異なる管理領域を専門に扱います。
VMS市場における主要な製品は以下の通りです。
- SAP Fieldglass
- Beeline
- Coupa(BSMスイートの一部としてVMS機能を提供)
SAP Fieldglassは、これらの中でも特にSAP S/4HANAやSAP Ariba、SAP SuccessFactorsといった他のSAPソリューションとの親和性が高く、統合的な支出管理・人材管理を実現する上で強力な選択肢となります。
Fieldglassが意味するのは社外リソースを「見える化」する
「Fieldglass(フィールドグラス)」という名称は、日本語で「野外用双眼鏡」を意味します。
この名前には、企業の外部に存在し、これまで管理者の目から見えにくかったリソース(=外部人材)を、双眼鏡で覗くかのように明確に「見える化」するという製品コンセプトが込められています。
多くの企業では、外部人材の管理が部門ごとに行われ、全社的な状況把握が困難でした。
このような状態は、以下のような問題を引き起こします。
- コンプライアンスリスク:誰が、どのような契約で、どの資産にアクセスしているか不明確。
- コストの不透明性:類似の業務でも部門によって単価が異なり、コストが最適化されない。
- 非効率な調達:適切なスキルを持つ人材を迅速に見つけられない。
SAP Fieldglassは、これらの情報をひとつのプラットフォームに集約します。
これにより、企業は「誰が、どこで、何をしているか」を正確に把握できるようになります。
まさに「Fieldglass」という名の通り、外部リソースという広大なフィールドを見渡し、統制するための強力な「双眼鏡」として機能するのです。
現代の労働力戦略における外部人材活用の重要性
現代のビジネス環境において、外部人材の活用は一時的なリソース補填を超え、企業の競争力を左右する戦略的な要素となっています。
DXの加速や専門スキルの高度化に伴い、必要なスキルを持つ人材を迅速に確保する手段として、フリーランスや業務委託の活用が不可欠です。
実際に、外部人材の活用は世界的に増加傾向にあります。
日本国内においても、その重要性は高まっています。
内閣官房が公表した調査では、フリーランスとして働く人の数が推計されています。
- 調査名:フリーランス実態調査
- 公表時期:令和4年度
- 概要:フリーランス(本業)の数が214万人、フリーランス(副業)の数が248万人と推計されており、多様な働き方が広がっている状況がうかがえる。
このように労働力の流動化が進む中、企業が外部人材を適切に管理・活用できない場合、コスト増やコンプライアンス違反といった重大なリスクに直面します。
SAP Fieldglassは、この戦略的な課題に対応し、外部人材を企業の競争優位性へと転換させるための基盤を提供するソリューションといえます。
SAP Fieldglassの主要となる5つの機能

SAP Fieldglassは、外部人材のライフサイクル全体をカバーする包括的な機能群を提供します。
ここでは、その中核をなす5つの主要機能について、ひとつずつ具体的に解説します。
Contingent Workforce Management(CWM):派遣・契約社員を徹底管理
CWMは、派遣社員や契約社員といった「時間ベース(タイム&マテリアル)」で稼働する外部人材を管理するためのコアモジュールです。
人材の要求から採用、オンボーディング、時間・経費の追跡、支払い、そしてオフボーディングに至るまで、ライフサイクル全体を包括的にサポートします。
CWMモジュールが解決する主な課題は以下の通りです。
- 部門ごとにバラバラだった採用プロセスと契約レートの標準化
- タイムシートの承認や経費申請プロセスの自動化と効率化
- 契約期間の自動追跡によるコンプライアンス(偽装請負など)リスクの回避
従来、Excelやメールで非効率に行われていたこれらの管理業務をシステム化します。
これにより、人事部門や調達部門、現場のマネージャーは、管理業務の負担から解放され、より戦略的な業務に集中できるようになります。
CWMは、派遣・契約社員の管理における透明性と統制を確保するための基盤機能といえるでしょう。
Services Procurement:業務委託・SOWベースのプロジェクトを最適化
Services Procurementは、コンサルティング、ITアウトソーシング、マーケティングプロジェクトなど、作業範囲記述書(SOW:Statement of Work)に基づいた「成果物ベース」のサービス調達を管理するモジュールです。
単なる労働時間ではなく、プロジェクトのマイルストーン、成果物、予算管理に焦点を当てています。
このモジュールは、特に追跡が困難な「業務委託費」の可視化とガバナンス強化に貢献するのです。
SOWの作成支援から、ベンダー選定のための入札プロセス、プロジェクト進捗と成果物のパフォーマンス追跡、検収、支払いまでを管理します。
Services Procurementの主な機能的特徴は以下の通りです。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| SOW作成支援 | テンプレートやAIを活用し、SOWの作成を効率化・標準化する。 |
| 入札・見積管理 | 複数のベンダーに対してSOWを提示し、見積もりを比較検討できる。 |
| 進捗・成果物管理 | マイルストーンごとの進捗や成果物の納品状況を追跡する。 |
| 予算・実績管理 | プロジェクト予算に対する支出実績をリアルタイムで可視化する。 |
これにより、企業はプロジェクトが計画通りに、予算内で、合意されたスコープに沿って完了することを確実にし、業務委託費という巨大な支出カテゴリーに統制をもたらすことが可能になります。
Worker Profile Management:全外部労働者の統一プロファイルでリスク軽減
Worker Profile Managementは、CWMやServices Procurementといった雇用形態に関わらず、すべての外部労働者一人ひとりについて、単一の標準化されたグローバルな記録を作成・維持するモジュールです。
これは、セキュリティとコンプライアンスにおける極めて重要な基盤となります。
このモジュールは、外部労働者に関する以下のようなデータを一元的に管理します。
- 連絡先情報、職務経歴、認定資格
- セキュリティID、トレーニング記録
- PCや入館証などの貸与資産
- システムへのアクセス権限
この機能が解決する根本的な課題は、「誰が、何にアクセスできるのか」を正確に把握することです。
自動化されたオンボーディング・オフボーディングのトリガーと連携し、不要になったアクセス権限を即座に剥奪するなど、セキュリティリスクを大幅に強化します。
また、過去のパフォーマンスや再雇用適格性も追跡できるため、将来の採用決定の質を高めることにも貢献します。
AIとアナリティクス:データに基づいた戦略的人材活用
SAP Fieldglassは、蓄積された膨大なデータを活用し、よりインテリジェントな意思決定を支援するためのAI(人工知能)と高度なアナリティクス機能を搭載しています。
これにより、外部人材の活用を「管理」から「戦略」へと昇華させることが可能です。
AIの活用例としては、以下のような機能が挙げられます。
- AIによるソーシング強化:候補者のスキルと求人要件をマッチングし、最適な候補者をスコアリングして提示する。
- 生成AIによる文書作成支援:求人情報やSOW(作業範囲記述書)のドラフトを、過去のデータやベストプラクティスに基づき自動生成する。
- Joule AI Copilot:対話形式で必要な情報を検索したり、定型業務(例:承認)をAIアシスタントが支援したりする。(※将来的なロードマップを含む)
また、強力なレポーティング機能により、部門別・プロジェクト別の支出状況、ベンダーのパフォーマンス、市場の平均単価などを可視化できます。
これらのデータに基づき、コスト削減の機会を発見したり、将来の人材戦略を立案したりするなど、データ駆動型の人材活用を実現します。
モバイルアプリ「Manager Hub」「Time Entry」による業務効率化
SAP Fieldglassは、PCだけでなくモバイルデバイスからのアクセスにも対応しており、現場の利便性と業務スピードを大幅に向上させます。
特に「SAP Fieldglass Manager Hub」と「SAP Fieldglass Time Entry」という2つの専用モバイルアプリが提供されています。
これらのアプリは、場所や時間を選ばない柔軟な働き方をサポートしてくれるのです。
それぞれのアプリの主な用途は以下の通りです。
SAP Fieldglass Manager Hub(管理者向け)
- タイムシートや経費の承認
- 求人依頼の作成と候補者の確認
- 契約社員のオンボーディング・オフボーディング管理
SAP Fieldglass Time Entry(労働者向け)
- タイムシートの入力と提出
- 経費の申請と領収書のアップロード
多忙なマネージャーが外出先や移動中に承認作業を迅速に行えたり、現場の労働者がスマートフォンから簡単に時間入力を行えたりすることは、業務プロセス全体の停滞を防ぎ、生産性と正確性の向上に直結します。
このような現場の使いやすさも、SAP Fieldglassの大きな強みのひとつです。
SAP Fieldglass導入で実現する4つの戦略的ビジネス価値

SAP Fieldglassの導入は、単なる業務効率化に留まりません。
コスト、スピード、リスク、戦略という経営の根幹に関わる4つの領域で、具体的なビジネス価値を創出します。
【コスト最適化】人件費と管理費を削減
SAP Fieldglass導入による最大の価値のひとつは、直接的および間接的なコストの最適化です。
外部人材関連の支出は、多くの企業にとって巨大なコストセンターでありながら、管理が行き届きにくい領域でした。
Fieldglassは、このブラックボックス化しがちな支出にメスを入れます。
具体的なコスト削減のメカニズムは以下の通りです。
- 支出の可視化と統制
全社の外部人材コストを一元的に可視化し、不要な支出や契約を特定します。 - 適正価格での調達
リアルタイムの市場データに基づき、適正な人件費率での調達を支援します。
また、交渉済みのレートを持つ推奨ベンダーへ誘導します。 - 請求書精度の向上
承認済みのタイムシートや成果物に基づき請求書が自動生成されるため、過払いや手作業による照合コストを大幅に削減します。 - 管理工数の削減
採用、契約、請求、支払いといった手作業プロセスを自動化し、管理部門の間接費を削減します。
SAPの公式情報によれば、Fieldglassの導入により人件費率で平均2%のコスト削減、請求書エラー率を1%未満に削減する効果が報告されています。
これは、企業経営に直接的な財務インパクトをもたらす大きな価値といえます。
【業務効率とスピードの向上】採用から支払いまでのプロセスを加速
SAP Fieldglassは、外部人材の調達から支払いまでのプロセスを自動化・合理化し、ビジネスのスピードを飛躍的に向上させます。
市場の変化が激しい現代において、必要なスキルを持つ人材を迅速に確保できる能力は、企業の競争力に直結します。
Fieldglassがプロセスのスピードアップに貢献する点は多岐にわたります。
- 採用の迅速化
過去に協業した優秀な人材のタレントプールを活用したり、AIによるマッチングで候補者選考を迅速化したりします。 - ワークフローの自動化
人材要求、承認、オンボーディングといった一連のワークフローを自動化し、手作業による遅延を排除します。 - モバイル対応
マネージャーが場所を選ばずに承認作業を行えるため、プロセス全体の停滞を防ぎます。
例えば、Carnival Cruise Line社の導入事例では、アドホックレポートの作成時間が従来の1〜2時間から5分未満に短縮されたと報告されています。
このような劇的な効率化は、管理部門だけでなく、現場のマネージャーや外部労働者自身の生産性をも高めます。
結果として、企業は市場のニーズやプロジェクトの要求に、より迅速に対応できるようになるのです。
包括的なリスク軽減とグローバルコンプライアンス
外部人材の活用拡大に伴い、企業が直面するリスクは複雑化しています。
SAP Fieldglassは、これらのリスクを包括的に管理し、グローバルレベルでのコンプライアンス遵守を強力に支援します。
特に重要なリスク領域は以下の通りです。
- セキュリティリスク:外部労働者による情報漏洩や不正アクセス。
- 法務リスク:偽装請負(Co-employment)や、下請法・労働者派遣法といった各国固有の法規制への違反。
- 財務リスク:管理外の支出(Maverick Spend)や不正確な請求。
Fieldglassは、Worker Profile Management機能により、外部労働者のアクセス権限を厳格に管理し、オフボーディングと同時にアクセス権を自動剥奪することで、セキュリティを強化します。
また、労働者の在籍期間を自動追跡して偽装請負リスクをアラートしたり、各国の法規制に対応した契約テンプレートを提供したりすることで、法務リスクを低減します。
このように「見えないリスク」を可視化・自動化によって統制下に置くことは、企業の信頼性と事業継続性を守る上で不可欠な価値といえます。
戦略的アジリティとデータ駆動型意思決定
SAP Fieldglassがもたらす最終的な価値は、企業が市場の変化に迅速に対応できる「戦略的アジリティ」の獲得です。
これは、外部人材を単なるコスト要因としてではなく、企業の戦略的資産として活用することで実現します。
Fieldglassのアナリティクス機能は、経営層や各部門のリーダーに対し、外部人材活用に関する重要なインサイトを提供します。
- どの部門でどのようなスキルが不足しているか?
- プロジェクトのROI(投資対効果)はどうか?
- パフォーマンスの高いベンダーや人材は誰か?
- 市場の単価トレンドと比べて自社のコストは適正か?
これらのデータに基づき、企業は「オンデマンドでの人員確保」を迅速に行い、プロジェクトのニーズや市場の変化に柔軟に対応できます。
さらに、後述するSAP SuccessFactorsとの連携により、正社員と外部人材を合わせた「全労働力(Total Workforce)」を俯瞰的に把握し、最適な人材ポートフォリオを設計することが可能になります。
これは、まさにデータ駆動型の戦略的な要員計画といえるでしょう。
SAP Fieldglassと他システムとの連携

SAP Fieldglassの価値は、SAPの「インテリジェントエンタープライズ」戦略の中核として、他のSAPソリューションとシームレスに連携することで最大化されます。
SAP S/4HANA(財務コア)との連携
SAP FieldglassとSAP S/4HANA(特にFI/COモジュール)との連携は、外部人材に関する調達から支払いまでのプロセス(P2P:Procure-to-Pay)を財務会計と完全に統合するために不可欠です。
この連携により、手作業によるデータ入力やシステム間の不整合を排除し、リアルタイムでの財務的な可視性を実現します。
具体的なデータ連携のフローは以下のようになります。
| データ種別 | S/4HANA → Fieldglass | Fieldglass → S/4HANA |
|---|---|---|
| マスターデータ | コストセンター、勘定コード、サプライヤーマスターなど | – |
| 取引データ | – | 購買依頼、サービスエントリーシート、仮請求書など |
Fieldglassで承認されたタイムシートや成果物に基づき、請求書データがS/4HANAに自動連携され、財務処理と支払いが行われます。
これにより、外部人材への支出が企業の中心的な財務システム内で正確に追跡・管理され、財務ガバナンスが大幅に向上するのです。
SAPコンサルタントとして、このP2Pプロセスの設計はプロジェクトの重要なポイントとなります。
SAP Ariba(ソーシングから支払い)との連携
SAP FieldglassとSAP Aribaの連携は、企業の「支出管理全体(Total Spend Management)」を実現するための鍵となります。
この2つのソリューションは、しばしば混同されますが、その役割は明確に異なります。
- SAP Ariba:主に「間接材・直接材」の調達、サプライヤー管理、契約管理、請求書処理(Ariba Network)など、モノの調達と支出管理全体に強みを持つ。
- SAP Fieldglass:「サービス・外部労働力」の調達と管理に特化している。
連携シナリオとして、Aribaが持つ広範なサプライヤーネットワークや契約管理機能と、Fieldglassの持つ労働力管理の専門性を組み合わせるケースが考えられます。
例えば、Fieldglassでサービスや派遣労働者の要求と管理を行い、Aribaが財務承認とAriba Networkを通じた発注・請求書処理を担うといった形です。
この連携により、企業は給与以外のほぼすべての支出カテゴリーに対し、単一の可視性と管理ポイントを持つことが可能になります。
SAP SuccessFactors(全労働力管理)との連携
SAP FieldglassとSAP SuccessFactors(特にEmployee Central)との連携は、「全労働力管理(Total Workforce Management)」戦略の基盤となります。
これは、人事部門と調達部門の間のサイロを打破し、経営層が正社員と外部人材の両方を含む全タレントプールを俯瞰的に把握するために不可欠です。
この連携により、以下のような価値が生まれます。
- 組織データの統一:SuccessFactorsの組織マスターデータをFieldglassと同期させ、一貫性のある組織管理を実現する。
- 全労働力の可視化:Fieldglassで管理される外部労働者のデータをSuccessFactors Employee Centralに複製し、組織図やレポート上で正社員と並べて表示する。
- 戦略的な要員計画:正社員と外部人材のコスト、スキル、パフォーマンスを横並びで比較・分析し、最適な人材配置や採用戦略(正社員として採用すべきか、外部人材を活用すべきか)を策定できる。
Philips社の導入事例は、この戦略を実践した好例として知られています。
この連携は、単なるシステム連携を超え、企業の人材戦略そのものを変革するポテンシャルを秘めています。
その他のSAPソリューション(Concurなど)やオープンAPI連携
SAP Fieldglassの連携エコシステムは、S/4HANAやAriba、SuccessFactorsだけに留まりません。
例えば、出張・経費管理ソリューションであるSAP Concurとも連携が可能です。
Fieldglassで採用された外部労働者のプロファイルをConcurに転送し、彼らの出張や経費をConcurで一元管理します。
承認された経費データは、プロジェクトの原価計算や請求書作成のためにFieldglassに同期されます。
これにより、正社員と契約社員の経費管理プロセスを統一し、コンプライアンスを強化できます。
さらに、SAP FieldglassはSAP Business Technology Platform(BTP)を介した連携や、オープンAPIフレームワークを提供しています。
これにより、SAP以外のサードパーティ製システム(例:人事システム、プロジェクト管理ツール、ID管理システムなど)とも柔軟に接続することが可能です。
このオープンな拡張性は、多様なIT環境を持つ企業にとっても、Fieldglassを導入する上での大きなメリットといえるでしょう。
SAP Fieldglassの導入プロセスと成功へのロードマップ

SAP Fieldglassの導入成功は、技術的な設定以上に、業務プロセスの再設計と適切な導入アプローチの選択にかかっています。
成功への主要なステップと考慮点を解説します。
導入アプローチ:グリーンフィールド or ブラウンフィールドを選択する
SAP Fieldglassの導入プロジェクトを開始する際、まず「グリーンフィールド」か「ブラウンフィールド」か、というアプローチを選択する必要があります。
これはプロジェクトの複雑性、期間、コストに大きく影響する重要な決定です。
| アプローチ | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| グリーンフィールド | 新規にシステムを導入し、既存の契約データは移行しない。新しい依頼からシステム入力を開始する。 | 導入がシンプルかつ迅速。データ移行の負荷がない。 | 稼働直後に全データを把握できず、旧システムとの並行稼働期間が発生する可能性がある。 |
| ブラウンフィールド | 既存の労働者やSOW(作業範囲記述書)のデータを旧システムから移行する。 | 稼働開始時点から全データを一元管理できる。 | データの収集、クレンジング、変換が必要となり、プロジェクトが複雑化・長期化する。 |
どちらのアプローチが最適かは、クライアントの現状(既存データの量や質、システムの緊急度)によって異なります。
SAPコンサルタントとしては、両アプローチのメリット・デメリットを正確に提示し、クライアントが現実的な導入計画を立てられるよう支援することが求められます。
標準的な導入フェーズとタイムライン
SAP Fieldglassの標準的な導入期間は、プロジェクトのスコープや複雑性にもよりますが、一般的に16週間から24週間程度とされています。
導入プロジェクトは、通常、以下のようなフェーズで進行します。
- 現状(As-Is)の業務プロセスと課題を把握します。
- 導入後の理想像(To-Be)とプロジェクトの目標を定義します。
- プロジェクト体制、スケジュール、ロードマップを策定します。
- Fit-to-Standard分析を行い、Fieldglassの標準機能でどこまで業務をカバーできるかを検証します。
- 将来の業務プロセスを詳細に設計し、必要な設定や追加開発(拡張)要件を定義します。
- 設計に基づき、システムの設定と必要な拡張機能の開発を行います。
- 単体テスト、結合テスト(SIT)、ユーザー受け入れテスト(UAT)を実施し、品質を担保します。
- 本番環境への移行、データ移行(ブラウンフィールドの場合)、ユーザートレーニングを実施します。
- 稼働開始(Go-Live)後、一定期間(ハイパーケア期間)は手厚いサポートを提供し、運用を安定化させます。
このプロセス全体を通じ、特に重要なのが業務プロセスの標準化と、関係者へのチェンジマネジメントです。
導入パートナー選定の重要性
SAP Fieldglassの導入を成功させる上で、技術力と業務知見を兼ね備えた導入パートナーの選定は、プロジェクトの成否を分ける最も重要な要因のひとつです。
Fieldglassの導入は、単なるシステム設定に留まらず、調達、人事、法務、財務、ITといった複数部門にまたがる業務プロセスの変革を伴うためです。
導入パートナーには以下のような専門知識が求められます。
- Fieldglassの製品知識:CWM、Services Procurementなどのモジュール設定に関する深い知見。
- SAP連携の経験:S/4HANA、SuccessFactors、Aribaなどとの連携設計・実装の豊富な経験。
- 業務プロセスの理解:日本の商習慣や法規制(下請法、派遣法など)を踏まえた上での、最適な業務プロセス設計能力。
- チェンジマネジメント:新しいプロセスへの移行を支援し、システムを社内に定着させるノウハウ。
日本市場においては、アビームコンサルティングやコベルコシステムのように、自社導入の経験を活かして外販パートナーとなっている企業も存在します。
これらの実績あるパートナーと連携することが、導入プロジェクトのリスクを最小限に抑え、効果を最大化する近道といえるでしょう。
SAP Fieldglass導入事例5選

機能や価値を理解した上で、次に日本国内の企業がどのようにSAP Fieldglassを活用し、どのような成果を上げているのか、具体的な5つの導入事例を紹介します。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、ITソリューション事業への転換を進める中、ビジネスパートナーへの役務調達業務の標準化と効率化が急務でした。
同社は2022年1月、SAP FieldglassのCWM(派遣管理)とServices Procurement(役務調達)の両モジュールを稼働させました。
導入のポイントは「Fit to Standard」を掲げ、業務プロセスをシステムに合わせた標準化を徹底した点です。
- 導入目的
役務調達業務の標準化、効率化、コンプライアンス強化 - 主な効果
- 調達プロセスのエンドツーエンドでのシステム化と標準化
- ペーパーレス化による発注リードタイムの短縮
- SAP S/4HANAとの連携による調達から会計までの業務効率化
(引用元:SAP News – キヤノンMJ導入事例)
この事例は、基幹システムであるS/4HANAとの連携を前提に、役務調達プロセス全体のDXを推進した典型的な成功例といえます。
今後は蓄積されたデータを分析し、コストや品質の適正化を目指しています。
日東電工株式会社
グローバル展開を加速する日東電工(Nitto)は、拠点ごとに異なる構内外注の運用・管理の標準化と、働き方改革関連法案などへのコンプライアンス対応に課題を抱えていました。
特に紙ベースの請求書管理では、業務内容と支出理由の紐付けが困難でした。
同社は2021年にSAP Fieldglassを導入し、業務委託と派遣の人材調達管理を統合しました。
- 導入目的
グローバルでの構内外注管理の標準化、コンプライアンス強化、コスト管理 - 主な効果
- 業務委託と派遣の調達管理を一元化
- 支出内容や各拠点における外部人材の単価を可視化
- 構内外注における業務標準化の達成とコスト適正化の実現
(引用元:ZDNet Japan – 日東電工導入事例)
この事例は、グローバルに点在する拠点の外部人材管理をいかに標準化し、ガバナンスを効かせるかという課題に対し、SAP Fieldglassが有効なソリューションであることを示しています。
可視化されたデータに基づき、外部人材の活用に関する意思決定が強化されました。
富士通株式会社
富士通は、DX案件の増大とIT人材不足の中、従来の「個人的なコネクション(人脈)」に基づくパートナー企業からのリソース調達に限界を感じていました。
そこで同社は、「データドリブンなリソースマッチング」の実現を目指し、そのIT基盤として2022年にSAP Fieldglassを導入しました。
この事例のユニークな点は、Fieldglassを単なる管理ツールではなく、パートナー企業との「リソース情報基盤」として活用している点です。
- 導入目的
人脈依存の調達プロセスからの脱却、データに基づくリソースマッチングの実現 - 主な効果
- 6,000人を超える外部人材情報を登録・可視化(2022年11月時点)
- 社内ユーザー数が急拡大し、新規案件の10%でFieldglassが使用される
- パートナー企業がスキルや評価をアピールする基盤として機能
(引用元:SAP News – 富士通導入事例)
富士通は、この基盤をグローバルに展開し、将来的には他のIT企業も巻き込んだ多対多のリソースマッチングエコシステムの形成を目指しています。
これは、SAP Fieldglassの新たな活用可能性を示す先進的な事例といえるでしょう。
アビームコンサルティング株式会社
アビームコンサルティングは、DXの波による人財バリエーションの多様化、そして下請法や派遣法といったコンプライアンス強化の必要性から、外部人材の組織的な管理レベル向上を迫られていました。
同社は2021年4月、日本を含むグローバル5拠点でSAP Fieldglassを稼働開始しました。
この事例の特徴は、自社がコンサルティングファームとしてSAP Fieldglassを導入・活用している点です。
- 導入目的
グローバルでのサービス購買・要員調達プロセスの統合、コスト適正化、コンプライアンス強化 - 主な効果
- サービス購買・要員調達プロセスをグローバルで統合・管理
- 調達コストの適正化を実現
- 各国の労働・雇用法要件に沿ったプロセスの可視化とコンプライアンス強化
(引用元:SAP News – アビームコンサルティング導入事例)
アビームコンサルティングは、この自社導入で得た知見やテンプレートを活用し、SAP Fieldglassの導入パートナーとしてもサービスを積極的に展開しています。
SAPコンサルタントにとって、自ら実践している企業のノウハウは非常に価値が高いといえます。
コベルコシステム株式会社
コベルコシステムは、ITプロジェクト案件の急増と人材採用の競争激化を受け、タイムリーに適切な人材を確保することが経営課題となっていました。
同社は2019年10月と比較的早期に本番稼働を開始しています。
導入により、ITプロジェクト要員の確保プロセスにおける効率化とコンプライアンス強化を実現しました。
- 導入目的
要員確保プロセスの効率化、コンプライアンス強化、ITプロジェクト要員の迅速な確保 - 主な効果
- 要員の職種、単価、契約条件、評価といった情報の蓄積・分析が可能に
- ITプロジェクト要員の調達スピード迅速化
- ミスマッチの削減による機会損失の削減
(引用元:SAP News – コベルコシステム導入事例)
コベルコシステムもアビームコンサルティングと同様、この自社導入の知見を活かし、SAP Fieldglassの導入パートナーとしてサービスを展開しています。
ITサービス業界における人材調達の課題解決モデルとして、参考になる事例です。
まとめ
この記事では、SAP Fieldglassの基本的な概念から、その中核となる5つの機能、導入によって得られる4つの戦略的価値、そしてS/4HANAやSuccessFactorsとの重要な連携パターンについて解説しました。
さらに、キヤノンMJや富士通といった日本国内の具体的な導入事例を通して、多くの企業が「外部人材管理の可視化」「コンプライアンス強化」「調達プロセスの標準化」といった共通の課題を、Fieldglassで解決していることがお分かりいただけたかと思います。
SAP Fieldglassは、もはや単なる調達ツールではありません。
労働力の流動化が進む現代において、企業の競争力を維持・強化するために不可欠な「戦略的基盤」です。
SAPコンサルタントやエンジニアとして、このFieldglassの知識を深めることは、クライアントの経営課題に深く踏み込んだ提案を可能にし、ご自身の市場価値をさらに高めることに直結します。
この記事が、そのための確かな一助となれば幸いです。
SAPフリーランスの新着案件
FI
【エネルギー会社向けFI運用保守】東京都/問い合わせ・障害対応、法改正対応
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社様の基幹システムであるSAP S/4HANAの安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
主にSAP FIモジュール(GL/AP/AR/CM)を中心とした機能保守を担当していただきます。
法改正対応、仕様変更対応、ユーザーからの問い合わせ対応など、幅広い保守業務を通じてクライアントのビジネス継続に貢献することがミッションです。
ご自身の専門性とコミュニケーション能力を活かし、クライアントを能動的にサポートしていただきます。
主な業務内容:
- エンドユーザ様からの問い合わせ対応、障害対応
- SAPシステムの仕様変更対応、機能改善対応
- 法改正に伴うシステム対応、設定変更
BASIS
その他
【大手エネルギー会社/BASISとJP1の運用】東京都/運用保守・BASIS業務
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社における基幹システム、SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境の安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
このプロジェクトでは、主にバッチ処理管理ツールであるJP1の運用保守業務を担当していただきます。
SAP S/4HANAのBASIS領域に関しても、保守業務の担当者として、システム基盤の健全性を維持する役割を担っていただきます。
JP1のスキルを最優先としつつ、BASISの知識も活かしながら、システムの運用をサポートしていただきます。
主な業務内容:
- JP1ジョブの運用、監視、および障害発生時の一次対応
- スケジュール変更に伴うJP1ジョブの新規作成および修正対応
- SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境におけるBASIS保守業務
CO
【医薬業界/次期基幹システム構築(CO)】高田馬場+九段下・リモート併用/管理会計コンサルタント
- ~1,300,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 医薬業界における次期基幹システム構築を目的とした、S/4HANA移行プロジェクトです。
現行のSAP ERP 6.0(販売管理、在庫・購買管理、生産管理、会計、原価管理)からS/4HANAへの刷新を実施します。
Greenfield(新規刷新と既存業務フローの見直し)のアプローチを採用し、2028年1月の本番稼働を目指します。
フリーランスのSAPコンサルタントとして、主に管理会計領域における要件定義、設計フェーズを担当していただきます。
主な業務内容:
- 管理会計(CO)領域におけるシステム機能要件の検討および整理
- 顧客との対話を通じたシステム化要件の詳細化とドキュメント作成
- PL/BS/CFの単体・連結レポート要件に基づいたデータ要件の定義
MM
SD
【SAP保守運用支援(SD, MM)】静岡県浜松市/リモート併用/保守運用支援
- ~1,400,000円 / 月
- 静岡県
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAPの保守運用支援プロジェクトにご参画いただきます。
高度なIT戦略立案フェーズではなく、現場の課題解決を着実に実行するメンバーとしての役割が期待されます。
社員の方のリードのもと、主体的に業務を遂行(自走)できる方、または各モジュール領域のコンサルタントとして一人称で運用・維持管理ができる方を募集しています。
ユーザーからの問い合わせ対応、見積作成、テスト推進など、具体的な保守運用支援業務を担当していただきます。
主な業務内容:
- ユーザーからの問い合わせ対応、トラブルシューティング、要望ヒアリング
- 見積作成、WBS策定、スケジュール管理
- 受け入れテストの計画、実施、検証
FI
【基幹システム刷新(S/4HANA FI/BTP)】東京・二子玉川(リモート併用)/移行推進サブリード
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, その他
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手企業様の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新する大規模プロジェクトです。
このプロジェクトにおいて、SAP FIモジュールとBTPアドオンを中心とした移行推進チームのサブリードとしてご活躍いただきます。
自ら主体的に動き、移行方針書や移行計画書のドラフト作成からクライアントとのセッションを主導し、合意形成までの一連のプロセスを担当していただきます。
主な業務内容:
- 移行推進チームのサブリード業務
- 移行方針書、移行計画書など、各種ドキュメントの作成とクライアントへの提案
- クライアントおよび関連チームとの調整、合意形成の推進
- FIモジュールおよびBTPアドオンに関する課題解決のサポート
CO
FI
【販社受発注システム再構築(CO/FI)】神奈川・川崎(リモート併用)/構想策定・効果算定
- ~1,700,000円 / 月
- 神奈川県
- 要件定義
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 販社(販売会社)における受発注システムの再構築構想を策定する、極めて重要な最上流フェーズの案件です。
この構想フェーズでは、最適なSAPソリューション選定に向けたインプット情報を作成することが主要なミッションとなります。
具体的には、概算費用と効果を試算するためのモデル作成、そして会計領域を中心とした施策検討を実施します。
特に顧客別・商品別収益分析(CO)の施策やToBe像を確立するため、CO/FIの知見が不可欠となるポジションを担当していただきます。
主な業務内容:
- 施策別効果分析モデルの作成(業務削減、人件費、運転資本などの定量化)
- 業務/IT統合の観点を取り入れた改革シナリオの立案
- 経営層向けの説明資料(ROI/Payback試算を含む構想報告書)の作成支援
- 現行業務工数ヒアリング、帳票/IF数集計
- 会計領域の施策検討(顧客別、商品別収益分析(CO)のToBe設計およびデータ連携方式検討)
MM
【ECC→S4HANA移行(MM)】東京都/リモート併用/グローバルテンプレート構築・展開
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計, テスト
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECCからS/4HANAへの移行に伴う、グローバルテンプレートの構築・展開プロジェクトです。
パイロット拠点のテストフェーズ完了に伴い、東南アジア、インド、UAEへの次拠点展開と、中国、ヨーロッパ、アフリカ、北米への次々拠点展開を並行して進めていきます。
本案件では、MM領域のコンサルタントとして、テンプレート導入における要件定義や設計、テスト推進などを担当していただきます。
主な業務内容:
- コンフィグ要件定義、および設定担当者への説明・レビュー
- アドオン要件定義(特に帳票関連)、および設計者への説明・レビュー
- 結合テスト、ウォークスルーテストシナリオの検討
- 発生する個別課題の検討および解決推進
- 顧客(情報システム部門)との直接の調整・フェーシング
FI
【ECC→S4HANA移行(FI/会計帳票)】東京都/リモート併用/アドオン帳票リバースエンジニアリング
- ~1,150,000円 / 月
- 東京都
- 設計, 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトです。
設計書が存在しない現行のアドオン帳票(約46本)について、リバースエンジニアリングを実施し、S/4HANAでの実装に向けた基本設計書の新規作成を行います。
本案件では、会計帳票チームのサブリードとして、経理ユーザーとの要件ヒアリング、基本設計、開発チーム(別チーム)への説明、成果物レビュー、チームの進捗・課題管理などを担当していただきます。
主な業務内容:
- 現行アドオン帳票のリバースエンジニアリングによる基本設計書作成
- 顧客(経理ユーザー)への要件ヒアリング、仕様調整
- 開発チームへの設計詳細説明、および開発成果物のレビュー
- 帳票チームのサブリード業務(各帳票の進捗状況把握、課題管理)
- タスク遂行に関するスケジュール調整、要員アサインの調整
- 顧客IT部門担当との進め方や品質管理に関するコミュニケーション
MM
SD
【貴金属リサイクル業 SAP保守(MM/SD/ABAP)】東京都/リモート併用/保守・ユーザー対応
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori), 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 貴金属リサイクル業のクライアントにおけるSAP保守プロジェクトです。
ロジモジュール(MM, SD)の保守をご担当いただきます。
アドオンの作りこみが多い環境であり、ドキュメント類の整備が不十分なためABAPスキルが必須となります。
主に、ユーザーからの問い合わせ対応や調査、プログラム改修などを担当していただきます。
主な業務内容:
- ロジモジュール(MM, SD)の保守業務
- ユーザーからの問い合わせ対応・調査
- アドオンプログラムの改修・開発
MM
SD
【電気通信 子会社統合(SD/MM移行)】東京(リモート併用)/データ移行・開発
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 電気通信事業における子会社統合に伴い、SAPシステム(ロジスティクス領域)の移行プロジェクトが進行中です。
本ポジションでは、資材マスタのデータ移行を軸に、移行リハーサル、本番稼働フォロー、既存プログラムの改修など、移行・開発業務全般をご担当いただきます。
ロジ領域の組織カスタマイズ経験とABAPスキルの両方を活かせる、技術的にチャレンジングな役割です。
主な業務内容:
- 資材マスタデータ移行、およびデータマッピング
- 移行リハーサル、走行試験の実施支援
- 本番稼働のフォローアップ
- 既存プログラムの改修、およびパフォーマンスチューニング
