「SAPプロジェクトで『SAP Datasphere』って聞くけど、結局DWCやBWと何が違うの?」
「オンプレミスのBW環境が限界を迎えているが、クラウド移行をどう進めれば良いかわからない」
「データが各システムに散在し、横断的な分析に時間と手間がかかりすぎている」
これらの課題は、多くのSAPエンジニアやコンサルタントが直面する共通の悩みです。
データのサイロ化は迅速な意思決定を妨げ、旧来のシステムは現代のビジネススピードに対応しきれなくなりつつあります。
この記事では、そのような課題を解決する鍵となる「SAP Datasphere」について、その基本概念から具体的な機能、従来製品や競合との違い、そして導入を成功させるポイントまでを網羅的に解説します。
- SAP Datasphereの全体像と核心的な価値
- プロジェクトでDatasphereをどのように位置づけ、提案できるか
- 自身のスキルセットを今後どのようにアップデートしていくべきか
単なる製品知識だけでなく、あなたの市場価値を高めるための戦略的な知見を得られます。
SAPフリーランスの新着案件
FI
【エネルギー会社向けFI運用保守】東京都/問い合わせ・障害対応、法改正対応
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社様の基幹システムであるSAP S/4HANAの安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
主にSAP FIモジュール(GL/AP/AR/CM)を中心とした機能保守を担当していただきます。
法改正対応、仕様変更対応、ユーザーからの問い合わせ対応など、幅広い保守業務を通じてクライアントのビジネス継続に貢献することがミッションです。
ご自身の専門性とコミュニケーション能力を活かし、クライアントを能動的にサポートしていただきます。
主な業務内容:
- エンドユーザ様からの問い合わせ対応、障害対応
- SAPシステムの仕様変更対応、機能改善対応
- 法改正に伴うシステム対応、設定変更
BASIS
その他
【大手エネルギー会社/BASISとJP1の運用】東京都/運用保守・BASIS業務
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社における基幹システム、SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境の安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
このプロジェクトでは、主にバッチ処理管理ツールであるJP1の運用保守業務を担当していただきます。
SAP S/4HANAのBASIS領域に関しても、保守業務の担当者として、システム基盤の健全性を維持する役割を担っていただきます。
JP1のスキルを最優先としつつ、BASISの知識も活かしながら、システムの運用をサポートしていただきます。
主な業務内容:
- JP1ジョブの運用、監視、および障害発生時の一次対応
- スケジュール変更に伴うJP1ジョブの新規作成および修正対応
- SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境におけるBASIS保守業務
CO
【医薬業界/次期基幹システム構築(CO)】高田馬場+九段下・リモート併用/管理会計コンサルタント
- ~1,300,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 医薬業界における次期基幹システム構築を目的とした、S/4HANA移行プロジェクトです。
現行のSAP ERP 6.0(販売管理、在庫・購買管理、生産管理、会計、原価管理)からS/4HANAへの刷新を実施します。
Greenfield(新規刷新と既存業務フローの見直し)のアプローチを採用し、2028年1月の本番稼働を目指します。
フリーランスのSAPコンサルタントとして、主に管理会計領域における要件定義、設計フェーズを担当していただきます。
主な業務内容:
- 管理会計(CO)領域におけるシステム機能要件の検討および整理
- 顧客との対話を通じたシステム化要件の詳細化とドキュメント作成
- PL/BS/CFの単体・連結レポート要件に基づいたデータ要件の定義
MM
SD
【SAP保守運用支援(SD, MM)】静岡県浜松市/リモート併用/保守運用支援
- ~1,400,000円 / 月
- 静岡県
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAPの保守運用支援プロジェクトにご参画いただきます。
高度なIT戦略立案フェーズではなく、現場の課題解決を着実に実行するメンバーとしての役割が期待されます。
社員の方のリードのもと、主体的に業務を遂行(自走)できる方、または各モジュール領域のコンサルタントとして一人称で運用・維持管理ができる方を募集しています。
ユーザーからの問い合わせ対応、見積作成、テスト推進など、具体的な保守運用支援業務を担当していただきます。
主な業務内容:
- ユーザーからの問い合わせ対応、トラブルシューティング、要望ヒアリング
- 見積作成、WBS策定、スケジュール管理
- 受け入れテストの計画、実施、検証
FI
【基幹システム刷新(S/4HANA FI/BTP)】東京・二子玉川(リモート併用)/移行推進サブリード
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, その他
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手企業様の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新する大規模プロジェクトです。
このプロジェクトにおいて、SAP FIモジュールとBTPアドオンを中心とした移行推進チームのサブリードとしてご活躍いただきます。
自ら主体的に動き、移行方針書や移行計画書のドラフト作成からクライアントとのセッションを主導し、合意形成までの一連のプロセスを担当していただきます。
主な業務内容:
- 移行推進チームのサブリード業務
- 移行方針書、移行計画書など、各種ドキュメントの作成とクライアントへの提案
- クライアントおよび関連チームとの調整、合意形成の推進
- FIモジュールおよびBTPアドオンに関する課題解決のサポート
CO
FI
【販社受発注システム再構築(CO/FI)】神奈川・川崎(リモート併用)/構想策定・効果算定
- ~1,700,000円 / 月
- 神奈川県
- 要件定義
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 販社(販売会社)における受発注システムの再構築構想を策定する、極めて重要な最上流フェーズの案件です。
この構想フェーズでは、最適なSAPソリューション選定に向けたインプット情報を作成することが主要なミッションとなります。
具体的には、概算費用と効果を試算するためのモデル作成、そして会計領域を中心とした施策検討を実施します。
特に顧客別・商品別収益分析(CO)の施策やToBe像を確立するため、CO/FIの知見が不可欠となるポジションを担当していただきます。
主な業務内容:
- 施策別効果分析モデルの作成(業務削減、人件費、運転資本などの定量化)
- 業務/IT統合の観点を取り入れた改革シナリオの立案
- 経営層向けの説明資料(ROI/Payback試算を含む構想報告書)の作成支援
- 現行業務工数ヒアリング、帳票/IF数集計
- 会計領域の施策検討(顧客別、商品別収益分析(CO)のToBe設計およびデータ連携方式検討)
MM
【ECC→S4HANA移行(MM)】東京都/リモート併用/グローバルテンプレート構築・展開
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECCからS/4HANAへの移行に伴う、グローバルテンプレートの構築・展開プロジェクトです。
パイロット拠点のテストフェーズ完了に伴い、東南アジア、インド、UAEへの次拠点展開と、中国、ヨーロッパ、アフリカ、北米への次々拠点展開を並行して進めていきます。
本案件では、MM領域のコンサルタントとして、テンプレート導入における要件定義や設計、テスト推進などを担当していただきます。
主な業務内容:
- コンフィグ要件定義、および設定担当者への説明・レビュー
- アドオン要件定義(特に帳票関連)、および設計者への説明・レビュー
- 結合テスト、ウォークスルーテストシナリオの検討
- 発生する個別課題の検討および解決推進
- 顧客(情報システム部門)との直接の調整・フェーシング
FI
【ECC→S4HANA移行(FI/会計帳票)】東京都/リモート併用/アドオン帳票リバースエンジニアリング
- ~1,150,000円 / 月
- 東京都
- 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトです。
設計書が存在しない現行のアドオン帳票(約46本)について、リバースエンジニアリングを実施し、S/4HANAでの実装に向けた基本設計書の新規作成を行います。
本案件では、会計帳票チームのサブリードとして、経理ユーザーとの要件ヒアリング、基本設計、開発チーム(別チーム)への説明、成果物レビュー、チームの進捗・課題管理などを担当していただきます。
主な業務内容:
- 現行アドオン帳票のリバースエンジニアリングによる基本設計書作成
- 顧客(経理ユーザー)への要件ヒアリング、仕様調整
- 開発チームへの設計詳細説明、および開発成果物のレビュー
- 帳票チームのサブリード業務(各帳票の進捗状況把握、課題管理)
- タスク遂行に関するスケジュール調整、要員アサインの調整
- 顧客IT部門担当との進め方や品質管理に関するコミュニケーション
MM
SD
【貴金属リサイクル業 SAP保守(MM/SD/ABAP)】東京都/リモート併用/保守・ユーザー対応
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori), 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 貴金属リサイクル業のクライアントにおけるSAP保守プロジェクトです。
ロジモジュール(MM, SD)の保守をご担当いただきます。
アドオンの作りこみが多い環境であり、ドキュメント類の整備が不十分なためABAPスキルが必須となります。
主に、ユーザーからの問い合わせ対応や調査、プログラム改修などを担当していただきます。
主な業務内容:
- ロジモジュール(MM, SD)の保守業務
- ユーザーからの問い合わせ対応・調査
- アドオンプログラムの改修・開発
MM
SD
【電気通信 子会社統合(SD/MM移行)】東京(リモート併用)/データ移行・開発
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 電気通信事業における子会社統合に伴い、SAPシステム(ロジスティクス領域)の移行プロジェクトが進行中です。
本ポジションでは、資材マスタのデータ移行を軸に、移行リハーサル、本番稼働フォロー、既存プログラムの改修など、移行・開発業務全般をご担当いただきます。
ロジ領域の組織カスタマイズ経験とABAPスキルの両方を活かせる、技術的にチャレンジングな役割です。
主な業務内容:
- 資材マスタデータ移行、およびデータマッピング
- 移行リハーサル、走行試験の実施支援
- 本番稼働のフォローアップ
- 既存プログラムの改修、およびパフォーマンスチューニング
SAP Datasphereとは?基本を分かりやすく解説

SAP Datasphereは、単なるデータウェアハウス(DWH)の進化版ではありません。
企業のあらゆるデータ資産をビジネスの文脈で結びつけ、データドリブンな意思決定を加速させるための統合データプラットフォームです。
まずはその基本を理解していきましょう。
SAP Datasphereの概要
SAP Datasphereとは、SAPが提供するクラウドネイティブなデータ統合プラットフォームです。
SAP Business Technology Platform(BTP)上で稼働するSaaSソリューションであり、専門的な知識がなくとも、ビジネスユーザー自身がデータを自由に探索・分析できる環境を提供することを目的としています。
このプラットフォームは、SAPシステム内のデータはもちろん、さまざまな外部データソースとシームレスに連携できるのが大きな特徴です。
これにより、企業内に散在するデータを仮想的に統合し、一元的なデータアクセスを実現します。
従来製品の「Data Warehouse Cloud」との違い
SAP Datasphereは、従来提供されていた「SAP Data Warehouse Cloud(DWC)」の次世代版として位置づけられています。
単なる名称変更ではなく、機能とコンセプトが大幅に拡張されました。
DWCが主にデータウェアハウス機能に焦点を当てていたのに対し、Datasphereはデータ統合やデータガバナンス、セマンティックモデリングといった機能を強化しています。
これにより、単一の製品でデータ管理のライフサイクル全体をカバーできるようになりました。
| 比較項目 | SAP Data Warehouse Cloud | SAP Datasphere |
|---|---|---|
| コンセプト | データウェアハウス中心 | ビジネスデータファブリック |
| 主な機能 | データモデリング、分析 | データ統合、カタログ、セマンティクス |
| 連携性 | SAP中心 | オープンデータエコシステム |
| 対象ユーザー | IT部門、データアナリスト | ビジネスユーザーを含む全社 |
このように、SAP Datasphereはより包括的でビジネス指向のプラットフォームへと進化を遂げているのです。
中核概念である「ビジネスデータファブリック」とは
ビジネスデータファブリックとは、SAP Datasphereが掲げる非常に重要なコンセプトです。
これは、組織内外に散在する様々なデータを、物理的に1か所に集めるのではなく、仮想的に連携させ、あたかも「一枚の布(ファブリック)」のように扱うアーキテクチャ思想を指します。
このアプローチの最大のメリットは、データの複製や移動を最小限に抑え、リアルタイム性と一貫性を保ちながら、必要な時に必要なデータへアクセスできる点です。
SAPは、このビジネスデータファブリックを実現するための中核としてSAP Datasphereを位置づけています。
引用元:SAPジャパン、データ環境をシンプルにする新製品「SAP Datasphere」を提供 – ZDNET Japan
SAP Datasphereの代表的な3つの機能

SAP Datasphereがビジネスデータファブリックを実現するために、数多くの機能が搭載されています。
ここでは、その中でも特に重要となる3つの代表的な機能について見ていきましょう。
これらの機能が、データ活用のあり方を大きく変える力を持っています。
オープンデータエコシステム:あらゆるデータを統合・連携
SAP Datasphereの最も強力な機能のひとつが、そのオープン性です。
SAP S/4HANAや従来のSAP ERPといった基幹システムとの親和性が高いのはもちろんのこと、SAP以外のさまざまなデータソースとも容易に連携できます。
これは「オープンデータエコシステム」という考え方に基づいています。
具体的には、以下のような主要なデータプラットフォームやAIベンダーとの戦略的パートナーシップにより実現されているのです。
- Collibra:データガバナンスの統合
- Confluent:リアルタイムなデータストリーミング
- Databricks:高度なデータ分析とAI/機械学習
- DataRobot:自動化された機械学習プラットフォーム
- Google Cloud:BigQueryとの連携による高速クエリ
これにより、企業は既存のデータ資産を最大限に活用しながら、最新のテクノロジーと組み合わせた高度なデータ活用が可能となります。
セマンティックレイヤー:ビジネスコンテキストを維持
セマンティックレイヤーは、技術的なデータ項目に「売上」「利益」「顧客数」といったビジネス上の意味(コンテキスト)を付与する機能です。
これにより、IT部門の専門家でなくとも、ビジネスユーザーが直感的にデータを理解し、分析できるようになります。
例えば、「TableAのCol1」のような技術的な名称ではなく、「年度別製品売上」といった分かりやすい名称でデータにアクセス可能です。
SAP Datasphereでは、SAP S/4HANAなどのSAPアプリケーションが持つセマンティック定義を自動で再利用できるため、価値実現までの時間を大幅に短縮します。
データガバナンスとセキュリティ
データの活用が進むほど、その品質やセキュリティを維持するためのガバナンスが重要になります。
SAP Datasphereは、企業が安心してデータを活用できるための強力なデータガバナンス機能を提供します。
主な機能は以下の通りです。
- データカタログ:組織内のデータ資産を自動で発見し、一元的に管理。データの意味や出所を明確にする。
- アクセス制御:ユーザーの役割や権限に応じて、データへのアクセスをきめ細かく制御。
- データ品質管理:データの品質を監視し、一貫性と信頼性を担保するルールを設定。
- コンプライアンス対応:GDPRなどの各種データ保護規制に対応するための機能を提供。
これらの機能により、データ活用の自由度と統制の両立を実現します。
SAP Datasphereと従来製品・競合製品との違い

SAP Datasphereを導入検討する上で、既存のSAP製品や市場の競合製品との違いを正確に理解することは不可欠です。
ここでは、それぞれの製品との比較を通じて、SAP Datasphere独自のポジションと強みを明らかにしていきます。
SAP Data Warehouse Cloud / BW/4HANAとの違い
SAP Datasphereは、SAPのデータウェアハウスソリューションの系譜に連なる製品ですが、従来製品とはアーキテクチャとコンセプトに大きな違いがあります。
具体的な違いは以下の通りです。
| 比較項目 | SAP BW/4HANA | SAP Datasphere |
|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス / IaaS | SaaS |
| データ連携 | 物理的なデータ統合(ETL)が中心 | 仮想アクセスと物理統合のハイブリッド |
| 対象データ | 主にSAPデータ | SAPデータ + 非SAPデータ |
| 主な利用者 | IT部門、BW開発者 | ビジネスユーザー、データサイエンティスト |
| 移行 | – | BWブリッジ機能で既存資産の再利用が可能 |
最大の違いは、BW/4HANAが物理的なデータ集約を前提としているのに対し、Datasphereはデータの仮想的な連携を重視している点です。
これにより、より柔軟かつ迅速なデータアクセスが可能となりました。
Snowflake, Azure Synapse, Databricksとの比較
SAP Datasphereは、多くのクラウドデータプラットフォームと競合します。
各製品にはそれぞれ特徴があり、用途によって最適な選択は異なります。
| 製品名 | 主な強み | 特に適した用途 |
|---|---|---|
| SAP Datasphere | SAPシステムとの深い統合、ビジネスセマンティクスの維持 | SAP中心の環境での全社的なデータ活用 |
| Snowflake | マルチクラウド対応、コンピューティングとストレージの分離 | 多様なクラウド環境での大規模データ分析 |
| Azure Synapse | Microsoft製品との親和性、分析機能の統合 | Azure中心の環境でのエンドツーエンド分析 |
| Databricks | AI/機械学習機能、大規模データ処理(Sparkベース) | データサイエンス、AIモデル開発 |
SAP Datasphereの最大の優位性は、SAP S/4HANAなどの基幹システムが持つビジネスコンテキストを損なうことなく、データ活用ができる点にあります。
SAP Datasphereの料金体系

SAP Datasphereの導入を検討する上で、料金体系の理解は重要な要素です。
従来の製品とは異なるクラウドサービスならではの課金モデルを採用しています。
ライセンスの種類
SAP Datasphereの料金は、主に「Capacity Unit(CU)」という単位に基づいたサブスクリプションモデルとなっています。
CUは、利用するコンピューティングリソース(CPU、メモリ)やストレージの容量を統合した消費単位です。
このモデルのメリットは以下の通りです。
- 柔軟性:ワークロードの需要に応じてCUを柔軟にスケールアップ・ダウンできる。
- シンプルさ:コンピューティングとストレージを個別に計算する必要がなく、管理が容易。
- 予測可能性:事前に購入したCUの範囲内で利用するため、予算管理がしやすい。
利用規模に応じて必要なCU数が変動するため、導入前にサイジングを行うことが重要です。
SAP BTP経由での購入方法
SAP Datasphereは、SAP Business Technology Platform(BTP)上のサービスのひとつとして提供されており、購入もBTP経由で行います。
主な契約形態には、以下の2つがあります。
- Pay-As-You-Go:
初期費用なしで、実際に使用した分だけを支払う従量課金制のモデル。
小規模なプロジェクトやPoC(概念実証)に適している。 - CPEA (Cloud Platform Enterprise Agreement):
事前に一定額のクレジットをまとめて購入し、BTP上の様々なサービスをそのクレジットから消費していくモデル。
大規模な利用や複数サービスの利用が想定される場合にコストメリットがある。
どちらのモデルを選択するかは、企業の利用計画や規模によって異なります。
参考:SAP Discovery Center – SAP Datasphere
SAP Datasphereの導入事例

SAP Datasphereが実際のビジネス現場でどのように活用され、どのような成果を上げているのでしょうか。
ここでは、国内外の先進的な導入事例を3つ紹介します。
データサイロを解消し、リアルタイムな意思決定を実現(Hyundai Elevator社)
韓国の大手エレベーターメーカーであるHyundai Elevator社は、複数のシステムにデータが散在し、リアルタイムな経営状況の把握が困難という課題を抱えていました。
同社はSAP Datasphereを導入し、SAP S/4HANAや他の業務システムのデータを統合。
これにより、経営層は常に最新のデータに基づいた意思決定を行えるようになり、市場の変化への対応スピードが大幅に向上しました。
15か月でクラウド大変革を実現(Kemira)
化学業界のグローバルリーダーであるKemira社は、SAP DatasphereとSAP Analytics Cloudを導入し、15か月という短期間でデータプラットフォームのクラウドへの大変革を遂げました。
このプロジェクトにより、同社はデータ分析基盤を近代化し、ビジネスユーザーがセルフサービスでデータにアクセスし、インサイトを得られる環境を構築。
データ活用の民主化を推進し、イノベーションを加速させています。
IFRS対応と社内DX推進を同時に実現(野村総合研究所)
株式会社野村総合研究所(NRI)は、新たな収益認識基準(IFRS15号)への対応と、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進という2つの目的のためにSAP Datasphereを導入しました。
SAP S/4HANA CloudとSAP Datasphereを連携させることで、複雑な会計基準に対応しつつ、営業から会計までのデータを一気通貫で分析できる基盤を構築。
これにより、ガバナンスの強化とデータに基づく戦略立案の両方を実現しています。
参考:SAPジャパン、データ統合基盤「SAP Datasphere」をリリース、複数のデータソースを仮想統合 | IT Leaders
SAP Datasphereの導入を成功させるためのポイント

SAP Datasphereは強力なツールですが、その導入を成功させるためにはいくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、豊富なプロジェクト経験から見えてきた2つの重要な成功要因について解説します。
信頼できるパートナーを選定する
SAP Datasphereの導入は、単なるツールのインストールではありません。
既存のデータ環境の評価、将来のビジネスニーズを見据えたアーキテクチャ設計、そして効果的なデータモデリングなど、高度な専門知識が求められます。
そのため、SAP Datasphereに関する深い知見と豊富な導入実績を持つパートナーを選定することが極めて重要です。
パートナー選定の際は、以下の点を確認するとよいでしょう。
- 自社の業界における導入実績
- SAP BWからの移行に関する経験
- SAP以外のデータソースとの連携に関する技術力
- 導入後のトレーニングやサポート体制
信頼できるパートナーは、技術的な課題を解決するだけでなく、データ活用の文化を組織に根付かせるための力強い推進役となります。
スモールスタートで段階的に移行する
全社的なデータ基盤を一度に刷新しようとすると、プロジェクトが大規模化し、リスクも増大します。
導入を成功させるための現実的なアプローチは、「スモールスタート」です。
まずは特定の業務領域や部門にスコープを絞ってパイロットプロジェクトを開始し、そこで小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
このアプローチには、以下のようなメリットがあります。
- リスクの低減:初期投資を抑え、技術的な課題を早期に洗い出せる。
- 効果の可視化:短期間で具体的な成果を示すことで、経営層や関連部門の理解を得やすくなる。
- 知見の蓄積:パイロットプロジェクトで得た知見やノウハウを、次のステップに活かせる。
小さな成功を積み重ねながら、段階的に適用範囲を拡大していくことが、全社的なデータ活用基盤の定着につながります。
まとめ
この記事では、SAP Datasphereの基本概念から主要機能、競合製品との比較、そして導入を成功させるためのポイントまでを網羅的に解説しました。
SAP Datasphereは、単なるSAP Data Warehouse Cloudの後継製品ではなく、ビジネスデータファブリックという先進的なコンセプトを実現するための中核的なプラットフォームです。
その最大の特徴は、SAPシステムとの深い親和性を保ちつつ、様々な外部データソースとも連携できるオープン性にあります。
これにより、企業はサイロ化されたデータを仮想的に統合し、ビジネスの文脈を維持したまま、信頼性の高いデータにアクセスできるようになります。
SAPエンジニアやコンサルタントにとって、SAP Datasphereを理解することは、今後のデータ活用プロジェクトを成功に導き、自身のキャリアをさらに発展させる上で不可欠といえるでしょう。
この記事が、あなたのSAP Datasphereへの理解を深める一助となれば幸いです。
SAPフリーランスの新着案件
FI
【エネルギー会社向けFI運用保守】東京都/問い合わせ・障害対応、法改正対応
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社様の基幹システムであるSAP S/4HANAの安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
主にSAP FIモジュール(GL/AP/AR/CM)を中心とした機能保守を担当していただきます。
法改正対応、仕様変更対応、ユーザーからの問い合わせ対応など、幅広い保守業務を通じてクライアントのビジネス継続に貢献することがミッションです。
ご自身の専門性とコミュニケーション能力を活かし、クライアントを能動的にサポートしていただきます。
主な業務内容:
- エンドユーザ様からの問い合わせ対応、障害対応
- SAPシステムの仕様変更対応、機能改善対応
- 法改正に伴うシステム対応、設定変更
BASIS
その他
【大手エネルギー会社/BASISとJP1の運用】東京都/運用保守・BASIS業務
- ~950,000円 / 月
- 東京都
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手エネルギー会社における基幹システム、SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境の安定稼働を支える重要な運用保守案件です。
このプロジェクトでは、主にバッチ処理管理ツールであるJP1の運用保守業務を担当していただきます。
SAP S/4HANAのBASIS領域に関しても、保守業務の担当者として、システム基盤の健全性を維持する役割を担っていただきます。
JP1のスキルを最優先としつつ、BASISの知識も活かしながら、システムの運用をサポートしていただきます。
主な業務内容:
- JP1ジョブの運用、監視、および障害発生時の一次対応
- スケジュール変更に伴うJP1ジョブの新規作成および修正対応
- SAP S/4HANA(RISE with SAP)環境におけるBASIS保守業務
CO
【医薬業界/次期基幹システム構築(CO)】高田馬場+九段下・リモート併用/管理会計コンサルタント
- ~1,300,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 医薬業界における次期基幹システム構築を目的とした、S/4HANA移行プロジェクトです。
現行のSAP ERP 6.0(販売管理、在庫・購買管理、生産管理、会計、原価管理)からS/4HANAへの刷新を実施します。
Greenfield(新規刷新と既存業務フローの見直し)のアプローチを採用し、2028年1月の本番稼働を目指します。
フリーランスのSAPコンサルタントとして、主に管理会計領域における要件定義、設計フェーズを担当していただきます。
主な業務内容:
- 管理会計(CO)領域におけるシステム機能要件の検討および整理
- 顧客との対話を通じたシステム化要件の詳細化とドキュメント作成
- PL/BS/CFの単体・連結レポート要件に基づいたデータ要件の定義
MM
SD
【SAP保守運用支援(SD, MM)】静岡県浜松市/リモート併用/保守運用支援
- ~1,400,000円 / 月
- 静岡県
- 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- SAPの保守運用支援プロジェクトにご参画いただきます。
高度なIT戦略立案フェーズではなく、現場の課題解決を着実に実行するメンバーとしての役割が期待されます。
社員の方のリードのもと、主体的に業務を遂行(自走)できる方、または各モジュール領域のコンサルタントとして一人称で運用・維持管理ができる方を募集しています。
ユーザーからの問い合わせ対応、見積作成、テスト推進など、具体的な保守運用支援業務を担当していただきます。
主な業務内容:
- ユーザーからの問い合わせ対応、トラブルシューティング、要望ヒアリング
- 見積作成、WBS策定、スケジュール管理
- 受け入れテストの計画、実施、検証
FI
【基幹システム刷新(S/4HANA FI/BTP)】東京・二子玉川(リモート併用)/移行推進サブリード
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, その他
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 大手企業様の基幹システムをSAP S/4HANAへ刷新する大規模プロジェクトです。
このプロジェクトにおいて、SAP FIモジュールとBTPアドオンを中心とした移行推進チームのサブリードとしてご活躍いただきます。
自ら主体的に動き、移行方針書や移行計画書のドラフト作成からクライアントとのセッションを主導し、合意形成までの一連のプロセスを担当していただきます。
主な業務内容:
- 移行推進チームのサブリード業務
- 移行方針書、移行計画書など、各種ドキュメントの作成とクライアントへの提案
- クライアントおよび関連チームとの調整、合意形成の推進
- FIモジュールおよびBTPアドオンに関する課題解決のサポート
CO
FI
【販社受発注システム再構築(CO/FI)】神奈川・川崎(リモート併用)/構想策定・効果算定
- ~1,700,000円 / 月
- 神奈川県
- 要件定義
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 販社(販売会社)における受発注システムの再構築構想を策定する、極めて重要な最上流フェーズの案件です。
この構想フェーズでは、最適なSAPソリューション選定に向けたインプット情報を作成することが主要なミッションとなります。
具体的には、概算費用と効果を試算するためのモデル作成、そして会計領域を中心とした施策検討を実施します。
特に顧客別・商品別収益分析(CO)の施策やToBe像を確立するため、CO/FIの知見が不可欠となるポジションを担当していただきます。
主な業務内容:
- 施策別効果分析モデルの作成(業務削減、人件費、運転資本などの定量化)
- 業務/IT統合の観点を取り入れた改革シナリオの立案
- 経営層向けの説明資料(ROI/Payback試算を含む構想報告書)の作成支援
- 現行業務工数ヒアリング、帳票/IF数集計
- 会計領域の施策検討(顧客別、商品別収益分析(CO)のToBe設計およびデータ連携方式検討)
MM
【ECC→S4HANA移行(MM)】東京都/リモート併用/グローバルテンプレート構築・展開
- ~1,450,000円 / 月
- 東京都
- 要件定義, 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECCからS/4HANAへの移行に伴う、グローバルテンプレートの構築・展開プロジェクトです。
パイロット拠点のテストフェーズ完了に伴い、東南アジア、インド、UAEへの次拠点展開と、中国、ヨーロッパ、アフリカ、北米への次々拠点展開を並行して進めていきます。
本案件では、MM領域のコンサルタントとして、テンプレート導入における要件定義や設計、テスト推進などを担当していただきます。
主な業務内容:
- コンフィグ要件定義、および設定担当者への説明・レビュー
- アドオン要件定義(特に帳票関連)、および設計者への説明・レビュー
- 結合テスト、ウォークスルーテストシナリオの検討
- 発生する個別課題の検討および解決推進
- 顧客(情報システム部門)との直接の調整・フェーシング
FI
【ECC→S4HANA移行(FI/会計帳票)】東京都/リモート併用/アドオン帳票リバースエンジニアリング
- ~1,150,000円 / 月
- 東京都
- 設計
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- ECC6.0からS/4HANAへの移行プロジェクトです。
設計書が存在しない現行のアドオン帳票(約46本)について、リバースエンジニアリングを実施し、S/4HANAでの実装に向けた基本設計書の新規作成を行います。
本案件では、会計帳票チームのサブリードとして、経理ユーザーとの要件ヒアリング、基本設計、開発チーム(別チーム)への説明、成果物レビュー、チームの進捗・課題管理などを担当していただきます。
主な業務内容:
- 現行アドオン帳票のリバースエンジニアリングによる基本設計書作成
- 顧客(経理ユーザー)への要件ヒアリング、仕様調整
- 開発チームへの設計詳細説明、および開発成果物のレビュー
- 帳票チームのサブリード業務(各帳票の進捗状況把握、課題管理)
- タスク遂行に関するスケジュール調整、要員アサインの調整
- 顧客IT部門担当との進め方や品質管理に関するコミュニケーション
MM
SD
【貴金属リサイクル業 SAP保守(MM/SD/ABAP)】東京都/リモート併用/保守・ユーザー対応
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori), 運用・保守
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 貴金属リサイクル業のクライアントにおけるSAP保守プロジェクトです。
ロジモジュール(MM, SD)の保守をご担当いただきます。
アドオンの作りこみが多い環境であり、ドキュメント類の整備が不十分なためABAPスキルが必須となります。
主に、ユーザーからの問い合わせ対応や調査、プログラム改修などを担当していただきます。
主な業務内容:
- ロジモジュール(MM, SD)の保守業務
- ユーザーからの問い合わせ対応・調査
- アドオンプログラムの改修・開発
MM
SD
【電気通信 子会社統合(SD/MM移行)】東京(リモート併用)/データ移行・開発
- ~1,100,000円 / 月
- 東京都
- 開発(ABAP/Fiori)
- 稼働率:
- 100%
- 作業内容:
- 電気通信事業における子会社統合に伴い、SAPシステム(ロジスティクス領域)の移行プロジェクトが進行中です。
本ポジションでは、資材マスタのデータ移行を軸に、移行リハーサル、本番稼働フォロー、既存プログラムの改修など、移行・開発業務全般をご担当いただきます。
ロジ領域の組織カスタマイズ経験とABAPスキルの両方を活かせる、技術的にチャレンジングな役割です。
主な業務内容:
- 資材マスタデータ移行、およびデータマッピング
- 移行リハーサル、走行試験の実施支援
- 本番稼働のフォローアップ
- 既存プログラムの改修、およびパフォーマンスチューニング
